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環境の選択にこだわる

「試合が決まっている時に最大限の努力ができる。」
親友の1人でありリクルート同僚のプロボクサーとZoomをした時に彼がこう言った時、改めて環境を整える大切さを学ばせてもらった。

人生を振り返っても今の自分があるのは99%環境のおかげだ。

祝勝会で拳の握り方を教わる自分。笑

高校は偏差値70の公立男子校に通っていた。周りは優秀な人間ばかりで僕はスポーツのおかげで運良く入学できたにすぎず、成績学年ビリを4学期連続で記録し、母親が留年面談に呼ばれ一緒に頭を下げるくらい勉強についていけなかった。(担任に後から聞いた話だが、スポートの実績込みでも入試の点数が合格者の下から2番目だったらしい。笑)
それでも、「質実剛健」を校訓とし「文武両道」を教育方針とする学校、勉強も部活も高い目標を掲げ切磋琢磨する友達、この2つの環境のおかげで腐らずにいれた。

大学受験に全落ちした自分は、大手ではない増田塾という予備校に通った。決められた休憩時間以外は外出も禁止の厳しい環境で、大手の予備校に通っていた友達には監獄と例えられた。
毎日ストップウォッチで勉強時間を計測し、寝てる時間以外全てを勉強にあて誰よりも勉強した自信があるが、息子の学力を過信せず(できるわけがなかった)、心配性の母親と姉貴が独断で決めたあの環境だから早稲田に合格できたと確信している。

新卒で入社したリクルートで数字に対する姿勢を学んだ。転職した先のアルダグラムのCEOに「リクルートに新卒で入社してよかったね。数字への足腰ができている。」と言われて気付いたがこれもリクルートという環境のおかげだ。6年前にリクルートのトップ営業Sさんに営業同行をした際のアドバイスが記憶に残っている。
「先にアポを取れ。とにかくアポを組んでから考えろ。」
この意味は、動かざるを得ない環境を創れという事だ。自分を動かすために、環境を整える事を重要視されていたのだと改めて感じる。

実感はないものの人からストイックと言われる自分だが、これまでの受験、部活、就活と比べるとはるかに中長期の行動と思考が求められるビジネスというゲームにおいて、自己の鋼の意志だけに期待する事は間違いだと感じている。
欧州に来てから毎日2時に起きているが、別に意思が強いわけではない。起きないと会社が死んでしまうからだ。毎朝眠いと思っているけど踏ん張れるのは強制的に起きないといけない環境だからにすぎない。自分は弱い人間だからこそ強制力が働く環境作りが必要だ。

自分の鋼の意思を過信しない事ともう一つ大事な事がある。
それは、1人で頑張らなくていいという事だ。

「やらないとわかんないから、業界や業種で会社選べないんだけど。」
就活の時から周囲にずっと言っていた。
だから当時は『なりたい像になれるか』という軸で就活していた。
そのご縁で入社させて頂いたリクルートでの学びがある。
リクルートの強さとして起業家風土、圧倒的当事者意識、裁量権の大きさ、営業組織の達成文化などを論じる記事は多い。
ただ僕が感じるリクルートの強さは『目標設計力』だと思う。

最近、この件について冒頭に登場した友達と昔話に花を咲かせた。

「もー無理むりです、の状態からもう1%数字乗っかってくるよね。笑」
その後に彼が言った言葉にハッと気付かされた。

『そして、その目標を1人で目指させないよね。』

そう、1人で歩み続ける必要はないのだ。

どうしても、1人で歩まないといけない時もあるだろう。
でも、自分の周囲には応援してくれる人達が沢山いる。
そして自分には戻る場所がある。
全てを失っても自分の拠り所になる場所がある。この考えは辛い時に大きな支えになる。
これは弱気でもネガティヴでもない。この上なく強気でポジティブな心だ。


これからも環境への拘り、周囲の人に助けてもらう謙虚な気持ちを忘れずにいるために、『環境にこだわれ』というメッセージだと解釈している大前研一さんの名言を残しておく。

人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目はつきあう人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは、『決意を新たにする』ことだ。

出典:『時間とムダの科学』大前研一

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