貧乏人でも独学で英語が話せるようになる方法(年齢も関係ない)
私は留学経験はありませんが、留学すれば英語が流暢に話せるようになるわけでもないと思ってます。実際、メジャーリーグに渡った日本人プロ野球選手が、数年向こうで活躍しても、英語の方はさっぱりという例は多いですからね。私は海外経験は若い頃の一か月のバックパック一人旅くらいしかありません。その時は全然自分の言いたいことが英語で言えなくて、もどかしい思いをしました。安宿で同部屋になったデンマークとかイスラエルの若者とか、ドイツで教師してるとかいうオッサンだとかが話しかけてきてくれて、一緒に一日二日とか行動して、彼らはシンプルで流暢な英語話してたけど、こっちは全然自分の言いたいことも言えなくて情けなかった。その後日本に戻ってきてから、どうすれば話す力が付くのか試行錯誤し、今やっとある程度簡単なことは流暢に話せるようになりました。まだまだ全然ですが。とにかく能書き垂れても仕方ないので、具体的なやり方を述べます。
まずは最低限の文法は知っておくべきなので、学生時代のやり直しを兼ねて、大西泰人著『一億人の英文法』あたりを一冊復習することをおすすめします。文法は参考書で一回やり直せば十分かなと思います。話すための英語では、大学入試の試験に出てくるようなややこしい文法はむしろ会話では使えない、というか使いづらいので、基本的文法が復習できればそれで十分です。まあ、何か一冊やり直せばいいと思います。
それと同時進行で、発音も勉強した方がいいです。私は関正生著『世界一わかりやすい英語の発音の授業』を半年ごとに読み返して復習しています。予備校講師が書いた本なんですが、すごくわかりやすく発音の基本が書かれています。例えば、to は「トゥー」と発音すると当たり前のように思っている人が多いですが、実際は弱く「タ」と発音する。発音には強形と弱形があって、普通は弱形を使う。to の場合は「トゥー」が強形で「タ」が弱形。
私もそんなこと学校で習わなかったし初耳でしたが、英和辞書を引くと確かにそう書いてある。また、日本語だと一つしかない「あ」の音も、英語だと5種類あります。その発音の仕方なんかもわかりやすく書いてあります。
我々日本人は高校受験や大学受験の弊害で、英単語を目で覚えて、スペルは間違えずに書けたりしますが、発音は全然違う音で覚えていることが多々あります。発音まで正しく覚えている暇がないんでしょうがないんですよね。あの頃は英語だけ勉強してればいいわけでもなかったし。でもそれだと、話したときに通じないんですよ。相手に、『はぁ?』とか言われないためにも、正しい音とアクセントで覚えることが本当に大事です。ただしRとLの発音の違いみたいに、めちゃ難しいのもあるので、全てを完璧にに理解しなくても全然大丈夫です。私も未だにRとLの違いを理解できていませんし、一生無理かもしれません。でもそんなの大した問題じゃないです。
そもそも、テレビ番組の『Youは何しに日本へ』を見ていても、ノンネイティブの外国人たちが、それぞれのお国訛りの強い英語で流暢に話して、十分番組スタッフ通訳に通じてますから、そんなに発音にシビアにならなくても大丈夫ではあります。英語ネイティブは変な英語に慣れているので、ある程度理解してくれます。
それはともかく、初めに発音記号は学んだ方が絶対にいいです。なぜかというと、英会話教本でもネットでも、単語の発音がわかりやすいようにと、親切にカタカナで表記してくれていますが、日本語のカタカナと英語の発音は結構違う場合もあれば、ほぼ同じ場合もありますし、いずれにしても、英語の発音記号で音を理解すれば、カタカナ表記に頼らず正解に近い音が出せますから、その方が楽に覚えられます。無理にカタカナで音を覚えるのは結局面倒くさいんです。とにかく英会話は受験勉強の英語ではないので、初めて知る単語は必ず発音記号を確認して、面倒くさがらずに正しく音を覚えることを強くお勧めします。
そして、次に紹介する本が私にとって運命の本、スティーブ・ソレイシィ著『英会話1000本ノック入門編』。私が英会話をもう一度やってみようと思ったのは、もう20年くらい前になるのかな? たまたまこの本を本屋で手に取ったからです。パラパラめくって、その時はやり通す気もなく買ったと思います。
著者は今はNHKラジオで「英会話タイムトライアル」の講座をやっている人で(私は聴いてないですけど)、アメリカ人だけど日本生活も長くて、日本語は日本人並みに流暢という人です。当時は日本語と英語の両方堪能な英会話教師って彼くらいしかいなかったんですよ。ですから、本当に会話で使える表現や構文を教えてくれる人がほとんどいない中で彼は神でした。今となっては、会話に役に立つ教本は結構たくさん売ってますけれどね。
この本では、基本的な挨拶に対する返しや、日常で特によく使うフレーズと、それに対する返答の最もオーソドックスな例が記載されていて、CD付きなので、めちゃ役に立ちました。こーいう教材を求めていたと思いました。
また、英語で日記を書くことも、英語で自分の言いたいことを言うためのトレーニングになります。私は、石原真弓著『英語で日記を書いてみる』が参考になりました。英会話の上達には、自分の言いたいことを英語で言ってみようとすることが絶対に大事で、それに尽きるんですが、初期の段階では英文日記が役立ちます。最初は一文だけでも全然構わないです。私も「I was tired today.(今日は疲れた)」の一文だけって日も多々ありました。慣れてくると、いろいろ書けるようになってきます。
