肉野菜炒め定食
みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡
「嗚呼…チンラタイムだあ。わーい。わーい」
僕はダッシュで事務所を出た。そのまま大股で歩きラーメン店の暖簾をくぐった。
カウンター席が空いていたので、僕は椅子を手前に引き寄せながら、「肉野菜炒め定食を下さい」と言ってから着席した。店員さんの驚いた顔が今日も見られた。それくらい僕は気が短い、江戸っ子気質なのであります。
7分後、肉野菜炒め定食が到着した。そして僕は愕然とした。
「も、もやしが山盛りで、豚肉とニラ、玉ねぎ、人参がチラホラ見えるのみ。あとピーマンが入っていない。経費削減にもほどがあるじゃないか…」
僕は早速ぶー垂れた。ぶー垂れてから一口食べた。
「しょっぺー。塩コショウが効きすぎている」
大急ぎで白米を食べるも、白米が柔らか過ぎた。ゆるゆるの白米。定食を食べるのなら、白米はふつうか少し固いくらいが僕は好みなのに………。
「ぢゃあ、中華スープはどうだろうか」
僕は気を取り直して中華スープを飲んだ。味も素っ気もなかった。マジでガチで味がしない。具材はワカメと葱のみ。
えっ………まさかコロリに感染したのだろうか?
僕は大急ぎで肉野菜炒めを口に放り込んだ。
「し、しょっぺー。超しょっぺー。コロリではないけど、なんか腹立つ」
最後の最後、僕は香の物を食べた。沢庵だ。
「水っぽくて美味しくない。及第点をはるかに下回る定食じゃないか」
僕は絶望しました。大いに絶望しました。もやしが全く減らないゾ。
普段の僕だったら必ずラーメンを注文します。ラーメンがとても美味しいのは確認済みです。ぢゃあ、なぜラーメンを注文しなかったのかと言うと、以下の2点が理由でございます。
1点目は、メニュー表に乗っているラーメンを全て食べ尽くしてしまったこと。
2点目は、来月の健康診断に伴い、バランスの取れた食事を取り入れる為に、初めて定食を注文してみた。
その結果、とんでもない定食を発見してしまったのでした。
それでも僕は頑張って食べた。しょっぺー、しょっぺーと心の中で反芻しながら、肉野菜炒めを食べ、柔らかすぎる白米を食べ、味のしない中華スープで流し込んでいった。ちょっとだけもやしは残したけどネ。
「嗚呼…とても美味しかった」
僕は嘘をついた。噓をつくことで、これ以上ストレスが増大しないように嘘をついたのだ。
席を立って会計を済ませようと、ポケットから財布を取り出した。
「1050円になります」
僕は財布を落としそうになった。
「まずは誤っている接客用語、『なります』はこの際、勘弁したる。勉強して出直してこい。その前の金額をおいくらと言ったのかな? 1050円ですって? いやいやいや…冗談は顔だけにしてよォー」
僕は財布から1050円を取り出し、トレイに置いた。
「ちょうどもらいます」
また阿保な接客用語が飛び出したが、もはやスルー。どうでもいい。
あの、あの、あの山盛りのもやしに、ささやかなプレゼントよりも寂しい豚肉、ニラ、玉ねぎ、人参が添えられた肉野菜炒め。柔らかすぎる白米に、味のしない中華スープ。そして大失敗の香の物。これで1050円だとぅ?
普段食べていた美味しいラーメンは950円。100円多く支払ってあのクオリティーとは、一体全体どういうこと?
「レシートになります」
「結構です!」
僕はラーメン店を出た。
そしてコンビニに向かって早歩き。ううううううぅ………。
コンビニに到着すると、僕は瞬時に買い物を済ませた。
そして外のスペースで「シュークリーム」を食べた。物凄い勢いでシュークリームを食べ切った。そして僕は心に誓いました。
「もう…あのラーメン店とはお別れだ。今までありがとう。ご苦労さん!」
午後からの仕事で、僕は凡ミスをしまくった。凡ミスの山を築いて上司から怒られた。
みなさん、いつものメニューを頼みましょうネ!
【了】
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