休学生のスタートアップ記録
これは、私が某 M社で1ヶ月半働いた頃の怒涛の記録である。
社員は2人
その他は業務委託のメンバーで構成されており、チーム全体は10人以下。
そんなベンチャー×スタートアップのIT企業にて、未経験から新規施策マネージャーに抜擢された私の体験談。
プロジェクト始動
そんなペーペーの私が最初に取り掛かったこと
それは「6月までに自社での売上基盤を作る」ということ。
私が関わっていた頃、会社の資金は全て投資家or VCに頼っていた。
今後自社で利益を出して独立するために、私はまず、アプリ内課金サービスの立ち上げを試みた。
当アプリではユーザーが吐いた弱音に対し、他ユーザーがスタンプで反応するのが好評だった。
しかし、弱音を吐くユーザーの中には深刻な悩みを抱えている人もおり、そんなユーザーの問題の根本的解決を行うため、専門家に有料で相談できるサービスを立ち上げた。
同類サービスの市場調査
運営フローの作成
有識者カウンセラーとの交渉
ラジオを通じた本サービスのP R
その他細かな事務作業(キャンセルポリシー、報告書のテンプレート作成etc..)
ざっと思い起こしただけでもこれだけのタスクがあり、それを「いつ」「誰に」振るかの裁量を持っているのが私だったのだ。
リリース前 過渡期
無論、自分で考えたサービスなのだから自分でやるのが一番手っ取り早い。
ただしなんせ時間がない。全体像を伝える余裕がなかった。
必要最低限の基礎情報は伝えつつも、単発の仕事だけを振ってしまった業務委託の彼らには今更ながら申し訳なく思う。
ただ、世の中には依頼された仕事を100%正確にこなすのが向いている人と、
当たるか外れるかは半々だがクリエイティブにゼロイチを生み出すのが向いている人がいる。
彼らは前者で私は後者だ。
だから彼らは私のやり方に文句一つ言わずに取り組んでくれたのだと思う。
目標のリリース日まであと1週間。
決まっているのは「専門家に有料で相談できるサービスを作る」という事実のみ。
申し込み方法、決済方法、トラブル対応、PR方法など何も具体的に決まっていなかった。
「なんかやばいかも」
いくらサービス立ち上げ未経験の私でもそれくらいの緊張感はあった。
そこから1週間、9時に起きてから12時に寝るまでほぼ毎日PCの前に這いつくばって働いた。
食事は冷凍食品のお弁当。そのおいしさに涙ぐみながら過ごした。
大好きなジムですら時間の無駄だと思って行かなくなった。
リリース目標前日
私は、仕事になると、しばしば人からの評価を気にしてしまう人間である。
特に、初見でシゴデキに見られることが多いので、その期待を裏切りたくないと思い、表面上は「できてる風」を装うのが得意になってしまったのである。なぜこの話をしたかというと、私のこの性格が、のちに大事件へとつながるからである。
それはリリース予定日前日のことだった。
私は5月15日にサービスをリリースすると決め、着々と準備を進めていたのだが、どうにも間に合いそうにない。
しかし、自分で決めたリリース日だから、引き伸ばすことはしたくなかった。
「やばい、時間がない」そんな危機感から焦って手をすすめていると、なんと会社が所有していた公式アカウントを削除してしまったのである。
頭が真っ白になった私は、とにかく同じアドレスから新規アカウントを再作成し、現状復帰に努めた。
しかし、そこで公式側からの謝罪もせず、かつ誤ったプロフィールを掲載してしまったことで、社長に大説教をいただき、リリースは延長へ。
肝心なのはリリース後
そんな事件がありながらも、私はなんとか有料相談サービスをリリースすることができた。
と安心していたのも束の間、リリース翌日、3日後、なんと一週間経っても相談が来ないではないか。。!
ここで新たな仮説を立てなければならない。
「なぜ誰も利用してくれないのか」
→そもそも相談を必要としていない?
→PRが足りない?
→事前課金制が厄介?
案内ページにはそれなりのクリック数があることから、サービス自体の認知度はありそう。
つまり事前課金制度が枷になっているのではと仮定し、事後投げ銭型にして再始動することを決意。
新しい運営フローも考えた。
そして1期リリースの約2週間後には2期サービスをリリースする準備ができていた。
2期目リリース
今回は1期目ほど準備はしなかった。
それは、準備をしすぎても、うまく行かなかった時に無駄になってしまうから。
最低限のトラブルだけは避けよう。
この「最低限」の目利きが1期目よりも順調にできたので、スピード感を持ってリリースができた。
そしてバズるw
サービス開始数日で相談の申し込みが殺到。
もはや運営がてんてこまいの状態に。
しかも利用者の満足度は高そう。
なるほど、みんな相談したい気持ちはあるけど、事前課金に不安を感じていたのか!
そんな検証結果が得られただけでも、100点満点だったのではないだろうか。
サービスの成功はさておき、私はその直後に解雇通知を受ける(笑)
このことについてはまた別の投稿で
ではではまた。
おやすみなさい