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お昼休みを後輩と過ごしてみた

みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡

過日。久方ぶりに後輩とチンラを食べに行った。

「お昼休みは線香花火のように短い。油断厳禁だゾ!」

僕の問いかけに、後輩が「わかってますョ」と言った。

12時になった。
僕らは事務所を出てしばし歩いた。僕は愛車をOpenさせると、急いで後輩を乗せた。
「お店は、おまかせでいいです!」
後輩がきっぱりと言った。
「ちゃんと調べておいたサ」
僕は沖縄人になったつもりで言った。
「流石です。ありがとうございます」

後輩の齢は24。社会人2年目で、すでに2社目の会社らしい。彼とは縁が合って一緒に仕事をする機会に恵まれた。先日、彼が誕生日を迎えましたと自ら告白したので、ぢゃあチンラでも行くかという流れになった。

ぢゃあラーメンにしようと決まった時、「自分、味噌ラーメンが嫌いなんです。あと、味の濃い醬油ラーメンも」と後輩は言いながら苦笑したのである。

僕もけっこう生きてきたけど、ラーメンが苦手な人と出会うとは思いもしなかった。おそらく初めての経験だろう。

身近にマジでガチでラーメン嫌いっていますぅ?

「でも、塩ラーメンなら食べられます!」


僕は吉本新喜劇のようにひっくり返りそうになりました。

なんとやはり24歳の現代っ子は手に負えません。塩ラーメンは食べられるけど、味噌と醤油が食べられない意味が、僕には分からないのであります。

ってな訳で、彼の好きな塩ラーメン屋に向かっている道中です。運よく会社から車で10分のところに店を構えているので助かりました。

「メニューを決めておいてくれないか」

僕の問いかけに後輩は笑い声を上げた。
「確かに時間がないですもんね。あと言っておきますけど、僕、かなり食べるのが遅いです。ごめんなさい」と、まだ食べてもいないのに謝り出したのである。

「まあ…無理して早食いする必要はない。大丈夫、ゆっくり食べられる時間はある」

そうこうしているうちにラーメン屋に到着した。時刻は12時14分。

僕は駐車を済ませると、斜め前から作業着を着用した労働者4人がこちらに向かっているのを確認した。
「よし。行くぞ」
「あわわわッ」

普段、急ぐという経験がないのか、後輩はろうばいしながらゆっくりとシートベルトを外すと、なぜか上着の位置を修正し始めた。
「降りるぞ」
「はい」

間一髪4人の労働者より先に入店した。
2人掛けの席が空いているのが見えたので、僕は店員さんにピースをしながら席に座った。

するとすぐにお冷が運ばれてきたので、僕は「醤油ラーメンセット」と言った。後輩はと言うと、メニュー表を開いて迷っていた。車内でアプリを見ていたので注文は決まっているはず。

「これじゃないか?」

僕がメニュー表を指さすと、「そうでした。塩ラーメンセットをお願いします」と言い、後輩はまた苦笑した。

10分後、注文したメニューが到着した。時刻は12時25分。
「う、うまそうな塩ラーメンです。しかもカボス入りですからね。いただきます」
テンションが上がった後輩はスープを一口飲んだ。そしてガッツポーズをした。

僕は醬油ラーメン。透明なスープに中太麺が合う。それにミニ叉焼丼がとても美味。叉焼の柔らかさと味付けが完璧。さらに白米もモチモチで美味しくて、かつミニと言ってるけど、普通のごはん茶碗に大盛りのご飯が盛られているのですョ。これはありがたいですワ。

後輩と色々話しながら食べようと思ったけど、食べるのが遅いと告白していたので、僕は一心不乱に食べ続けた。

後輩は僕に気を使っているのか、時おり「美味しいです。この辺はお店が多いですね。今度家族を連れてきます」などと、かなりテンションが上がっていた。


時刻は12時40分。食べ始めてから15分が経過した。

僕は勿論食べ終えているけど、後輩はと言うと、まだ食べていた。ミニ叉焼丼とミニサラダ、煮卵は完食しているけど、まだメインの塩ラーメンが残っている。

「す、すみません。やっぱ遅いですよよね。ってか、TAKAYUKIさんが早すぎるんですョ」

突然逆ギレしてきた後輩。僕は笑いを堪えながら、「もう15分も経過しているんだ。今更急いだところで詮無きことだ」と言った。

「栓が無いんですか? 蓋が無くなったんですか?」

なんと後輩が『栓』を、勝手に『蓋』に変換して右往左往し始めたのである。僕はまたも笑いを堪えながら「大丈夫。食べなさい」と諭した。

12時45分。後輩がようやっと食べ終えた。完食まで20分を要した。
「お腹一杯です。うぅ………」
お腹を押さえている後輩。確かに量が多かったのは事実。だけど齢24にしては食べる量が少ない気がした。彼は10年間、野球部に所属していたと聞いていたので尚更そう感じたのかも知れない。

会計を済ませると店を出た。料金は2800円だった。

「ご、ご馳走さまでした。ありがとうございます」
後輩が深々と首を垂れた。

「誕生日おめでとう。アイスでも買って帰るか?」

「いえいえいえ。もうはいりませんョ」

そんな満腹になった後輩を連れて会社に戻りました。


歯磨きを終えて、12時58分、着席となりましたとサ。




【了】


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