ヘブバンライブ2024備忘録
――5000人のヘブンバーンズレッドファンが、麻枝准の曲を前にしてひとつになっている光景にただ感動した。
(※しばらくライブ前の記録です)
「そうだ、ちょっと国際フォーラムまで行こう」
そう思い立ったのは、ライブ当日2/12の朝でした。
会場近くのホテルをおさえていたこともあり、7:00ごろに目覚めたぼくはちょこっと散歩でもしようかなあと考えたのです。べつに3時間も前から物販待機しようとか、早く来てマウントを取ろうとか、そういった考えは決して抱いておりません。
ぼくももう高校サッカーのイレブンには混じれない――混じっていたら「きみきみ、オッサンでしょう! オッサンは退場!」とレッドカードを突きつけられる程度にはオッサンなので、すこし運動をしたいなあと思ったんです。前日にロウリーズでロウリーカット+コースも食べていますし。
現地までは徒歩で10分弱。するとそこにはすでに数名、ヘブバンファンと思しきひとたちがベンチに腰かけており、ぼくは驚愕に目を見開きました。
彼らこそまさに物販のため――あるいはオタクとしての本能が朝早く足を運ばせたのでしょう。ものすごい熱意を感じます。
ひるがえって、散歩に来ただけのぼくは「このひとたちめっちゃ早く来るじゃん……すごい……」と恐怖にぷるぷる震えながら現地の写真をぱしゃぱしゃ撮るしか術がありません。東京って怖いところだなあと思いました。
しばらく都会の建物のデカさにビビっていると、視界の端にとあるふたり組がフェードインしてきます。
そのうちひとりは、なにやら覚えのある青いお召し物をまとっていらっしゃいました。
よく見ると、それは由緒ただしき米国メーカの「あの服」ではないですか!
あの服
嘘だろ、と愕然としました。まさか、あの短い動画から手がかりをたどって買ったのでしょうか……? ものすごい執念を感じます。
散歩に来ただけのぼくは「このひとなんで服を特定して着てんの……すごい……」と恐怖にぷるぷる震えてしまいました。不思議なことに彼とぼくの服装は酷似していた気もしますが、オタクの恰好って基本似がちなのでそんな気がしただけだと思います。
もうひとりは一見柔和な雰囲気を醸す若者でしたが、その実彼は作中におけるデンチョの通知音をスマホに取り込んでたびたび鳴らし、無辜なるファンに4章前編Day12の朝をフラッシュバックさせるという無差別テロ行為をおこなっておりました。
散歩に来ただけのぼくは日本の治安の悪化を感じ、恐怖にぷるぷる震えながら脳内で再生されるXAIさんの歌声にしんみりしてしまうしか術がありません。東京って怖いところだなあと思いました。
彼らと話しているうちに、ぞくぞくとヘブバンファンが集まってきます。まさに老若男女、さまざまなひとびとが一堂に会しつつありました。
ヘブバンの配信前は生放送の視聴者数が600人程度だったこともあり、「いまさら麻枝作品やるやつなんて老人しかいないだろ」「時代遅れ」と言われていた回想録が青空のもと伝承のように脳裏をよぎります。もしかすると、発表当初に注目していたのはたしかに比較的高年齢層だったのかもしれません。
しかし目の前にひろがる光景はどうでしょう、むしろ多数を占めるのは20代とみられる若者たちでした。それどころか、なんと年端もゆかぬお子様までいるじゃないですか。感動に咽び泣いて視線を落とせば老害オタクの姿がスマホに反射されていましたが、基本的には若者がたくさんいらっしゃいます。
実際、この日話していただいたひとたちは皆ぼくより若者とみられ、若干ショックを受けるとともに嬉しくもありました。それは、或る日ぼくが抱いた麻枝准の衝撃を数歳ないし十数歳下の世代も同様に受けたということ。つまりは彼の作品が、縄文時代から連綿と続く日本人の遺伝子に刻まれたプリミティブな感情を揺さぶる特別なキャッチーさを持っている証左に他ならないのです。麻枝准とは、あるいは内田真礼でもあったのかもしれません。
