25歳からの相談
みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡
過日。仕事を終えた僕は、愛車に向かって歩いていた。
「嗚呼…今日も1日仕事をしました。大いに疲れました。さて、今宵の晩酌はどうしようかな? 暑かったから蛸と烏賊のお刺身、〆は冷麺にしようかな」
そう思いながら愛車を開放しようとした時だった。
「TAKAYUKIさん、ちょっといいですかあ」
職場の男性である25歳に話しかけられた。
「どうした?」
「自分、ツラいです。女社会ってこんなに面倒なんすネ」
不貞腐れている25歳、男性。
「まあ事務方はこんなもんじゃない」
僕は「ピピッ」と音を立てた。愛車を解放した僕は運転席のドアを開けると、助手席にカバンを置いた。そのまま運転席に座ろうかと思ったけれども、25歳がひょっとこみたいな顔をしてアスファルトを見ているのをさすがに看過できないと思い、僕は25歳に向き直った。
「直接言って欲しいんすよネ。陰でこそこそ。マジで嫌い女社会」
かいつまんで書くと、どうやら25歳が仕事でやらかした。けっこうなクレームとなったそうだ。ほいでこの会社の社員は8割が女性であり平均年齢も若い。そんな中、入社して3ヶ月の25歳は、上司から仕事を依頼されるも、自分は作成したことがないと言った。それじゃあ良い機会だ、28歳の女性から仕事を教わりなさいと言われた。
だけど25歳は、自分から28歳に向かって「上司から言われたので仕事を教えてください」と言えないのだ。理由は単に恥ずかしいのか、それともプライドがそうさせるのかは分からないけど。
逆に教える側の28歳女性は、25歳の態度が気に食わないし、やらかした事を鑑みると、自分が教えるのは無理です、嫌ですと、コソコソ上長に言ったそうだ。
上司⇒上長⇒28歳女性⇒25歳男性。
それを聞いてしまった25歳は、さらに身動きが取れなくなってしまい、そのあとは別の仕事をして乗り切ったそうだ。定時となり駐車場に向かってあるいている僕を見つけて相談しに来たのである。
まあ僕らの時代だったら、「ノーサイド。俺が間に入るからチャッチャッと仕事を始めよう」って言えばそれで終いだった。
が、時代は流れた。なんでもかんでも敏感な時代。言葉も思い付きで喋るのではなく、1回咀嚼してから喋ることが求められる時代。
さらに僕はこの会社へ出向中であり、この会社の社員ではないのだ。僕が間に入ることは後々問題となる可能性を秘めている。非常に面倒くさい。とても面倒くさい。
18時過ぎだと言うのに外は暑い。僕の背中に汗が走った。ビルの間から見える夕日がオレンジ色で、とてもキレイだ。
そんな中、25歳がずっとアスファルトを見つめたまま動かないではないか。
嗚呼…早く帰ってルービーが飲みたい。
仕方がない。僕は咳ばらいをしてから言った。
「兎に角、お互いが意地を張っていてもしょうがないじゃん。だから明日、上司と上長に声掛けをしなさい。それでも28歳の女性が仕事を教えたくないと言うのであれば、他の社員に変えてもらえばいい。簡単なことだョ」
すると25歳が視線を上げた。僕を一直線に見てくる。目がクリッとしているのでチワワみたいだと僕は思った。そして僕は無情にも笑いそうになってしまったので、僕は運転席に座るとエンジンを始動した。
すると25歳が僕に歩み寄ってから言った。
「僕の上司はTAKAYUKIさんがいい。TAKAYUKIさんから仕事を教わりたいです」
そう言った25歳は、またアスファルトをガン見してしまったのである。
「嗚呼…面倒くさい」
僕は運転席から降りた。そして25歳に言った。
「とりあえず、今日は帰りなさい。今日はよく寝ること。それで明日、さっき僕が言ったことをやってみればいい。それに言っておくけど、まずは自分の会社の上司や上長を信頼できないと、何も始まらないよ。自分から接して心を開いていかないと、いくら上司とはいえ、向こうだって君の考えていることが分からないんだョ。だから日頃のコミュニケーションや報連相が大事になってくるんだ。それと、女社会って言い方はやめなさい。いいね?」
再度顔を上げた25歳の両目が、潤んでいた。今にもあふれ出しそうだ。
潤みながらも25歳が首を垂れた。
「あ、ありがとうございます。すいません、時間を取らせてしまって。お疲れ様でした」
25歳は自分の車に向かって走って行った。
翌日、僕はちょっと早めに会社へ行った。そして上司と上長に何となく25歳のことを伝えた。上司と上長は理解を示してくれた。
それ以降、25歳からの相談はなくなったとサ。
めでたしめでたし。
【了】
【有料マガジン始めました☆彡】
月1~2本の新作記事を投稿して参ります!
お好きなマガジンをお選び下さいませ!(^^)!
☆現在、26本の記事でお値段400👛☆ 《あなたの背中を押すつぶやき》
☆現在、35本の記事でお値段1000👛☆ 《共に成長して行きましょう!》
☆現在、11本の記事でお値段1200👛☆ 《kindle出版で副業を目指そう!》
とらねこさんとのコラボ企画『kindleマガジン』発動中!
参加希望の方は、下記よりコメントをお願いします☆彡
拙著もよろしくお願いします(^^)/