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西洋剣術と銃刀法⑦

前回のおさらい

インデックス的に銃刀法シリーズをまとめますと、各記事ごとに次のような情報を知ることができます。バックナンバーが気になる方は参考までにどうぞ。

西洋剣術と銃刀法① → 「刀剣類」と「刃物」
西洋剣術と銃刀法② → 「模造刀剣類」
西洋剣術と銃刀法③ → 「所持等」
西洋剣術と銃刀法クイズ → 銃刀法を短時間で理解する方法
西洋剣術と銃刀法④ → 「業務」「その他正当な理由」
銃刀法を学ぶ理由 → 銃刀法を学ぶメリット
西洋剣術と銃刀法⑤ → 「刀」と「剣」の区別
西洋剣術と銃刀法⑥ → 日本に現存する本物の西洋剣

※タイトルから各記事へ飛べます。

銃刀法を学ぶ際、条文の解釈は絶対に知らなければならないので、そちらを優先的に進めましたが、基本的なことは上記の記事を読めばわかるようになっています。銃刀法の基本的なところが理解できると今日の記事ももっと面白くなると思いますので、ぜひお読み下さい。

この『西洋剣術と銃刀法』シリーズは、俳優さんやコスプレイヤーさん向けの内容で書いていまして、今日の記事までを読めば模造刀剣を堂々と持つことができますし、トラブルもなくなります。

ものごとをしっかりと理解し、自信を持てば、自然とオーラも出てきますから、俳優として、コスプレイヤーとしての魅力もアップすることでしょう。

それでは、今日のお話です。

模造刀剣にまつわるトラブル

今日のお話は、銃刀法を学んだあなたが直面するトラブルとそれを回避する方法です。

銃刀法を学んだことが逆効果となるケースをお話しますので、ぜひこれを読んでトラブルを回避して下さい。

一般社会では刀剣類、模造刀剣類は歓迎されていない

もし、あなたが刀剣類や模造刀剣類に魅力を感じ、ハマってしまったとしたら、ひとまず観るだけにしたほうが良いです。と言っても、人は美しいものを観ると触れたくなりますし、手にした刀剣は振りたくなるものです。

しかし、冷静になって考えてみて下さい。
今の社会を見て、刀剣類や模造刀剣類を持ち歩くことが喜ばれると思えますか?

少なくとも私はそうは思えません。
帯刀・帯剣は時代錯誤と言われて当然な社会だと思います。

私たちはそういう社会で生活をしています。
刀剣類や模造刀剣類を手にする前に、そういったことを踏まえて考えてみて下さい。

銃刀法を学んだ人によくあるトラブルの話

刀剣には人を惑わす力があり、心が弱い人は必ず間違いを犯します。
「自分は大丈夫」と思っている人ほど間違いを犯しやすいのは刀剣に限らず言えることですが、ここでよく起きるトラブルのお話をしましょう。

公園で模造刀剣を使ったパフォーマンスの練習をしていたところ、他の利用者から「怖いからやめて下さい」と言われたときのお話です。

模造刀剣類を持っている人はたいてい「自分は銃刀法を守っている」と思っています。きっと自信満々で「自分は正しい」と言えるでしょう。

私は個人的には「自分は正しい」と思うことは良いと思います。そして、間違いなくあなたは正しいと思います。銃刀法を守っているのですから、何一つ間違ったことはしていません。

自信を持って正しいことをしているあなたに、「やめて下さい」という言葉は「あなたは間違っている」と言っているのと同じようなものですから、きっとあなたは、「そのような非難はおかしい」と思うはずです。

そして、あなたは注意してきた人に対して説得をはじめてしまうのです。

一般社会ではあなたの理論は受け入れられない

私はこの「説得」がトラブルの原因になることが多いと思っています。あなたがこれからはじめようとしている「説得」は何一つ間違ってはいません。
銃刀法を正しく理解しているあなたが説明するのですから、法律的にも正しいですし、警察官を呼ばれたとしてもあなたに軍配が上がります。しかし、それは法制度におけるもので、専門的な世界のお話なのです。

基本的に模造刀剣に関して注意してくる人は、銃刀法を知らないと思ったほうが良いです。すなわち、銃刀法を根拠に注意してきているのではなく、感覚や感情で注意しているのです。

ですから、法的な自分の正当性を証明するのではなく、危ないと思わせてしまったことをお詫びしたほうがトラブルにはなりません。

あなたの銃刀法の理論は法律の社会であれば受け入れられるので、それは警察官とお話するときに使いましょう。少なくとも一般の人とお話するときに使うべきではありません。


本当に大事なことは何か?

模造刀剣類を初めて手にした時は、他の人にケガをさせないように気をつけようと思うはずですが、そういった気持ち的なものは次第に忘れていきます。

車の運転と同じですね。
慣れてくると過信が生まれますし、経験を積むとそこから油断が生じます。

車を運転する人がみんな安全運転で、事故も起きず、悲しむ人がいない社会であれば法律や罰則などは作られていないと思います。でも、そうではない。刀剣も車もとても大きな力を持っていますから、扱う側の人間次第でその価値が変わります。

どうぞ、あなたのその刀剣が他者から称賛される価値あるものになるよう、願いを込めて今日の記事を終わりたいと思います。

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