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美術館スタッフはなぜ客に対して厳しいのか?

 国立西洋美術館の”ハプスブルク展”に行ってきました。
今回は甲冑が4領も来るとあって、職業上、必ず見に行かなければならない展示でした。私の職業は西洋剣術に関するあらゆることを取り扱いますが、西洋甲冑を勉強することは西洋剣術を理解することにつながるので、こういった展示はとてもありがたいです。

 さて、今回の記事ですが、ハプスブルク展が開催期間中なので、展示についてではなく、それ以外で感じたことを書きたいと思います。

美術館スタッフはなぜ客に対して厳しいのか?

ハプスブルク展に限らず日本の美術館で気になることがひとつあります。それは美術館内のスタッフの数とスタッフの接客についてです。

まず、スタッフの数が多い。
そして、どのスタッフも客に対して厳しい。

すべてのスタッフが客をもてなすような態度ではないし、むしろ客のことを監視しているかのような厳しい目つきをしている。普段、俳優業や講師業などをしているとお客様のことを考えて、お客様に寄り添った仕事をしてしまうのですが、この美術館スタッフはそんな仕事はしない。

日本の美術館に行くとこういったスタッフばかりのような気がします。

客が線を超えて見ていればすかさず注意するし、客が柵を押し込めばすぐに戻しに来る。注意されて逆ギレする客もいるのに、まったく動じない。

私は最初、美術館スタッフの対応について「客を不快にさせるもの」と思っていたのですが、ちょっと考え方を変えると、美術館スタッフが客に対して厳しいのかがわかりました。


美術館スタッフは客をもてなす存在ではない

美術館に展示されている美術品には2つの性質があります。

それは、所有物か借り物かです。

借り物の場合、返却義務があるので、常設展の美術品よりも警戒が厳しくなるのは当然で、そこにお客様に気持ち良く過ごしてもらおうなどという考えはないのではないでしょうか?

多くの日本の接客業はおもてなしの心で、客が気持ちよく過ごせることをサービスとして考えていると思いますが、美術館の場合、注意されたお客様が不快に感じるかも知れないということを考えて、注意をしなかったり、大人だからわかるだろうなどと思っていると、いつかは美術品を壊されてしまうのです。


美術館スタッフは客から美術品を守る存在

客は少しでも近くに寄って美術品を見ようとするし、混雑の影響でぶつかって美術品に触ってしまうかも知れない。客が美術品に触れてそれが壊れてしまえば、それこそ大問題です。壊れた美術品はお金でなんとかなるのかもしれませんが、貸主との信頼関係はお金でなんとかできない問題なのではないでしょうか?


美術品を守り、借りた時の状態のまま返却する。こうすることで信頼関係を築き、次回の開催につなげる。これこそが美術館スタッフの役割。だから、客に対して厳しいのではないでしょうか?

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客のマナーの悪さ故の厳しさ

 美術館スタッフの立場で考えると、客のマナーの悪さ故の厳しさということも言えると思います。今回のハプスブルク展の来館者は述べ30万人に達するらしいのですが、これだけの人が来れば、いろんな人が来ると思います。

美術館には美術館のマナーやモラルがあって、そういったことが伝わっていないもの問題ですが、一応、最低限のマナーとして美術館スタッフの言うことには従うようにはしたいですね。美術館スタッフの注意に逆ギレするなんてもってのほかだと思います。


厳しいスタッフさんに感謝

美術館スタッフが美術品を守ってくれるから、次回も開催できる。一スタッフが厳しく注意することで、また次回の開催ができる。日本のみなさんに海外の素晴らしい作品を鑑賞していただけるということを考えれば、美術館のスタッフさんにとって一個人の逆ギレなんて大したことないのかも知れません。

以上、ハプスブルク展の厳しいスタッフさんを見て思ったことでした。
スタッフさん、ありがとうございます!

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西洋殺陣師 / ファイト・ディレクター
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