読書紹介23 「クスノキの番人」
感想
東野圭吾さんの作品に多い殺人事件などの謎を解くミステリーではなく、「秘密」「時生」「ナミヤ雑貨店の奇跡」につながるファンタジー内容の作品でした。
それでも、ちゃんと、クスノキによってつながるそれぞれの家族の思いやその後どうなったかなどの「なぞ解き」要素が入っていておもしろかったです。
登場人物の言葉に次の内容がありました。
自分も今の心の中、「念」が人に知られると思うと、こわいし嫌です。
恥ずかしい思いの方が先に来ます。
それぐらい、いつもネガティブな思いを持っているからです。
でも、人間だから、ポジティブもネガティブンも「両方」の思いを持つし、全部を含め「わたし」と言えるなあと思いました。
変わらぬ日常生活を送っていると、ずっと生きていられると錯覚します。
だから、自分の大切な人への思いも、照れくさくて、今じゃなくても、いつでもいえる、とばかりに普段はなかなか言えません。
でも、いつ死が訪れるかは分かりません。
「いつか」「いつか」と思いつつ、相手に伝えられなかったら、後悔します。
今回のお話で、ファンタジーの形を通じて、「想いをつなぐ大切さ」「相手の思いを受け止める勇気」などについて教えてもらった気がしました。
改めて、東野圭吾さんって、ほんとうに、いろんなジャンルの作品を書き分けられてすごいなあと感動しました。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです