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[知って損する豆知識]キーボードが打ちにくい理由

現在、筆者は普通電車で空港に向かっている。ちなみに明日からの一週間、筆者は2人の友人とタイ旅行をする手筈だ。

道中で「銃 病原菌 鉄」という本を読んでいたのだが、そこで面白い話を見つけたので紹介したい。

キーボードは、タイピングスピードを上げられないような工夫が施されている

現在のキーボード配列は、左上に配置された六文字をとってQWERTY配列と言われている。

信じがたいことに、QWERTY配列はさまざまな細工を施し、タイプのスピードを上げられないようにしているのだ。

頼出度の高い文字が左側に集中しているのは、右利きのタイピストに、力の弱い左手をあえて使わせるため
らしい。しかも、上中下の三列に分散させている。

意味不明だ。首をかしげすぎて折れそうである。

タイプライターは、早く打つとキーが絡まる。


  当時のタイプライターは、隣接キーを続けて打つと、キーがからまり故障してしまうことがあった。ゆえに、タイプライター製造業者は、タイピストの指の動きを遅くするよう設計する必要があったのだ。

新しい配列が発明されたが…


  しかし1933年には、技術的問題が解決され、効率的な配列のキーボードが開発された。試用者によって速度は2倍、使いやすさも95パーセント向上することが示された。

ところが、その頃には、QWERTY配列のキーボードが社会的にすでに定着してしまっていた。

そのため、キー配列を効率化したタイプライターの普及運動は、 何億人ものタイピストやタイプライター、コンピュータのセールスマンや製造業者により、過去60年以上にわたって粉砕され続けたのだ。

社会に受容されなかった発明


人は変化を嫌うとは、よく言ったものである。キーボードなら馬鹿げた話で終わらせられるが、中には深刻な影響をもたらしたものもある。

トランジスタ(半導体)を開発したのはアメリカだ。しかし、既存の真空管を使った電気製品を、莫大なコストをかけて大量生産しているのに、急に半導体製品き切り替えるのは難しい。そこに目を付けたソニーが特許の使用権を買い取り、シェアを奪っていった。

  アメリカやドイツがとっくにガス灯から電灯に切り替えた後も、イギリスは1920年代までガス灯を使い続けた。それは、すでにガス灯に莫大な投資をしており、地方自治体が電灯会社の進出を阻止したためだ。

知らない方が幸せだった説

  現在のキーボード配列の理由を知り、怒りがこみ上げてきたのは筆者だけではないだろう。まさかキーボード配列が、意図的に打ちにくく設計されていたとは…

  筆者はこの事実を知ってしまったため、入力ミスをする度に、
そんな打ちにくい配列してんじゃねーよ!
と、過去の先人にブチギレなければならないのだ。

世の中、無知な方がいいこともあるようだ。


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