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自分の暗闇を覗く…一人っ子の呪縛

パッと見、明るいとか悩みなさそうに見られることが多い私。本当の私の中身は……捻くれ者…だったと思う。今はかなり解放されてきたが。

幼い頃からずーっと「一人っ子」であることが嫌でたまらなかった。母がRHマイナスのAB型で出産が危険だった為、子供は1人。まあまあの田舎で育った為 一人っ子は珍しく、周りの大人たちは口を揃えて「一人っ子はわがままで甘えん坊でどうしようもない」とか、ネガティブなイメージを押し付けて来た。裕福ではない家庭の一人っ子なんて、寂しいだけで、欲しい物も遠慮して欲しいと言えない環境だったのにさ。一人っ子なのに、全然得してない!とか思ってた。

友達はみんな兄弟がいて心底羨ましかった。出来るだけ一人っ子だとバレたくなかったので、絶対わがままは言わないよう、幼い頃から気を使っていた。学校の先生に「一人っ子に見えない」と言われることは、私にとって最高の褒め言葉だった。

先日、息子が成人式を迎えて思い出した。私の成人式の時…着物着たけりゃ自分で作りなと言われたので、そんならスーツでいいやと思ってスーツで成人式に行ってしまった。…スーツ着てる女なんて私一人だった💦みんな綺麗な着物を着て、なんか白いふわふわのやつ巻いてたなぁ。
結婚式も、お金も無いし挙げなくていいかと諦めた。こんな一人っ子もいる。

16歳の時、当時44歳だった父が脳出血で倒れ、半年間植物状態になった。その後、奇跡的に意識が戻りなんとか退院するまでになったが、右半身不随で自宅介護となった。61歳で亡くなるまで、自宅で静かに暮らした。父が倒れた当時は自分自身の突然の進路変更、母と2人生活の不安、自宅介護などに押し潰されそうだった。母と2人で退院したばかりの父を入浴させるのが、とても大変だったことを思い出す。女子高生だった私が大人用オムツを買いに行った時の、やるせない気持ちも覚えている。なんで私ばっかりこんな目に遭うのかと、どこにぶつけていいのか分からない怒りや恨み、幸せそうな人達への嫉妬に苦しんだ。ああ、こんな時 兄弟という存在がいたら どんなに心強かったか、と思った。

今、父が倒れた年齢を超えて思う。
父も母も まだ若かったのに大変だったな、と。子供の私は自分のことで精一杯だったけど、親って大人に見えたけど、今の私より年下だったんだ。
そして、夫が療養中で働けない今の私の状況と母が重なる。

一人っ子にするくらいなら子供はいらないとまで思っていたのに、自分の息子も一人っ子にしてしまった。親になっても、一人っ子の呪縛に苦しんだ。周りの無神経な人達に、「一人っ子じゃ可哀想」的な言葉、何度言われたことか…。
周りに一人っ子が可哀想とあまりにも指摘された時、小学生だった息子に
「兄弟がいなくて 寂しい思いさせてごめんね。」
と謝った。その時息子が、
「え?オレは父ちゃんとママがいるから寂しくないよ。兄弟いないと兄弟ゲンカもしなくていいし、比べられないし、家でゆっくり出来て最高だよ!」
と言った。驚いた。息子は一人っ子であることを悩んでもなく、嫌がってもなかった。最高とまで言い放った!息子よ、すごい。

そして気付かされた。
周りの人たちの言葉は、私が昔周りの大人たちに言われて鵜呑みにしていた言葉。そんなことないって心から思えたら、そんなこと言われなくなるんだ。そう思えてから、一人っ子を責める言葉を耳にしなくなった。

息子の言葉によって、私は一人っ子の呪縛から解き放たれた。一人っ子は一人っ子で最高だし、兄弟がいたら兄弟がいるって最高だ。
そんなの他人が決めることじゃない。
自分が決めればいいことじゃん。

私の大好きな斎藤一人さんの本にも書いてあったな、そんな感じのこと。
それから、人にいいことがあったり幸せそうだったら、
「よかったね!」
そう心から思えて初めて、自分に幸せを呼べるって。
そう気付かせてもらってから、だいぶ心が軽くなってきたと思う。

昔の記憶を語ってしまったが、現在は一人っ子最高!と思ってるし、成人式に1人スーツ女子なんて逆にすごかったな私!と思えるし、結婚式挙げなかったから離婚のハードル低くてラッキー!とか思えたし🤣

今は自分の感じ方を大切にして、自分の世界は自分が創っている!と力強く思っている。
人が幸せそうだったら、よかったね!って思える自分が、今は嬉しい。

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