歩けよ乙女
クリスマスに取り残された街にて親愛なる友と久々の盃を交わす。零時を廻る頃、酔いが回り切る前に、と席を立ちお会計を済ませ、良いお年を〜と手を振りながらお互い反対向きに歩き出した。
少し名残惜しくて振り返ってみても、友は既に白い吐息とともに夜の街に溶け込んでいった。
「今年はいい年だった?」何気ない質問にはうまく答えられなかった。
不甲斐なさを感じるも、来年はお金と単位をなどと、酷く貧相な欲望に囚われるニューイヤーズイブ
思考する脳にそっと布を被せ、洒落た五拍子の曲に耳を傾けながら飲む、甘ったるいホットミルク
ラインのアイコンの赤い数字がみるみる増えてくのをぼんやり眺めながら潜り込むシングルベッド
去年が名残惜しくなりふと振り返ってみても
眩しすぎる初日の出がハレーションを起こして2022年は既に消し飛んでいた