[感想]浅野いにお先生の勇者たちを読んで

浅野いにお先生の「勇者たち」を読んだので、ネタバレありで感想をば書いていく
ちなみにここで3話まで見れる

あらすじ

主人公達は魔王的な存在を倒すために集まった勇者たちであり、話は仲間の体を乗っ取った敵を倒した所から始まる
敵を倒したので、みな家路につこうとするが、敵との闘いによって全てを失った「ハエの王」というキャラは帰るところが無く、その処遇を巡って仲間たちの間で争いになってしまう

その中でも気の毒な人を盾にして、他人を殴りたいだけの人(SNSにあふれてる)のような「三杯酢」というキャラとの殴り合いの末にそいつを殺してしまったり、敵との闘いの中で身を挺して仲間を守った故に自慢の羽まで失ったのに、自分を受け入れてくれない仲間に絶望したハエの王は、暗黒にのまれ、次の敵になってしまうのだった

こうしてクソみてえにペラッペラの歌詞を書くアーティストや、しょうもないメディアみたいなキャラが出てきつつ、様々な理由で次々に仲間は暗黒に飲まれてしまい…

といった内容

感想

勇者物で魔物側にも色々と理由があるのではないか?敵と断定して駆逐してよいものか?というのはよくあるテーマである
「ぼくらの」でも人間を白黒の二つに分ける事は出来ず、たいていの人間はグレーであり、より濃いグレーがいるだけみたいな事が言われていたが、この物語でも誰しも感情の中に暗い部分が存在し、敵側と大して変わらないという事がたびたび語られる
敵側のセリフの回想であったり、仲間が次々と色々な理由で暗黒に飲まれていったり

よくあるテーマではあるが、この漫画は絶妙にダークな感じとか、人の気持ち悪さとか、あっさりと仲間が死んで動かなくなったみたいな表現のうまさ(不気味さ)、救われなさがあって、デビルマンのアニメみたいにずっしりときた…

また敵がいたときの方が人間同士で争わなくてよかったのでは?という話が出てくるのだが、これも良くある話だなと思いつつ、最後まで読んで本当にそうかもな…と思った
この記事でサスケはカスという話を書いたが、サスケの思想も意外とアリなのかもなとか…まあサスケはカスなんだけども

あと上でも書いたが、世にいる面白い人たちを表現したキャラが出てくるので、それもおもろい
他にも声のでかいフェミニストや、自分の正義を信じこんでるキャラ等が出てくる
1巻しかなくて、さくっと読めるのでぜひ読んでな!


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