一旦まとめます。
①英文法の本を一冊やり直す。
②同時に、大西泰人著『世界一わかりやすい英語の発音の授業』で学ぶ。
③スティーブ・ソレイシィ『英会話1000本ノック・入門編』で会話の基本的やりとりを学ぶ。
④一日一文でもいいから英文日記をつけてみる。
まずは、手始めにこの4つをやればいいかなと思います。最初の2か月くらいかけて、私はこれらをやっていました。参考までに。
【その後のトレーニング】
①スティーブ・ソレイシィ著『英会話1000本ノック』に進む。こちらは入門編ではない本編の方です。
②ソレイシィ氏の本を中心に会話で使える構文を覚えつつも、他の著者の英会話教本にも手を出してみる。
ニック・ウィリアムソン著『たった40パターンで英会話!』
イムラン・シィディキ著『英語は一日一言覚えれば話せます』
などはお勧めできます。
③英文日記に慣れてきたら、日記を書く代わりに、口頭で一日の出来事や、その時思ったこと、明日やろうと思うことなどを、風呂に入っている時間を使ったりして英語で口に出して言ってみるのがいい練習になります。日記だとどうしても、過去形の文ばかりが多くなる。それと、正しい英文を書こうとし過ぎて、いちいち辞書を引くので、会話に必要な瞬発力が鍛えられない。文を書くと、カッコつけて長い一文でまとめようとしがちになる。会話ではシンプルで短い文を2つ3つと分けて言う方がよいのです。これは日本語でも同様で、文で書くと一文一文が口頭と違って長くなる。だから、日記は初めの3か月程度でやめた方がよいです。
英会話が多少上達してきたら、独り言で英語をどんどん言うことが、一番よい練習になります。私は散歩と自転車を趣味としていますが、朝散歩している時や自転車で走っている時間に、英語で独り言を言っています。これですごく話す力が伸びていくのを実感しています。朝、外を歩きだしたら、今日は天気がいいとか、ちょっと寒いとか、なんか憂鬱だとか、体が重たいとか、そういうことから始まり、今日の予定、鳥が鳴いていて心が癒される、今日のこれからの予定、前からどっかの怪しい人が歩いてくる、こっちに来るなよ。とか、その時思ったことや感じたことを全部英語で言うようにしています。もちろん、英語でなんて言ったらいいのかわからないことも、特に始めはわらかないことばかりですけど、とにかく英語で言おうとする努力をして、わからないことは家に戻ってからスマホで調べます。今は英語と日本語のバイリンガルの人が、いろんなブログだったりで自然な言い回しを教えてくれていますので、それがすごく参考になります。私が今一番参考にしているのは、DMM英会話の質疑応答サイトです。ここでの質疑応答でバイリンガルの人たちが回答してくれる例文がナチュラルでよいです。
いま私がルーティンとして毎日やっているのが、散歩しながら英語で独り言を言い、わからない言い方はスマホで調べる。調べたら、自分自身が普通に使いそうな文をいくつか作り、ノートに英語文と日本語訳を書き、そのノートも常に復習し続ける。これによって、自分自身が英語を話す時の核になる構文がだんだんわかってきます。新しく知った単語もフレーズもすべて、自分で文章を自作して覚えた方がよいです。私も単語帳を作ってまとめていたこともありますが、案外覚えないし忘れます。文章を作っちゃった方が復習しやすいし、頭に入ることは経験上実感しました。
そして、新しい言い回しを覚える際、一番シンプルで簡単で、自分にとって覚えやすい言い回しをまず一つだけ覚えることを優先した方がよいです。
受験英語やTOEICの弊害で、日本人は同じ意味の言葉を3つも4つも覚えようとする傾向がありますが、一番シンプルな言葉だけをまず一つ覚えるようにすべきです。何個も覚えると、話す時に結局どれを使うべきか迷って、全てあいまいに覚えて、何も口から出てこなくなります。一つだけ覚えて、他は捨てきる潔さが英会話習得には必要です。その一つが完全に身になってから、その余裕で他の言い回しも覚える。その流れの方がよいです。
最後に、タイトルの『貧乏人でも独学で英語が話せるようになる』について。私は駅前留学の英会話スクールにも行ってみたことがありますが、先生は英語だけで、日本語はほとんど話せない人ばかりですから、日本語で質問できないので、あんまり役に立たなかったです。お金に余裕がある人は通えばいいかなと。最低限の本とスマホさえあれば、今は英会話は独学できます。個人的にはスマホの登場が大きいと思ってます。スマホ以前は、私はパソコンでヤフーの知恵袋でわからないことは質問してましたが、それって回答が付くまで時間がかかるのと、キーボードを打つ手間とパソコン本体の置き場がかさばる。スマホは小さくて邪魔にならないので、散歩中でも調べられる。今は英会話ブログも充実してきたので、スマホでチャチャっと検索すれば、適切な言い回しが調べられます。私も貧乏ですが、教本を数冊買えるお金と毎月のスマホ代さえ払えるお金があれば十分独学できると断言します。
以上、少しでも参考になれば幸いです。