Keyないし麻枝准への入り口も「推し」もさまざまで、AIRのアニメに衝撃を受けたひと、麻枝准とXAIさんに救われたひと、Charlotteのゆさりんに命を懸けているひと、順当にAB!から入ったひと、みるからに天使ちゃん推しのひと、Dis-Love Songから入ったひと――そしてヘブバンから入ったひと。千差万別でした。
ちなみにぼくはいにしえの「かのんSS-Links」にあったクロスオーバーSSからPS2版Kanonへ入りました、という年季マウント(※ぼくはこんなに昔から知ってるんだぞ! という老害ムーブを指します)をかましてみたところ、なんか素で「なんやそれ……?」みたいな顔をされたのでぼくの目からは形而上の涙が零れました。検索してみてね。
――それはさておき、考えてみれば、麻枝准という人間はTacticsからKeyに移籍してKanon・AIRで泣きゲーのトップランナーとしての立場を確立して以降、CLANNAD、リトバス、AB!など、その時々で常に新規キッズ層を獲得してきたライターではなかったでしょうか。まとめサイトなんかで言われるように、高年齢層しかターゲットにされていないだなんてことは決してないのです。
ゲームという戦場に戻ってきた麻枝准が、すでにレッドオーシャンだったはいえソーシャルゲームという圧倒的人口をかかえる媒体でその魅力を十全に発揮したとき、ヘブンバーンズレッドの客層がこのような広い発展を遂げるのはむしろ必然だったのかもしれません。
大昔はリアイベもすくなかったですし、どういう客層がコンテンツに集っているのか視覚的にはほぼ不透明だったので、大勢のファンが集う光景を実際に目にできて開演前から感無量でした。
かつてCLANNADが発売延期をかさねていたころは、数すくない交流場であった2ch――正確にはBBSpink――のCLANNADスレでは「どうでもいい」「つまんね」「くすくすくす」「くそなど」という謎の定型レスがしばしば書き込まれ伏魔殿と化しており(ちなみにこれは年季マウントです)、おさないキッズだったぼくは意味もわからず戦慄するしか術がなかったものです。いまはSNSの発展もあってカジュアルにコンテンツを楽しんでいるファンがいつでも確認できていい時代になりましたねえ。
ほんとうにさまざまなひとが居ましたが、類は友を呼ぶと申します。気づけば、開演前にはSatsubatsu KidsTシャツを着ている限界麻枝オタクが円をなして集う異常な絵図が展開される一幕もありました。
いえ、限界麻枝オタクとは限らないのですが、Satsubatsu KidsTシャツを着ているのでそう断じておおむね差し支えないでしょう。
よって、失礼かな? とは思いつつもぼくはたびたび「異常麻枝オタクの方ですか?」とお伺いするのですが、X(旧Twitter)のネームを聞くと案の定異常麻枝オタクの方でいらっしゃったので失礼にはあたらず胸を撫で下ろしました。ところで、名誉毀損は事実であろうとも成立することがあるらしいですよ。
散歩に来ただけのぼくは「なんでこのひとたちヘブバンライブにそろって殺伐Tシャツ着てんだろ……恐ろしい……」と恐怖にぷるぷる震えてしまいました。不思議なことに彼らとぼくの服装は酷似していた気もしますが、オタクの恰好って基本似がちなのでそんな気がしただけだと思います。
やがて入場が開始され、国際フォーラムAホールへ足を踏み入れます。5000人キャパの現場ははじめてなので、どれだけの広さなのか想像もつきません。
――壮観でした。
豊洲PITはスタンディングで3000でしたが、ここはシーティングで5000。コンサートホール様の空間がもつひろがりは前者のそれよりもはるかに大きく、天井の高さも田舎者には目が回らんばかりです。4章後編を模したステージセットも気合が入っていますね。
挙動不審になりながら席につき、ルミちゃんの開演案内を聴くと、今回の趣旨を受け容れました。
なるほど、いいでしょう。ぼくたちは老いも若きもさながらドーム住民。「ライブ鑑賞屋」としてこの空間に存在している設定なのです。彼女らの唄を聴いて元気をもらう立場であり、一体となって楽しむのがマナー。ところでルミちゃんアナウンスのあと毎回拍手が巻き起こっていましたね。ルミちゃんかわいいからしかたないね。
ちなみにライブハウスみたいに600ジャスティスくらいでワンドリンク買わないとダメなのかと思ってたらふつうに入れたので、ノーハンドのまま終演まで水分補給ができませんでした。
以下、音楽的知識はないので単純な感想です。頓珍漢なこと言ってるかもしれませんがご容赦ください。
とりあえず現地では全体的にドラムがドコドコいい感じに鳴ってた印象があったので、オーバーキルが聴きたかったなあと思います。
1.死にゆく季節でぼくは
Extreme Fragではアンコールで披露されたキラーチューンを開幕にもってきました。
麻枝准の歌詞変更曲にハズレなし。Little Busters!Jumper ver.を初見でむかえたときのあの感動と興奮は忘れることができません。この曲も「朝が来てタイを締める ふたり並んで」にエモが集約されてますね。
毎回「となりに潜り込んでいつまでもぬくぬくしていたいだけなんだ」のパフォーマンスで歓声が上がるんですが、きみたちは百合オタクなのかい? やがて君になったりするのかい? ホワーイ?
アウトロでふとうしろを振り返ったんですが、ペンライト制御のおかげもあって、5000人ものひとびとがこんなにもひとつに揃って麻枝准曲オンリーのライブを楽しんでいる光景を目にできて言いようのない感動が襲ってきました。この時点でライブの元はとったと言っても過言ではありません。この後、ちょいちょいうしろを振り返っては感動するオタクが11列目にいました。
2.ありふれたBattle Song~いつも戦闘は面倒だ~
ライブ定番曲ですねえ。観客コーラスもあって盛り上がらないはずがないですよ。
たぶん「ゆけ 〇〇〇」の部分がうろ覚えのライトなファンも多いと思いますけど、歌詞が出てくれるので親切設計です。あの指差しパフォーマンスをできるだけ原作に近づけているという伝わりにくいファンサもうれしい。
3.Heartbreak Syndrome
ライブ映えする曲上位だと思います。ゲーム中で最初に聴いたときはそうでもなかったんですけど、ノリやすいしライブでの掛け合いを聴いてから評価が爆上がりしました。まあ、どうみてもだーまえがライブ映え意識して書いてる感があるのでそれもむべなるかな。
なんとなくVanishing Dayみを感じる歌詞な気がします。
4.さよならの速度
Extreme Frag豊洲公演ではちょっぴり歌詞ミスがありましたが(ライブならではの現象なのでそれはそれで好き)、今回はパーフェクトさよならの速度でしたね。「負けないぜ」のXAIさんの声の伸びが素敵でした。1.5周年の夏イベにふさわしい名曲だと思います。
夕焼け→夜になる演出が3Dライブシーンにあったからか、基本バイオレット色の制御がされてましたね。
5.贅沢な感情
ペンライトを振れない曲その1。今回はキーボードが入ったからかわかりませんけど、いつもよりテンポ遅め? のしっとりとした曲の入りと、それを引き立たせるXAIさんのボーカルが際立ちました。聴くたびに情感が増しているように思えますね。できればいつか4章後編のクライマックスで流れたバージョンの歌詞でも聴いてみたいものです。まずサントラでもいいから収録して……。
6.Particle Effect
なぎさん初手がParticle Effectという贅沢なはじまり。
間奏のうぉーおーおー! を叫ぶの気持ちいい……。
