西洋剣術と銃刀法②
2022年6月28日更新
前回のおさらい
西洋剣術と銃刀法①では、銃刀法の基本的な部分をお話しましたが、一般的なお話にとどまっていて「特段、西洋剣術に限ったことではないんじゃない?」って思った方もいらっしゃったと思います。
記事を区切ってしまったので、わかりにくいのですが西洋剣術と銃刀法は長い記事なので最終的には西洋剣術と銃刀法のお話になっていくものとご理解ください。
さて、前回は銃刀法に規定されている「刀剣類」と「刃物」についてお話をしましたが、今回はその続きで「模造刀剣類」をお話します。
「模造刀剣類」の要件
銃刀法第22条の4に「模造刀剣類」について書かれています。
「模造刀剣類」に分類されるためには要件が決められていて、それを満たすと一定の条件下での携帯が許されるのですが、その要件はどういったものなのでしょうか?
1. 金属製であること
2. 刀剣類に著しく類似する形態を有するもの
3. 内閣府令で定めるものに該当すること
日本語は漢字から意味が推察できるので、この要件を見たときに「そのままだな」と思った方もいらっしゃると思います。確かにそのままですね。
でもこの要件を細かく見ていくと、法律を作った人がいかに頭が良いかがわかるので、面白いんですよ。私はこの要件に美しさを感じてしまうくらいです。
さて、本題。
この要件で最も重要なポイントは「金属製であること」なのですが、金属と言ってもいろいろなものがあり、これがまたなかなか難しいのです。
私は演劇界での仕事が多いので、たまに殺陣の経験者とお話するのですが、「ジュラとう」なる言葉が良く出てきます。
私は西洋剣術の人なので、「ジュラとう」と聞くと
「ジュラ紀の刀」→「恐竜の刀」→「対ドラゴン用の剣」となってしまうのですが、「ジュラとう」というのは「ジュラルミン製の刀」のことです。ジュラルミンをわかりやすく言うと、札束がぎっしり詰められたアタッシュケースに使われている銀色の金属です。
金属製とは?
模造刀剣類は金属製であることが要件ですが、金属製であればすべて模造刀剣類になるのではなく、金属の性質により「刀剣」と「模造刀剣」とに分かれます。
金属の性質にはいろいろな分類法があるのですが、銃刀法に関連するのは
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