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掃除の会で学んだこと31~子供たちと掃除をして、その素直さに心打たれました。  

 月1,2回、トイレ掃除や街頭清掃に参加しています。いつもは、公園などのトイレを掃除していますが、以前、とある学校で子供たちと一緒に掃除をしたことがあります。

 その時のトイレ掃除は、学校をきれいにしてから卒業をする奉仕活動的な意味合いがあったようです。
 
 いつもは、仲間と数人で、多くて10人ほどで掃除していましたが、今回は、子供達と共に、何十人という人数で掃除をして、なかなか壮快でした。
 
 トイレの場所ごとに班を作り、班に1人か2人、大人が入りました。掃除の仕方を教えたり、仲間が準備したサンドメッシュやナイロンタワシなどの道具について説明したり。

 正直言って、この段階では、子供たちの反応も薄かったです。
 それはそうでしょう。
 「臭い、汚い、暗い」という3Kの場所であるトイレにいい印象を持っている子はあまりいないでしょう。また、そんな場所を「掃除しましょう」と言っても、なかなかモチベーションも上がらないでしょう。

 自分から掃除したいですと言う子が少ないのも仕方ないと思います。
 
 しかし、道具の説明が終わり、実際に掃除を開始すると一変!
 ふざけたり、おしゃべりばかりの子たちが、どんどんと変化していきました。

 便器を磨くことに熱中し、心地よい沈黙と磨く音がけがその場にあふれていました。

「お、すごいねえ、ここがめちゃくちゃ白くなったね」
「そう、そこ、便器の裏側を見ると結構汚れがあるんだよね、よく見つけたね」

など、仲間の声かけもあって、子供達はさらに熱中しました。
気づくと「汚れが落ちて楽しい」「ここも汚れている!」と発見して喜ぶ子供たちの姿が見られました。
 
 学校の授業の中での掃除なので、私が仲間と共にしている掃除ほど長く時間はとれませんでしたが、それでも、たくさんの人数~一人一つの便器を担当して掃除をしたので、多くの場所をきれいにすることができました。
 
 掃除終了後、体育館で感想発表がありました。正確ではありませんが、次のような内容を話していました。
 
・最初は掃除をやりたくなかったけど、しっかりとやったらほめてくれたから、うれしくなってもっとやりたくなりました。きれいになってうれしかったです。初めて会ったばかりだったけど、指導をしてくれて、とてもきれいになって僕の気持ちもうれしかったです。これからも教えてもらったことを生かしていきたいと思います。           
 
・僕がトイレ掃除をする前は、ゴム手袋ごしでも、気持ち悪い、触りたくないなと思いました。掃除をしたら、そこまでで終わり!と思っていたけれど、もってきていただいた掃除道具も洗うのもしたので、トイレの大掃除は、ここまでしなきゃなと実感しました。         
 
・いつも掃除をしているところをきれいにできてうれしかったです。みんなが使うから汚くなるのはわかるけど、いつも見ていないところ(便器の奥、裏側など)を見るともっと汚くて、もとの状態に近づけるのが、思っていたよりずっと大変でした。だけど、きれいになったらとてもうれしかったです。周りの環境は、体や心に影響を与えるので、きれいにして体や心が心地よくなりました。               
 
・僕は、この掃除を通して、粘り強く一つ一つをやっていくということが大切だと学ぶことができました。僕は、最初は掃除があまり好きではなかったけれど、「掃除をすると心もきれいになる」と(講師の先生が)言っていたから、これからは、きちんとやっていきたいと思いました。掃除をしてきれいになってくると、もっと掃除がしたいと思うこともできました。
 
 感想を聞いていた私の方がとても勉強になった気がしました。
 そして、掃除の力を改めて見直せました。
 また、子供たちの「素直さ」がまぶしかったです。
 私自身も掃除の会で掃除を続けていますが、どうしても「マンネリ」も感じます。
 同じことの繰り返し・・・と自分が思っているだけで、本当は、1回、1回に大きな学びがあります。それに気づくかどうか・・・。 

掃除をしてきれいになったことをそのまま素直に喜べる感性を、私もまた、持ち直したいと思いました。

 学校で学んだ事、特に教科などで教えてもらったことは時間と共に記憶が薄れます。
 誰先生に何を教えてもらったか覚えている人は、ほとんどいないと思います。
 私自身もそうです。
 
 それでも、学校で教わったことはきちんと身に付けて、使っています。
 字も書ける、買い物で計算でき、歌も歌えます。
 
 でも、誰先生に教わったかは、もう忘れてしまっています。
 
 きっと、今回の掃除の活動も同じだと思います。
 誰に何を教えてもらったかなどは子供達も忘れていくのだと思います。
 
 しかし、ここで経験したことは、一つの種蒔き。

 きっと、いつか、どこかで花が咲き、実になると思います。

私自身は掃除の会に参加することで、お店や公共施設のトイレに目が行くようになりました。いつもきれいで気持ちよくトイレが使えるのは、そこを人知れずきれいにした人がいたから。そして、目に見えるものだけがすべてではないことも学びました。

 自分たちで汚れを見つけ、ピカピカにする経験は、自分が知らないところで、見えていないところで、実は誰かが何かを支えている事、そして自分は支えられていることを感じる元になるのではないかと思います。
 そして、「感謝」に対しての思いも深まるのではないかと思います。なぜなら、感謝の気持ちは「当たりまえ」と思っている時には生まれないからです。

 被災地の事を考えれば、気持ちよく用を足して、水を流せること、綺麗なトイレを使えることがいかにありがたい事か分かります。
 
子供たちと一緒に掃除をして、今日もまた、いい一日になりました。感謝。
 
 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
 皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです。 

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