その後に入る麻枝リフレインもたまりません。『そして物語が終わる』を聴いた諸氏はもれなく麻枝リフレインの虜になるというのはみなさまもご存じのとおりであります。
7.星の墓標
なぎさん曲は本編につながりを持たせてるんでしょうけど、なんかいかにも5章とつながりありそうなfrom the Waterな曲。
「どうかもう奪わないでと祈った」の悲痛な歌い方がイヤな予感をさせてくれます。昔はわりと考察マンだったんですけど、ある作品で自分の考察した予想と違った展開になったとき勝手に落胆してしまったことがあったので、近年はそれを避けるのと新鮮味を重視してあんまり先の展開を予想しないようにしています。
8.きみの横顔
作中、1章Day11で流れた瞬間から心を掴まれた曲です。麻枝准のピアノイントロが入ったらそれはもう勝ち確演出なんですよ。
「未来には期待はしない いつだって不安で及び腰」「もう泣かない」の部分がお気に入り。最初ハーフアニバかなんかのライブで聴いたときは音響? マイク? の影響もあったのか安定してなさそうだったんですが、きみの横顔2024はサビの力強さとアウトロへ至る際の透き通るような「その横顔」リフレインが映えていました。そりゃあ曲にあわせて矛も盾もぼくも思わずゆらゆら揺れてしまうというものです。
9.War Alive~時にはやぶれかぶれに~
ライブ定番曲ですね。きみの横顔からの温度差で風邪ひきそうです。
ぼく内SiL順位でいうとトップクラスというわけではないんですが、ライブではわーい! とキッズみたいに喜び飛び跳ね叫んでおります。麻枝准はわりときみを置き去りにしがちですが、War Aliveでも置き去りにしてしまいました。
サビのフリが特徴的かつシンプルで良き。
ところで先入観のせいで今でも「なにもしなけりゃ劣化Low Guy!」としか聴こえません。
10.Thank you for playing~あなたに出会えてよかった~
麻枝准の自己紹介ソング。31Aメンバーが作詞しているという設定isどこ? いや、好きに書くための設定とは言ってるんですが。
徹頭徹尾Hikikomori Songsに入っててもおかしくない曲なんですが、SiLのパフォーマンスのおかげで一見かわいらしい曲として景品表示法違反をしてきています。「Say! No! Say! No More!」のフリがノリやすくて好き。
猫の世話もできないほど生活能力ゼロの特化型っていったい誰のことなんだ……。
11.起死廻生
4章前編ではめぐみんがアレだったのでライブがおあずけになってたぶん、4章後編ラストで演奏された起死廻生は万感の思いがありましたね。ぼくの中でも上位の曲です。作中では光の中に包まれるような色合いの2Dライブが印象的でした。
サビメロのめっちゃ歌いにくそうな掛け合いをみごとに歌い上げているのでプロはすごいなあと思いました(小学生並みの感想)。
「ああきみよきみだけであれ ぼくもぼくだけであり続けると誓うから」というメインストーリーをクリアしたプレイヤーなら感涙モノの歌詞がありますが、Heartbreak Syndromeでは「ぼくがぼくであり続けることが無理でも行こう」と言わせてます。麻枝さぁ……。そういうところやぞ。好き。
12.放課後のメロディ
大好き。
ぼくは麻枝准が書く情感をストレートに歌う歌詞が大好きなのですが、初期の情景描写が多いポエミーな歌詞も大好きでして、それらのハイブリッドみたいな放課後のメロディを好きにならないはずがないのです。「思い出すのは入道雲へと続く用水路 夏をトンボが連れ去っていった」ですよ。音楽的なことはさっぱりわからないのですが、メロディ自体ハイテンポなのに切なさを感じますね。
13.Long Long Spell
ぼく内シーレジェトップクラスの名ナンバーです。
