宅建試験に60日間本気で向き合って得たものと失ったもの
はじめまして。
現在、地方で大学院の2年生をしています。専攻は化学で不動産とは全く関係ないのですが、内定をいただいた企業が不動産関係の会社でして、宅建はとっておいたほうがいいだろうと思ったので挑戦しました。
特に会社から宅建をとれとか言われたわけではないのですが、社会人になってから勉強時間を確保できる未来があまり見えなかったので、今から勉強しておけば今年落ちても来年の足しにはなるだろうという考えで学生のうちに挑戦したという流れです。
勉強開始は5月ごろ
本気で取り組んだのは60日程度ですが、実は勉強自体は5月の中旬くらいに開始していました。はじめに民法から勉強すると挫折するという言葉を多く聞いたので宅建業法から勉強をスタート。結果的にこれは正解だったなと感じています。宅建業法を1周終えたころ、6月1日に内々定式があり、東京にタダで行けて、内定者のみんなに会えるということでいったん勉強を忘れて楽しもうと、テキストを持たずに東京へ。
これが悪手?で、次にテキストを開くことになるのは9月1日となります。
さすがに焦る9月1日
一度勉強をやめると、テキストを開くのがびっくりするくらい億劫になってしまいました。一度覚えたことを忘れているかもしれない恐怖、まだ宅建業法しか触れてないのにあと50日で合格できるのか?今から勉強初めても無駄なんじゃないか?別に会社からとれって言われたわけじゃないし、最後の学生生活遊んだほうがいいんじゃないか?とか、本当にいろんな感情が渦巻くのですが、冒頭にも述べたように、社会人になってから勉強するより今やったほうがましか、という結論にたどり着き再度勉強をはじめました。
順番としては宅建業法の復習→法令上の制限→税・その他→民法といった順番です。言い忘れていましたが使ったテキストはTAC出版の「わかって受かる宅建士2024」の基本テキストと分野別問題集です。表紙がめちゃめちゃ胡散臭いのですが、中身のビジュアルが気に入って購入しました。分野ごとに切り離して学習できるのがよかったです。(ほかの参考書もそうなってるのかな?)
試験当日
試験会場は近所というほど近所でもないが名前は聞いたことある高校。試験を受けるのはかなり久々で程よく緊張感がありました。試験会場まで歩いているときに周りの受験生を見渡すと、結構年齢層が高かったです。大学生っぽい子は1割もいなくて、バリバリの社会人とか年配の方まで幅広い年代の方がいました。
試験会場に持ち込んだのは各単元ごとに問題の解き方をまとめたルーズリーフ。センター試験の時も科目ごとにこういったものを作っていたのを思い出して、試験1か月くらい前から作成していました。
例えば、報酬の問題が出たらまずは売買なのか貸借なのか、代理か媒介かを確認して、賃借で非居住用なら権利金を売買代金として計算できる。権利金から算出した値は代理か両手媒介なら双方から受け取れるが、賃料から算出した値を報酬としてもらうなら、双方からもらう場合でも1か月分までしかもらえない。みたいなのを図とかを作ってルーズリーフにまとめていました。
過去問とかを解いて復習をするときは毎回このルーズリーフに立ち返り、修正、加筆を繰り返して、問題を解くときもこのルーズリーフを思いだしながら解いていく感じです。
試験中
問題の解く順番はあらかじめ決めていました。
まず問48。直前に宅建試験ドットコムさんの統計まとめみたいなページを読みました。記憶がなくなる前に解くために一番最初と決めていました。笑
次に判決文問題。問題文読めば大体解ける民法のサービス問題だと思っていました。文章がややこしいけど精読すれば点になるので脳がフレッシュな最初のうちに解くと決めていました。
はい、決めていました。
え?
ないんだけど?
さすがに度肝抜かれました。僕のオアシス判決文問題無くなりましたね今年。
内心ブチギレながら民法、法令上の制限をすっ飛ばし、問26へ向かいます。
問26~問50までを一気に解きました。そんなに難しい問題はなく、無難に進みます。死のガイドラインはたまげましたが、その前の選択肢が明らかに違ったので(故意に不実を告げ、、みたいな)、こういうガイドラインがあるんだよっていうのを宅建士になろうとしてる人に試験を通じて教えてくれてるのかな?みたいに感じました。知らんけど。
続いて問15~問25を解きます。法令上の制限はシンプルに何問か間違えました。
農地法は点とらないといけないとこって印象でして、自分は過去問でもよく間違えていた苦手分野だったので前日に結構対策したんですが、訳わからん問題出てましたね。まじでわけわからんかったす。ほぼ読んでないです。落としました笑。
ほんで国土利用計画法、まさかの事前届出が正解肢はえぐいでしょ。事後届出は届出しなくても罰則ないって勘違いしていた自分が悪いんですが、さすがに事前届出カバーしてなかったです。
税。今年も不動産取得税かい!みんな思ったんじゃないですかね。
でもなんか税は満点取れたので許します。
最後に問1~問14の順で民法を解きました。
これ最初に解いてたら冷や汗ダラダラだったとと思います。ほんまに何言ってるかわからん。問題文が短いのが逆にイメージできる要素を失わせてきて、考えることもできないのが多かったです。
自信あったのは損害賠償請求のところくらいですかね。たまたま直近でまとめたところだったので解けました。
解き終わった時間としては1時間10分くらいでしょうか。何度か見直しとマークミスの確認だけして、あとはひたすら時間が経つのを待っていました。
分からん問題とかも、別に見直ししても分かるとかないので(計算問題とかだったら話別ですけど)、問題文の読み間違えと正誤の答えるほうあってるかなとか確認しました。
試験終了後
試験終わりましたーー!!って解放感よりも、民法分からん過ぎて、受かったか落ちたか微妙やなーって感情が強かったです。
とりあえずXで「民法」って検索したら、みんな同じこと思っててかなり安心してにやけました。やっぱそうですよねって。
家帰ってX見てたら、なんか自己採点してる人がいるじゃないですか。え、はやくね?
