虫が怖くないのは正常性バイアスなのか?

突然だが、僕は虫に対してそれほど恐怖心を感じない。

もちろん、刺されば生死に関わるようなオオスズメバチなどは怖い。しかし、世間で忌避されているゴキブリや、カメムシなどは怖いとか気持ち悪いとは思わない。
それらに出会した時の、友人のリアクションを見ても無理してない??と思うばかりである。

それに関する代表的なエピソードと共に、僕の感じていることを共有したいと思う。

蜂退治

以前、会社の寮でルームメイトと二人暮らしをしていた時期がある。ある日、会社から帰ると中には灯りがついているが、鍵が掛かっていた。特段気にも留めず、自分の鍵で扉を開けると、玄関の三和土に焦った様子のルームメイトがいた。

話を聞くに、どうやら蜂がいるとのことで、玄関のすぐそばにあるルームメイトの個室の前、開け放たれた扉に4.5cmほどのアシナガバチ(と思われる)がいた。

なぜ玄関の鍵が掛かっていたか後ほど聞いたところでは、当人は「自分の部屋にいたのが、外に逃げたらまずい」と思っていたらしく、友人の混乱具合が窺われた。

まるで未知の殺戮ウイルスかのように蜂を扱う様を可笑しく思ったが、廊下の先にあるリビングに続く扉も閉められており、どうやら彼の責任感は主に僕に対するものであることがわかった。

僕との共用スペースに蜂が侵入するのを防ぐため、勇気を振り絞って蜂の前を行き来したのだと思うと、あながち馬鹿にもできなくなってしまった。

その勇気に免じて、僕は丸めた雑誌で蜂を叩き、ティッシュで包み、無事ゴミ袋へと放り込み、ルームメイトは勇者のように僕を崇めることとなった。

その後、蜂討伐の祝杯をあげながら話を聞くに、どうやら僕には5cm程に見えていた蜂は、彼の目には、その倍の大きさを持ち、猛毒で人を殺しかねない害虫と映っていたようだ。蜂の遺体は既に、ゴミ焼却場で火葬されているであろうから、真相は確かめようがない。

確かに友人は物事を過剰に恐れるきらいがある。例えば、雷に撃たれることを恐れ、アパートを借りるときにインフラ設備の契約で詐欺に遭わないかを恐れている。

そんな友人をアホらしくも、愛おしくも思う僕であったが、ふとこれは『正常性バイアス』なのではないかと思った。

正常性バイアスとは、異常事態にもかかわらず、心の平静を保つために、普段通り振る舞うことである。

言われてみれば、合致するような気もする一方で、蜂が出たくらいで異常事態って…という思いもある。

推察するに、これは僕の敵に対する評価が正しい内は被害を被らずに済むが、一度それを見誤ると大きな被害を被る可能性があるようだ。

今回のケースでは、アシナガバチの敏捷性が僕を上回っていた場合、僕は蜂の反撃に会い、病院送りになる可能性もあったのである。今回は偶然うまくいったが、これもまた偏見を助長する糧となってしまうかもしれない。

しかし、ゴキブリはそうではない。カメムシもだ。これら2種の害虫に対して、僕たちは必要以上に恐れを抱いているのではないか?

僕たちは過剰に働く正常性バイアスを振り切り、断固として、これらの虫と戦わなければならないのである。

最後に

思い返すと、正常性バイアスにより手痛い失敗をしてしまった話があったので、それにて締めくくろうと思う。

僕は大学から一人暮らしをしていて、右も左も分からない純粋無垢な僕はNHKと契約してしまった。ただし、これはキチンと奨学生は受信料を払わなくていいからという理由があった。

問題はその後である、大学を卒業し、大学院に進学したのだが、しばらくすると、受信料の払込用紙が届き出したのである。

さて、ここで僕がとった行動はなんでしょう?


正解は「オレ奨学生だし、払わなくていいやろ〜」です


アホかて、、
ここでの正しい手続きは、奨学生免除の更新をすることでした。残念ながら郵便受けを確認する習慣を持たない僕は、その更新の案内を2年間に渡り放置し、結果として25000円近くを払うこととなりました。

これにも紆余曲折があるのだが、別の機会にnoteに書こうと思います。


ここまで読んでくださった方へ、正常性バイアスにはくれぐれも気をつけて。


そして僕へ、正常性バイアスなど高尚な言葉を使う前に、まず身の回りの自分の世話くらいはキチンと行える人間であれ。

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