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趣味が掃除
みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます。
先日入社された若人は、なんと19歳だった。身長160センチにも満たない男性だ。ちなみに19歳で当社が2社目だそうだ。まあ僕は出向中の身なので遠くから傍観していようかなと思っていたけど、どうやら今後、僕とのやり取りも発生する可能性が出てきたのである。
「TAKAYUKIさん、あと来月から3人入社しますので、よろしくお願いします。鍛えてやってくださいネ☆彡」
総務課の尻子さんが教えてくれた。すごいじゃん。まだ3人も入社してくるんだ。ってか、僕はこのままこの席で良いのかな? そろそろデスクの空きが無くなってきたョ。自社に戻る秋が近づいているのかも知れない。秋と書いて時と読む。これ、北方〇三さん著作の三国志から引用させて頂いておりますことをお許し下さいませ。
なのでお掃除の時間に、僕は勇気を持って19歳の若人に話しかけてみた。
「普段、君は家でトイレ掃除なんてしないだろ?」
いきなり上から目線で言ってみた。
すると若人がブラシを持ったまま、こちらに振り返った。
「いえ…普段から家で掃除をしています。掃除が趣味なので」
若人が破顔した。驚いた僕はむせた。
「だ、大丈夫ですか?」
19歳の若人に心配される40代メタボ腹おじさん。むせながらも僕は笑いを堪えているのだ。だってそうだろう? 19歳ですでに2社目を経験。今が気力・体力ともに充実しているはずだ。普通ならフットサル、釣り、ドライブ、ギャルと遊ぶ、ガールズバー通い、ラーメン巡りなど、趣味なら沢山ある。
それが趣味が掃除です。便所掃除が趣味です。なんて誰が予想できただろうか………。
僕は何とか体勢を立て直した。
「そうか。掃除が趣味か。将来の坊さん候補だネ」
すると若人は、手の甲を使ってメガネを押し上げた。
「ちょっと意味が分からないのですが………」
若人が俯いてしまった。床面のタイルをガン見している。この光景を見られたら明らかに僕が若人に対してパワハラ・モラハラを行っていると思われるに違いない。仮に現場証拠として押さえられたら、僕のサラリーマン人生は終いだ。
僕が適当に放った一言に対し、若人は返せなかった自分を反省しているのだ。なんて素直で真面目な若人なんだと僕は感心した。
「あははッ。今の発言は気にしないでくれ。では掃除を続けてください」
「分かりました!」
若人は再び掃除の世界へと没入していった。
その後ろ姿を見ながら、僕は気になっている事を聞けずにいた。そう、彼が素敵なパーマをあてているのか、それても天パーなのか。滅茶苦茶気になる。
聞いたら素直に答えてくれそうだけど、今の若人はガラスの心の持ち主でもある。もし若人が天パーを気にしていたら、僕は瞬時に嫌われてしまい、最悪の場合、若人は早退。明日から欠勤してしまう恐れもあるのだ。
だけど気になる。おしゃれパーマか、天パーか………。
「またサボってる。TAKAYUKIさーん」
通路の端から尻子さんに呼ばれた。僕は後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。もう少し時が過ぎてから聞いてみよう。
19歳で掃除が趣味。
これだから人生は面白いよネ☆彡
【了】
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