お疲れ農家さん
みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡
「お昼休みだあ。わーい。わーい。仕事中断。さっさと中断。今日も僕が一番に事務所を出る。最高だネ」
僕は愛車に乗ってお弁当屋さんに行った。
「予約しておいたTAKAYUKIでございます☆彡 トレイに500万円置きます。ぐふッ」
「はーい。500万円ちょうどお預かりします。いつもありがとうございます」
なんてやり取りをした後で、僕は近くにあるドラッグストアの駐車場に愛車を停めた。申し訳ないけどお弁当を食べたのち、買い物をさせて頂きますのでネ。
出船駐車後、少しウィンドウを下げた状態でエンジンを切った。
「それでは、いただきまあすぅ」
500万円のり弁を食べようとした刹那、左側のサイドミラーに何かが映っている。愛車の左隣は空いていて、その隣に軽トラが前向き駐車で停まっている。その軽トラの前に、何かが映っているのだ。
僕は買い物客優先の為、出入り口からかなり離れた所に愛車を停車させている。また従業員専用駐車場に停車しているかも知れない。そんな場所に軽トラが停車していることにも疑問が生じた。
僕はのり弁当を助手席に置いてから振り返った。そして愕然とした。
なんと前向き駐車で停まっている軽トラの縁石部分に、頭を乗せて寝ている人を発見した。しかも2人。縁石を枕代わりにして寝ているではないか。それもお天道様の光を全身に浴びて爆睡している。
「うそでしょ? そこ、普通に出入り口までの通路なんですけど。それにまだお昼ですョ。そんなに疲れたの?」
僕はしばしガン見します。服装からしてウインドブレーカーを着て足袋を履いているので農家さんと推定した。でも農家さんが何の用でドラッグストアにいるのだろうか。近所で昼飯を食べて眠くなったから寝ようと、このドラッグストアを選択したのだろうか。軽トラでは座席を倒せないので通路に寝ようと画策したのだろうか。
見た感じ、2人とも50代の男性だ。百歩譲ってまだ若人なら可愛げがあるけど………。50代の男性農家2人。これマジです。これガチです。
「嗚呼…日本っていつからこんな残念な国に成り下がったのだろうか。アーメン!」
僕はのり弁を食べながら、事の成り行きを見守ることにした。
10分後、のり弁を完食した。だけど農家さん2人はいまだ起きない。爆睡中である。確かに今日は快晴で無風だ。昼寝には最適だろう。でも何回見ても異様な光景に変わりはない。情けない。マジで情けない。情けないついでに「立ちション」をして起こしてやろうか。蛸。
日本全国の農家さんが泣いているぞ。馬鹿者!!!
「嗚呼…しょうがねーなー」
僕は運転席から降りた。誰かが声をかけなくては、この馬鹿者2人は絶対に起きない。そして兎に角、邪魔だ!
その時、女性店員2人が現れた。
「あらやだ。お客さん、どうしました。大丈夫ですか?」
すると馬鹿者2人が目を開けた。
「ここは通路ですから、寝るのはやめて頂けますか」
優しい言葉で問いかける店員さん。niceです。
「だ、大丈夫。隣の人は知り合いだから」
寝ぼけて頓珍漢な事を言い出した馬鹿者。阿保丸出しです。
「兎に角、移動してくださいネ」
「はいよー」
店員さんが去って行った。馬鹿者2人がようやく起き上がった。そしてこう言った。
「なんで気づかれたんだ?」
「防犯カメラだョ」
まさに阿保丸出しの会話に、僕は吹き出しそうになった。やはり確信犯だったのだ。
店内で買い物を済ませた僕は、愛車に向かって歩いていた。
すると、馬鹿者2人がまだいた。軽トラの横で、店長らしき男性と話している。
「ここの敷地内は禁煙なんです。見えませんか、この文字が!」
確かに軽トラの真正面に設置されている窓ガラスに、『敷地内禁煙!』と大きく書かれている。寝起きの2人は外でタバコを吸っているところを見つかってしまったのだ。防犯カメラでネ。
「禁煙ならまだしも、通路で寝ているなんて前代未聞です。警察に通報しますから。いいですネ!」
かなりキレている店長。
すると馬鹿者2人が懇願した。
「それは勘弁して下さいョ…」
「もう寝ないから。別で寝るから」
愛車に乗った僕は、会社に向かった。
「さあ、午後からも仕事を頑張ろう!!!」
【了】
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