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[神映画]モノノ怪 唐傘を観た[感想]


結論

結論から言うと神アニメ映画だった。
アニメシリーズの独特なシーン展開や和紙テクスチャ等のモノノ怪らしさを残しつつ、度肝を抜かれる進化したアニメーションで描かれており、やっぱ薬売りかっこよすぎた。

ここ最近で度肝を抜かれたアニメ映画はスパイダーバースだけだったけど、やっぱりモノノ怪は期待を裏切らなかったね…

あとエンディング曲の凛として時雨のTKさんが作って、アイナ・ジ・エンドさんが歌っている「Love Sick」もいい曲だった。
※アニメ版ではEDのJUJUさんの「ナツノハナ」は名曲として、OPの小松亮太×チャーリー・コーセイの「下弦の月」は謎曲だったからな…
アレはアレでなんか好きだけどw

気になる点(ここからはネタバレあり※追記の所だけで良いかも)

御水様って何?唐傘ってヤバい奴だったのか?

見た直後は、大切な物を捨てて乾いてしまった(変わってしまった)大奥の女性たちの情念や捨てられた物の思いが溜まっており、それらの情念や、大切な人形や友を捨てて乾いてしまった北川さんの大奥への恨み?とかの情念と人形が紐づいて唐傘というモノノ怪になったのだと思っていた。

しかしそうなると、同じ大奥で働く立場である淡島や麦谷を殺したのは何か違和感がある…化け物だから考え等なく暴れたとみる事もできるが…
何かモノノ怪になった理由とつながらない気がするというか…

そして飲んでた臭い水は何だったの?とか、金髪のイケメンがなんか祀ってた井戸の底に封印されている奴は何?とか、エンディングでその封印にくっついていた三本のしめ縄が一本切れているのとか、薬売りが「形が見えない」みたいな事をラストに言っていたのとかが気になる。

そこで思ったのは、水を飲むのとか、大切な物を井戸に捨てる事で何か得をしている黒幕がいて、唐傘は実はそんなに悪い奴ではなかったのではなかろうか?という事。

淡島だか麦谷のどっちか(忘れた)が殺された際に、薬売りが「人を雨にするか…!」(水分を出すという事?)と言っていた。
※実際に死体はミイラみたいになっていた
あれは、皆が飲んでいる謎の臭い水を絞り出して、正気に戻してやろう or カメを助けてやろうとして、淡島・麦谷を殺したのではないだろうか?と思った。

そう思う理由というのが、時折現れてアサに話しかけていた北川さんは、北川さんが捨てた人形が化けた姿らしい(監督インタビューから)のだが、「大切な物を捨てたら乾いてしまうから、捨てないで」という事をアサに言っていた。またアサは「北川さんは誰も恨んでいないと思う」と言っていた。

ここから思うに唐傘は「大奥の為に大切な物を捨てて乾いてほしくない、自分と同じようにならないでほしい」という思いからできており、手当たり次第に暴れまわるのは違う気がする。
ぬ~べ~キッズである私は唐傘=捨てられた物が妖怪化した良い付喪神であるという認識

となると、お水を飲ませたり、大切な物を捨てさせることで力を得ている(感情を失っているっぽいので、感情のエネルギーとか?キュウベエ?)のが御水様であり、黒幕。
唐傘は大奥の女達を救いたい(でも化け物だから力加減を誤り殺してしまった) or カメ(まだ水を臭いと思っている⇒御水様に染まっていない存在)だけは救おうとしていたのではないだろうか。
そう思うと辻褄があってくる。続編もあるみたいだし。

歌山について

もう一個きになるのは歌山がすんなり薬売りを受け入れすぎているという点。薬売りはかっこいいけど胡散臭すぎるでしょ。
それにブラクラのバラライカの声優さんのキャラが、外部者をそんなにすんなり信じるとは思えない。

となると歌山は御水様という何か超常的な存在に気付いていたのではないだろうか。
※ついでに侍二人もそれに気づいた偉い人から調査役として送り込まれている気がする(歌山を失脚させるみたいな話あったし)

なんかヤバい!と気付きつつも、自分の立場ではどうにもできないから、薬売りをすんなり引き入れて解決してもらおうとしたのではないだろうか。

三郎丸が井戸の底で泣いていたのはなぜ?

モノノ怪のキャラはシンジ君のように叫びがちなので、ただ演出として叫んでいたという可能性もあるが、どうにもそれだけではない気がする。

大奥の女性達が捨てた大切な物や、淡島・麦谷の死体も捨てられているはずなので(映像を見るに、同じように捨てられた女性がほかにもいる…?もしくは大切な物を捨てた事のメタファーかも)、そのような光景を見て絶望の叫びだったのか…。

もしくは続編につながる布石なのか…

小説を読んだので追記

唐傘の理=北川の思い情念を前提として、以下の小説内の記述から、唐傘は大切な物を手放して限界まで乾いた(おかしくなった)女中(麦谷等)に対して殺してあげる事で、失った大切な物と同じ場所へ送ってあげようとしていたのではないかと思う。そして傘の性質上手段が乾かせる事だったんじゃないかと。そしてアサは大切な物(カメ)を手放しておらず、カメは大奥に染まっていない(乾いていない)為、標的にならなかったと思われる。

  1. 北川は友人を大奥から帰した際も、仕事に集中したいからという事ではなく、大奥という水が濁った古池のような空間に友人が傷つけられる事や、それによって自分が傷つく事を恐れて、暇を出したようだ。
    ※実際に友人はカメ同様にいびられていた

  2. 北川は自分も井戸に身投げをすれば、手放した大切な物と同じ場所へ行けると信じていた

  3. 傘は雨から身を守ってくれるが、乾きと切っても切り離せない物

  • 歌山が薬売りをすんなり受け入れたのは、深い意味はなく、怪しい力を借りてでも大餅曳を完遂させるという大奥に全てをささげた歌山の意地だったのでは?と思った

  • どうやら普通に大奥の死体が大量に地下にあったらしいので、三郎丸が慟哭していたのは、人の業に対してシンプルに叫んだのでは?と思った

モノノ怪アニメシリーズ限定公開中!

8/10-12で限定公開で2007年にやっていたアニメシリーズが見れるのでぜひ
個人的にはなんかコミカルだし、妖怪って感じがして「」が一番好き


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