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無料邦画を見た結果…。

みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡

過日。久方ぶりに邦画を見た。なんでも今なら無料公開中との事で、僕は無料と言う言葉に弱く、かつ好きな言葉でもある。無料、万歳🙌

邦画を見る相棒は勿論、ルービーと言いたいところですが、本日はレモンサワーです。アテは蛸の酢の物とポテサラという相性が良いのか悪いのか微妙な組み合わせですが、ルマンドも控えておりますので何とかなるでしょう。

僕はノートパソコンを近づけると、画面を大きくし、再生ボタンを押した。

久方ぶりの邦画にワクワクします。心が躍っております。
「もう~早くしてョ」
テンションのあがる場末のkindle作家。レモンサワーが超美味しい。


開始3分。いきなり主人公の息子が誘拐された。
「おいおい。早すぎるだろ」
僕はグラスにレモンサワーを注ぐと、一口飲んで心を落ち着けた。

帰ってこない息子を心配した母親は家を出た。そして目の前の公園に探しに行く。冬の公園はもうすぐ夕暮れを迎えようとしている。

僕は蛸の酢の物を一口食べてむせた。おおいにむせた。

それは何故か?

それは母親が発した言葉だった。


「TAKAYUKI~………TAKAYUKI~………」

そう、誘拐された息子の名前が『TAKAYUKI』なのです。

「TAKAYUKI~たかゆき~タカユキ~」

TAKAYUKIを連呼しながら公園内を探し回る母親。

ノートパソコンの画面越しに、『お母さん、ぼくはここにいるよ』って言ってしまいたい衝動に駆られるのは僕だけだろうか? 映画の設定が1980年代なので、まあTAKAYUKIという名前は当時としては多いというのは理解できる。

それにしてもこれだけ『TAKAYUKI』を連呼されれば、誰だって落ち着かないだろう。集中して見れないだろう。

僕はポテサラを食べるも、全く味がしなかった。

家に帰った母親が、警察に架電。

まもなく父親が帰宅した。

家族会議の結果、両親、近所の方々が大きな懐中電灯を照らしながら一丸となり、TAKAYUKIを捜索していく。

「TAKAYUKI~」
「タカユキくん」
「おーい。TAKAYUKI。聞こえたら返事をしろ!」
「た、TAKAYUKIくーーんッ」

僕は居ても立っても居られなくて、椅子から立ち上がって見ています。もうネ、本当に落ち着かないのですョ。尻の穴までムズムズしていますョ。

今まで見てきた映画やドラマの中で、「TAKAYUKI」という登場人物の名前は確かにあった。だけどこの邦画のようにいきなり冒頭から誘拐され、家族、近所の人達からこれだけ「TAKAYUKI」を連呼されると、マジでガチでどう見たら良いのでしょうか。

僕のキ・モ・チ、ご理解頂けますよネ?

結果、みんなの捜索も虚しく、TAKAYUKIは近くの土手で仏様となって発見されました。そして、その姿を見た母親が泣き叫ぶのです。

「嗚呼…TAKAYUKI…うううっ…たかゆきタカユキTAKAYUKI…うわあああああああああッ………た、た、たTAKAYUKI~」

僕はノートパソコンの画面右上にある『✕』ボタンを押しました。

グラスに注がれているレモンサワーを飲み干しました。

「と、とても見ていられない」

視聴からわずか15分。僕は邦画を見るのをやめてしまいました。

だってそうだろ? 冒頭からいきなり誘拐され、50回以上に渡って、「TAKAYUKI~たかゆき~タカユキ~」と連呼され、それもほぼ悲しげな絶望感たっぷりの感じで連呼された挙句、仏様となって発見されるなんてサ、マジでガチでテンション下がるでしょ。

もうネ、心が痛いですョ。何なん、この邦画。嫌い!

不貞腐れた僕はキッチンに移動すると、拵えておいた湯豆腐をお椀によそり、再び椅子に座りました。

「もう無料映画は見ない。あと、TAKAYUKIという名前がつく作品も金輪際見ないからネ。ふー。ふー。ん………やっぱ鍋は湯豆腐にかぎるネ」

瞬時にご機嫌となった僕は、このあと熱燗を飲みながら、「蛸と烏賊のスミは果たしてどちらが美味しいのか?」というYouTubeを見て過ごしました。




【了】



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