どうやら宅建試験ドットコムさんで自己採点できるらしいということを知りました。
すぐさまサイトにアクセスし、恐る恐る自分の回答を打ち込んだのち、自己採点ボタンを押しました。
、、、
、、、
!!
41点!!
さすがに部屋中走り回りました。
雄たけびあげながら走り回りました。
まだ解答速報もあってるかわかんないけど、まああってるだろうと謎の自信で、ああ、受かったぽいなと。
その後大手予備校の解答速報も確認して、点数変わらず41点でした。
マークミスしてなければ受かってると思います。
宅建試験に60日間本気で向き合って得たもの
特に最後の1か月とかは学生の特権を生かして、研究室にいる時間も、家に帰ってからもずっと宅建の勉強してたので、多分合格だろうと分かったときはめちゃめちゃうれしかったです。
勉強習慣
めっちゃありきたりですが、勉強習慣はつきました。
平日に研究室から帰宅した後に勉強とか、今までは考えられなかったのですが、勉強するのはもう前提で、どこで勉強しようかな(研究室でそのまま、大学の図書館、スタバとか)と考えるようになっていて、今思えばすごいなと思います。
なんかこの思考法筋トレとかに応用したいですね。
今日ジム行こうかなーじゃなくて、今日どこの部位やろうかなー、今日どっちの店舗行こうかなーとかで悩むようになったらマッチョになれそうですね。
試験終わってからも勉強してるの?ってきかれると、してないですね。特に次に取りたい資格とかもない(おすすめあったら教えてください)ので、今は試験までちょっと我慢してたこととか、部屋の掃除とかしてます。
卒業できなくても何かの仕事に就ける自信
嘘みたいな話なんですが、大学院ほんとに卒業できんのか?って思ってる自分がいます。もとからさほど勉強ができるわけでも、研究がしたい!っていう強い思いがあるわけでもなく、流れで今の大学院に入学しているので、内定先は決まったけどこれ卒業ほんとにできるんかなってのは常々考えていました。
それがまあ、宅建持ってたらどこかの不動産仲介の会社に雇ってもらえるんじゃないかという、心の支えみたいなのにはなった気がします。
脂肪
それはもう、勉強という大義名分を盾にして、ほぼ運動しない。ストレス発散を名目に、蒙古タンメンを食べまくる生活をしていたので、完全に太りました。
なんか勉強中って色々食べたくなりませんか?
あれなんなんですかね。
思い返せば人生で太った期間って全部受験期間でしたわ。
恐るべし、宅建。
宅建試験に60日間本気で向き合って失ったもの
得たものがあれば、失ったものがあるはずですよね。
いっぱいあります。
友達との時間
宅建の勉強期間中は、友達との誘いを結構断っていました。
「ごめん、宅建の勉強しなかん」っていうと、「おう、そうか、がんばれよ!」って応援してくれる友達が多くて、いい友達を持ったなと感じました。
でもなんか、宅建終わった報告してからもあんまり誘われない気がするんですよね。
あれ、僕が失ったのは友達との時間ではなくて、トモダチ?
筋肉
脂肪が増えれば筋肉が減っております。
大学時代体育会の部活に所属していて、そこそこマッスルだったはずなんですが、それはもう二年も前の話。
現役時代から5キロくらい増えてしまったので本格的にダイエット始めないといけません。
良いダイエット法あったら教えてください。切実に。
さいごに
ここまで読んでくださりありがとうございました。
巷では宅建は簡単、ちゃんと勉強すればだれでも受かる!みたいな話を聞きますが、それは半分本当で、半分嘘だと思います。
自分の肌感覚ですが、過去問を解いているときに、平成の問題の素直さ、簡単さに驚きました。令和の問題の意地悪さ、ひっかけ方に比べたら平成の頃の問題はありえないくらい簡単に感じました。
近年は受験者のレベルが上がってきて、それに応じて試験の難易度も上がっているんだと思います。
だからこそ、昔宅建を取得した方が言う「宅建は簡単、ちゃんと勉強すれば受かる」っていうのは本当にその通りかもしれません。
ただ、そういう方は1回令和の問題解いてみてください。
よくそんなひっかけ方思いついたなみたいな問題がゴロゴロ出てきます。
自分の勉強期間は60日ほどでしたが、一日のほとんどを勉強に使える状態で60日かかったので、社会人の方や主婦の方が宅建に受かろうと思ったら半年~1年かかっても全然おかしくないと思います。
今年宅建試験を受験された方本当にお疲れさまでした。
来年以降宅建を受験しようと考えている方の参考になれば幸いです。
もし需要があれば勉強法とかについてもっと詳しく書こうかなとも思うのでぜひコメント等お待ちしております。
それでは!