西洋剣術と銃刀法④
前回のおさらい
前回の銃刀法クイズはいかがでしたでしょうか?クイズの答えと解説は教室でお話していますので、もし興味があれば教室に来てください。
この記事の趣旨
『俳優のための銃刀法の参考書』を作り、演劇界のみなさんに短時間で銃刀法を学んでいただく。というのがこの記事の趣旨です。
前回の記事の有料部分に書きましたが、ここまでの『西洋剣術と銃刀法』は俳優目線で書いています。というのは、インターネットで銃刀法を調べるとだいたいが模造刀剣を販売するショップさんのホームページがヒットするので、一般の人向けだったり、コレクター向けだったりするので、俳優に関係ないことも書いてあって、それが余計に混乱させるから、俳優に限定した銃刀法情報のページが欲しいと思ったからです。
私は俳優さんに西洋剣術を教えることを生業としています。演劇の世界の西洋剣術インストラクターになるためには、試験があってライセンスを取得しなければならないのですが、その試験項目に「俳優さんの負担を考えた指導内容になっているか?」というものがあって、常に俳優さんの”やること”をチェックしなければなりません。もし、セリフ覚えが遅れている俳優さんがいれば、西洋剣術シーンの稽古よりセリフ覚えを優先した稽古プランを提案しなければならないですし、歌の稽古で俳優が疲れていれば、西洋剣術シーンの稽古時間としていただいていた時間を短縮することも考えなければならないのです。
ただでさえ時間のない俳優ですから、銃刀法のような直接関係ないことを勉強するのに時間をかけることは許されないので、ぜひこの『俳優向けの銃刀法』を読んで、正しく模造刀剣を扱えるようになってください。
銃刀法第22条の4
何人(なんぴと)とは「すべての人」を指します。つまりこの条文では、どんな人であっても、業務や正当な理由がある場合をのぞいて、模造刀剣類を携帯してはいけませんよ。と言っています。
「業務」とは?
この「業務」という言葉は、「業務上過失○○」のように様々な法律に出てくるので知っておくと役に立ちます。銃刀法でも同様の意味なので、ここで覚えてしまいましょう。
そして、銃刀法においては、次のような場合に「業務」と認められます。
ここから先は
¥ 500
サポートいただいた金額は研究費や渡航費にあてさせていただきます。これからも応援よろしくお願いいたします。