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パリと暴動。波乱の修学旅行。
パリ。アメリを見てからずっと憧れてたおしゃれの総本山。
高校受験の季節、修学旅行がパリ!という夢のような話につられ、音楽系の高校を受験した。
先生にピアノの先生になりたいです!と今のピアノレッスン界の問題点、わたしだったらこうしたいといった今後の展望を熱くプレゼンし、推薦をゲットした。しかしなぜかしれっとバイオリンで受験。
アメリで頭がいっぱいだったわたしはそんなことはすっかり忘れ、ひたすら受験にむけてシャカシャカ練習し、無事合格できた。
荒れた中学とはまったく違い、傘すら盗まれない。みんな優しい。音楽に美術に集中してるからか、いじめもない。
なんて楽しい高校生活。
そして夢にまで見た2年生、修学旅行の季節がやってきた。
格安の16万円コースでみんながんばってお金を積み立て、寒いからとユニクロのダウンやら、盗まれるからと肩がけのバッグを購入。
盗まれないカバンの持ち方、スリの多い場所などの講習も始まった。
フランス語もかじりはじめ、クラスの至るところでサヴァ♪という声が聞こえはじめる。
これは歌の先生のモノマネでもあったので、我がクラスのサヴァ♪はみんな裏声であった。
オペラはトップレスらしいよ!ルーブル美術館はモナリザの前がスリが多いんだって!
予定も把握しはじめ、みんな準備万端、明日にでも旅立てる!とウッキウキで噂話をしはじめた。
ところがその頃。
かの地フランスで我々の予想だにしないことが起こっていたのだ。
それは移民の暴動。
クラスの大部分がフランスは移民の国ということを知らず、最初はなにが起こったのかわからない。
ふだん見ないニュースを真剣に見つめる。
私たちは修学旅行に行けるの?それだけが心配である。
そして一時、暴動は治まったかに見えた。
歓喜するみんな。
ふたたびサヴァ♪とフランス語の練習をはじめる者も現れる。
私も、カバンはしっかり前で抱き締めて持つー、とスリ予防の復習に余念がない。
しかし。
ここでみんなを激怒させるニュースが飛び込んできた!
今回の事件でおそらくみんなが初めて知ったであろう、フランスの大統領、サルコジ(呼びすて)が、やらかしたのである。
曰く、
移民はクズだ!
はぁぁぁぁ~!?
なーにいっちゃってんのー!(涙)
おかげで暴動は再燃、我々のパリ行きはおじゃんになったのでした。悲し。
クラス中でサルコジが大いに嫌われたのは言うまでもない。
ワタシもほぼこのために受験したのでアゴが外れるほど愕然とした。外れてはいない。
それから今のいままで、パリに行くという夢は叶っていない。
が、16万円というパリ用の積み立てを大いに活用し、我々は豪華な東京旅行に行くことになった。
リッチな横浜のホテルに、東京ディズニーホテル、みんな夜景が素晴らしく、朝食のビュッフェの虜になった。
オペラは佐藤美枝子さんの夜の女王が聴ける、魔笛。空中ブランコから聴いたこともないまろやかな美声でとんでもない高音が響き渡る。
佐藤美枝子さんは我々の高校の先輩ということもあり、空港にお見送りに来てくれた。いい匂いがした。
夜はミュージカル、キャッツを見に行き、大興奮。
その他浅草やら月島やらもんじゃやらを堪能し、109にもいって、方言で喋ったところ級友から田舎っぺがばれる!しー!と注意された。
4階建てのヤマハにも行った。
あとは芸術系の高校らしく、武蔵野音大の見学やら美術館やらに行き、こちらはテンション低く、ディズニーシーではしゃぎまくったみんなであった。みんな頭に何かしらかぶっていた。
16万円を余すところなくふんだんに使った、ハードスケジュールな旅であったが刺激的で結果大満足であった。
帰りのバスでお互いを知りすぎた親友どうしがケンカしてるのも可笑しかった。
これはこれで満足。
エスカルゴを食べようとしてプリティーウーマンみたいに飛ばしてしまったりもしてみたかったが、これはいつかの楽しみにとっておこうと思う。
しかしサルコジだけはいまだに嫌い。
たくさんの学びとサルコジへの憎しみが残った修学旅行でありました。