Long Long Spellは初聴のときからぶっ刺さりにぶっ刺さっておりまして、ポジティブさを感じさせるテンポのメロディに反して殺伐さを全開にした歌詞のギャップが最高です。とはいえ殺伐しきっているわけではなく、「お互い大変で でもそれでもいいじゃん」とつらさを肯定して受け入れる前向きさがあり、それでもやっぱり生きることはあいかわらず大変だ、と歌う美しさ。
毎回聴きたい曲です。サビ、まわりでだれもクラップしてなかったのでぼくひとりでクラップしてました。
14.銀河旅団
銀河旅団はいいぞ。
4章前編トレーラーで流れたParticle Effectが人気な印象がありますが、個人的な好みはこっち……いや、こっちか? やっぱParticle Effectかも……。となるくらいにはいいぞ。
ゆったりめのAメロからサビでぱぁん! と盛り上がる感じになんとなくBirthday Song,Requiem感を覚えています。Birthday Song,Requiemはいいぞ。
「触れて(麻枝リフレイン)」のトコのフリもキュートでいいですね。
15.幻想都市
正直ゲームではじめて聴いたときは「銀河旅団と立ち位置被ってない?」と思いましたが、連続で聴くとなかなかどうして、違うエモさがありますね。サビがちょっと歌いづらそうでしたが。
麻枝准はわりと鳥を飛び立たせがちなイメージがあるのですが、銀河旅団でも幻想都市でも飛び立ってます。
ただ歌詞はこちらのほうが好み。
「空に浮かぶ都市を見てた きみとふたりきりで 両手で作った窓にそれを収めていつかはそこに連れていくと笑う いつか宇宙の塵となって永遠を彷徨うだろう それでも隣に居てと願うのはさすにわがまますぎるか」なんて一回寝ただけでLove Songヅラしてくる歌詞を繰り出されるとぼくは死ぬしかありません。はー好き。
ライブでのエモポイントはアウトロのフェイク的なやつです。
16.White spell
初公開からヘブバン配信まで約4年間定期的に聴いてきた名曲。ウィスパー気味に入ってくるボーカルが印象的でした。Aメロではあえて光らぬよう制御されたペンライトが、力強いサビとともに真っ白に染まっていく演出が憎い。
個人的最大の聴きどころは、「風に消され 眩しさに閉ざされ」の部分です。悲痛に叫ぶような掠れ気味の歌い上げ方が否応なく切なさを増していました。直後の若干しゃくりあげるようなブレスも◎。White spellは切ないアウトロも魅力的なのですが、ライブアレンジとしてギターをぎゅいんぎゅいん鳴らすのもアリなんじゃない? とちょっと思っています。
17.死にゆく季節のきみへ
直前の幕間劇でめぐみんに「坂道を転げ落ちるようにだとしても走り続けられる」と言わせて歌詞と連動させるのは卑怯なんですよ。こんな卑怯なセリフを書いたのは誰だ? 麻枝じゃん……。
SiL版とどっちが好きかと言われれば4章後編トレーラーの衝撃もあってなぎさん版のほうが好きなのですが、新宿のクソデカ広告で両方流れているのを聴いて「ヒュー! やっぱりどっちも最高!」と叫ぶチョロいオタクが誕生していました。
18.夏気球
ペンライトを振れない曲その2であり、今回のライブでシヴァと並びもっとも聴きたかった曲。
映像があまりに卑怯すぎる。ぼくは昔の情緒を呼び起こさせるような麻枝歌詞(e.g.百年の夏、海鳴り、ポケットをふくらませて)に弱いので夏気球はもともとクリティカルヒットしていたのですが、4章後編のプレイ体験を想起させるこの映像とともに流されようものならこのキモ・オタク、甘んじて涙を流すしか術がありません。ランタン飛ばしの部分でペンライトがオレンジに光るのも犯罪的です。まわりの観客も泣いているひとがちらほらいましたね。この公演でもっとも刺さった曲かも。
19.Bougainvillea
静かなピアノから入るギターが『きみの横顔』感ありますね。音楽的知識あるひとから見たら違うんでしょうか?
