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場末のkindle作家に聞いてみた

みなさん、おはようございます。
kindle作家を目指す、MIOです☆彡

「さあ~来年はどんな年にしようかな。考えるだけで楽しいな。わーい。わーい」

朝からテンションMaxの場末のkindle作家。上下シアン色のスエットを着ている。これがパジャマだとしたら、ちょと派手かも。でもなぜ彼は来年が良い年になると思ったのだろう。 摩訶不思議。摩訶不思議のアドベンチャーだワ。

「だからさあ~いつかの記事で書いたでしょ? 来月の運気は大吉。そして来年の一年間の運気が中吉ってサ。ちなみに新年は旧暦を活用するから、2月4日が新年となるのです。だから僕は運気の良い1年間を無駄にしないよう、今からこうして準備をしているのだョ」

すると場末のkindle作家が椅子から立ち上がった。そしてパラパラを踊り始めた。嘘でしょ。ってか、完璧な踊りなんだけど。ちょっと怖い。キモイ。

10畳ほどのリビングでパラパラを踊るkindle作家。私は一体全体何を見せられているのかしら? 普通、40代からパラパラを覚える? 何が目的なの? ってか、何がしたいの? もしかして人生に迷っているのかしら。

彼がkindle作家だとは到底思えない。思えないワ。相談しに来た私が馬鹿だった。

パラパラを踊りながらkindle作家が聞いてきた。

「あとネ、これも非常に大事なんだけど、運気の良い人に会うことによって、自分も良い運気に引っ張ってもらえるんだョ。つまり、僕といる事で君の運気もupするってこと。わかる? わかりますぅ………」

早くも息切れをしたkindle作家は、そのままキッチンに消えた。

私はリビングの窓を開けた。風が冷たいけど、陽射しが温かい。リビングはきれいに整理整頓されている。テレビ、テーブル、ソファー、本棚と本当に必要最小限の物しか置かれていない。もしかして彼はミニマリストかも。

戻ってきたkindle作家は、左手に缶ビールを持っていた。トップルを開けると、腰に手を当てて缶ビールをぐびぐびと飲んでいく………。

「嗚呼…やっぱパラパラを踊った後のルービーは最高に美味しいネ。君もどうだい。ルービー飲む?」

私は瞬時に断った。車で来てるし。ってか、まだ午前中だし。10時45分だし。ってか、ルービーを飲んだら原稿なんて書けないでしょ。阿保なの?

「ぢゃあ、私も占ってョ」
思い切って聞いてみた。

するとkindle作家が破顔した。
「言ったネ。言ったネ。よ~し。では占ってみようではありませんか!」

本棚から一冊の本を取り出したkindle作家。
「君の生年月日を教えてくれ」

そう言った彼はソファーに座った。

「19〇9年12月10日」
そう答えた私も隣に座った。

「はいはいはい。君はあれだネ。この九紫火星の下に回座しているんだョ。分かるかな? 分かるかな?」

焦らしてくるkindle作家に私は言った。
「ねぇ…これがなんなの? 時間の浪費だけは避けたいの!」

「はいはいはい。ではあなた様の来年の運気は………だ、大吉。うわあッ。大吉だョ。君!」

kindle作家が口を大きくあけてこちらを見てくる。本当に子供みたいだと思った。

「やったあー。うれぴー。ぢゃあ私も来年のことを考えるわネ。ありがとう。さようなら」

私はソファーから立ち上がると、玄関までスキップした。本当はkindle出版について聞きたかったけど、朝からパラパラは踊るし、ビールは飲むしで、とても相談なんて不可能だと思った。まあ来年が『大吉』って教えてもらえたたけで十分だワ。

「あのさあ~」

背中越しにkindle作家の声が聞こえた。ブーツを履いて振り返ると、kindle作家が仁王立ちしていた。

「どうしたの? 大吉の運気を持った私の助言を聞きたいの?」

kindle作家が咳ばらいをした。図星だワ☆彡

「君はまだ九星気学的については素人だからサ、まあ月1でアドバイスでもしようか。なっ。その方が絶対に得策だよ。なっ。なっ」

にやけるkindle作家に、私はこう言った。

「自分の人生は自分で切り開くの。そのおまけとして、易学が存在するの。ぢゃあね。バイバイきーん」

玄関を出ると太陽がまぶしくて、私は思わず目を細めた。

運転席に乗ると、マイカーを発進させた。

「チンラはスープカレーにしよう!」

私はアクセルを踏んだ。

パワーウィンドウを下げる。冬の風を頬で感じる。生きている実感を再確認する。これぞ私の人生。

「見てなさいョ。来年は絶対に負けないから!!!」




【了】


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