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成人の日

みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡

「嗚呼…明日は成人の日か。僕もしれっと参加しちゃおうかな」

なんて画策している場末のkindle作家。まさに大馬鹿野郎です。

僕が成人の日を迎えたのは大学2年生の時でした。式に参加するのは面倒なので、式が終わった昼過ぎに母校の小学校に行きました。

中学校以来、5年ぶりの再会。男性陣はすぐに見分けがつきました。握手をしたり、ハイタッチをしたり、相撲を取ったりしました。

が、女性陣が全く分からなかったのであります。

「た、TAKAYUKIくん、久しぶり。2組の烏賊子ョ」
「TAKAYUKI。久しぶり。なんでウチに電話してくれないの?」
「TAKAYUKIくん、いまどこで何をしているの? こっちにいるの?」

なんて女性陣から質問ラッシュが………。僕は全て分かっているフリをしながらその場をやり過ごしました。全ては化粧のせい。化粧マジックだと、僕は感心したのを今でも覚えています。

みんなで校庭の隅っこに移動し、タイムカプセルを取り出しました。何を埋めて掘り出したのか失念してしまいました。おそらく20歳になった自分への手紙と、おもちゃと、5円玉とか、そんな感じだったと思います。

実家に持って帰ると、そのあと居酒屋に行きました。旧友たちがどんどん集まってきます。

最終的に中3のクライメイトで落ち着き、30人以上は参加していたと思います。居酒屋も貸切にして飲んで食べていました。焼き鳥が美味しかったのを覚えています。

楽しい時間はあっという間に過ぎて行きました。時刻は20時。すでに6時間以上は飲んでいます。そろそろお店も閉店の時間です。


大いに酔った僕は、みんなに語りかけました。5年前の真実を得るために…。

「偉大なる諸君。今日は再会できてとても光栄でした。一つ、みなさんにお聞きしたい。忘れもしない中3の3学期を迎えた1月。ホームルームで学級委員長と副学級委員長を決める際、何で僕を学級委員長に選んだのかを教えて頂きたい!」

すると、各方面からヤジが飛んできた。
「そうだったネ。TAKAYUKIくんと蛸子ちゃんだったネ」
「お前だったのか。へー」
「中学最後の3学期に、学級委員長ができて良かったじゃん」
「〇$✕≦▽∑■※@&」

僕はヤジを制してから言った。
「勿論、正当な形で学級委員長に選ばれたのなら、僕だって嬉しいさ。でもあの時、僕はトイレに行ったんだョ。担任の烏賊山田先生は職員室にいたから誰にも言わずに行った。それで教室に戻って着席したら、僕の名前が黒板に書かれていた。その後は言わなくてもわかるだろう? ダチョウ〇楽部のように、全員が僕に投票したんだ。忘れたとは言わせない!」

すると全員が黙り込んだ。僕は今一度、全員の顔を見渡した。

天井を見つめてる奴もいれば、自分の靴をガン見している奴もいる。トイレに駆け込んだ女子もいれば、携帯電話を取り出し耳に当てて演技をする女子もいた。

あの時僕がトイレに行っている隙に、僕の名前を黒板に書いた奴がこの中にいる。もしくは僕を推薦した奴がいる………だけどそこまでは構わない。問題なのはクラスメイト全員が僕に投票したことだ。この犯人を見つけなければ、僕の真の成人式はやってこないのだ。


すると2学期の学級委員長だった、猿渡が言った。

「ごめん。俺だ。俺が言ったんだョ。お前にやって欲しくてサ」

突然の告白に、僕はたじろいだ。別に猿渡とは仲良くなかったし、部活も別だった。席も遠かったし、何より僕の仲良しグループに猿渡は入っていなかった。

あっけない幕切れとなった。僕は温くなったビールを飲み干した。

「ぢゃあ、猿渡が犯人ってことでおしまい。みんな、ラストオーダー何にする? ラーメンの人、手を挙げて~」

ってな感じで、僕の成人の日は終わりました。


あれから20年以上の月日が流れました。

成人される皆様。誠におめでとうございます。


でも本当の人生は、ここからがスタートですョ☆彡




【了】


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