初手の「ゆけ」があまりに力強くて一気に引き込まれ、ペンライトを振ることも忘れてとにかく聴き入っておりました。ヘブバンのなぎさん曲は麻枝リフレインが軽率に多用されていて助かります。
なんか「心閉ざして部屋にこもってネットでもしてたい」みたいな歌詞聴こえるな……と思ったんですが、アーカイブ観たら本当に歌ってて笑いました。
『終わりの惑星のLove Song』っぽいという声を見かけましたが、ぼくはそんなに感じなかったです。そういう目で見れば「ゆけ」のあとに続く音の詰め込みがなんとなく『Executionerの恋』のサビ感あるか……? とちょっと思うくらい。
20.Before I Rise
いうまでもなくはじまりの曲ですね。おそらくシナリオ完結までに何度も聴く機会があるでしょうけど、ストーリーが進むたびに聴こえ方が変わってくるんじゃないでしょうか。一回一回大切に聴いています。
21.Burn My Universe
3人でBurn My Universe! こういうの聴きたかったんです! プライムリブにクリームドコーンとマッシュドポテトとクリームドスピナッチを付け合わせました、みたいなわんぱく企画です。イントロでなぎさんが出てきたのでUniverseなのはわかりましたが、その後SiLのふたりが見えた瞬間テンションがブチ上がってわーい! とキッズみたいに喜びながらペンライトを振っておりました。SiLのふたりが歌う(one, two, three, four で let's go new day)(undo を選び three, two, one Go!)の部分がめちゃくちゃカッコかわいくて最高でした。来年あたり死にゆく季節のきみへ(季節でぼくは)の3人verとか来てもおかしくないですね。
22.Alchemy(SiL ver.)
SiL版Alchemyの個人的聴きどころは、ラスト「みせるよ×4」の掛け合いと、その後のXAIさんのフェイクです。ライブではアウトロのギターがビンビン来てたのもいいですね。ガルデモのオリジナルAlchemyに脳を焼かれ続けている身としては、どっちかを選べと言われれば原曲Alchemy派なのですが、これはこれでGoodです。というか一番の宝物(Crow ver.)の殺傷力が強すぎてAlchemyは若干陰に隠れてる感がありますね。
23.Goodbye Innocence
もう鉄板ですね。これを聴かなきゃ終われない系の曲と化しています。聞くたびに鈴木このみさんのロングトーンが伸び続けているので、再来年くらいには1分くらい続くようになっているかもしれません。
今回はXAIさんも若干対抗してロングトーンに力を入れていた気がします。ラスサビで花火様(よう)のステージ演出が挟まれるのも小粋です。
惜しむらくは、いつもと違ってこの後にも曲が控えているからか、アウトロが短かった(たぶん)ことです。Goodbye Innocenceのアウトロは長ければ長いほどよいものとされているのはみなさまも周知のとおりであります。
24.シヴァ
シヴァあああぁぁぁぁぁ――――! パンフの歌詞カードに載ってたので来ないはずはないと思ってはいましたが、まさかの大トリシヴァは予想外でした。しかも3人での歌唱です。
正直コーラスを叫びすぎてメインボーカルはほとんど聴こえなかったんですが、体力を使い果たす代わりに死ぬほどブチ上がったのでめちゃくちゃライブ映えする曲ですわね。逆に配信だと観客のコーラスが抑えられているので盛り上がり自体はやや薄かったのかもしれません。でもこれはこれでバランスよくて好きです。ヘブライブ2025があったらぜひともまた演ってほしい……。
終了後はなかば放心状態でしたが、翌日も忙しいという〇〇〇〇〇さんを脅して軽くごはんを食べに行きました。
彼はきわめて温和で人当たりのよいさわやかなひとでしたが、その実会場で見かけたときは、低気温にもかかわらず上着を着ることもなくSatsubatsu KidsTシャツを見せびらかし「フン……おれは麻枝オタクだが……?」と全身でアピールすることに余念がありませんでした。
そのときご一緒していたXAIさん大好きマンが「なんかめっちゃSatsubatsuしてるひといますよ……すごい……」と恐怖にぷるぷる震えていたのを思い出します(誇張された表現があります)。
不思議なことに彼とぼくの服装は酷似していた気がしますが、オタクの恰好って基本似がちなので気がしただけだと思います。
総じて大満足だったヘブバンライブ2024ですが、3ヶ月後には春眠旅団ツアーが控えております。
とりあえず全公演のチケットは確保したので、またお会いすることがありましたらよろしくお願いいたします。待っていろ念願のマウンテン……。
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