慄く
もうほんとうにやめた方がいいと思っている。
流しでつまみ食いすることを。
こんな思いをするのなら。
いつも心臓がキュッと締め付けられて動揺するし、「うわぁ」と声を上げる時もある。
心配した家族が見に来てくれるが、「またか」と言い残して去っていく。
毎度のことだが、流しに捨てられたトマトのヘタを蜘蛛と見間違えたのだ。
数分前に自分で捨てたのにもかかわらず。
ある時は「ひゃあ」というような叫び声をあげ慄いたが、虫だと思った物は先ほど台所でつまみ食いしたスイカの種であった。
さっき口からプププと流しに捨てたのだ。
横着してそんなことするからアホみたいな目に合うに違いない。
トマトのヘタはミニトマトのヘタだと、さらにリアルに虫に見えるし、スイカの種は2、3粒がリアルである。
こんなに何の役にも立たない情報がこの世にあるだろうか。
虫は苦手なので、できるだけ遭遇せずに済むようにしているが、思いもよらぬ方法で彼らは接触を図ってくる。
(ここから虫の話になります。苦手な方は読んじゃダメ。)
「くもりの森の事件簿」season 1
絡まった輪ゴムが落ちていたので拾いあげたら、カピカピに乾燥したゲジゲジだった。
ぶん投げた。
ズボンをはいたら内太ももがチクチクしたので、また乾いた米に違いないと手を突っ込んでとってみたらカメムシだった。
ぶん投げた。
トイレの隅に大きな埃が溜まっていたので拾おうとしたら突然動いた。ヤモリの赤ちゃんだった。(これはかわいかったし虫ではない)
そっと捕まえて外に放した。
自転車に乗っていたら前方から飛んできたカナブンがおでこに直撃し、驚きの痛さで全てのやる気をなくした。
おでこの真ん中が赤くなった。
悪気がないのはわかっている。
仲良くできるものならしたいけれど、そうはいかない事も世の中にはあるのだ。
苦手意識が強すぎて、流しのトマトのヘタやスイカの種を虫と見間違えてしまうのだ。
だとしたら全て虫のせいじゃないか、と一瞬思ったが、そもそも流しに直接捨てなければいいだけの話だし、つまみ食いをしなければこんな事にはならないのだ。
一瞬でも虫のせいにして、どうもすみませんでした。
ただの自業自得でした。以後気をつけます。
今日の読書
「ほぼ日の怪談 おかえり。ほぼ日刊イトイ新聞」
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