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あたりまえに風穴を。制服とかスーツとか

やわやわと今朝の洗いものをしていたら、昼間めったに鳴らないチャイムが鳴って、出てみたら近所のおばあちゃんだった。

彼女は今はもうほとんどお客さんがないであろう田舎の衣料品店のおばあちゃんなのだけど、地域の小学校と中学校の制服を請け負っていて

うちの長男くんの中学の制服を

ぜひ、うちの店で

ということなのでした。

これはまいったなあ。長男はN中に行く予定なので制服は買わないのだけど、彼女にN中を説明するのは難しそうだ。

ええと、長男は制服のない中学に行くので、制服は買わないつもりなんです。すいません。

なるべく無難な回答を選んだつもりだったのに

おばあちゃんは

え!制服のない学校って私立なのかしら?

と食い付いてきて

ええーっとそうですね、私立の・・・・・と言葉を濁すワタシに

どこらへんの学校なんです?と質問が止まらない。

あまり触れて欲しくないオーラが効かないのは、やはりおばあちゃんだからなのか?

なんて思っていたら

なんでこんなこと聞くのかっていうとね、実は自分の孫にも中学生になる子がいて、制服がイヤで着たくないって言ってるのよ

その子は昔から襟のある服が大嫌いで、首まわりに何かあるのもイヤで、小学校の間はずっとトレーナーで通していたという。

それがいきなり詰め襟とはさぞかしキツいだろうとワタシも思う。

それでも制服がイヤで不登校にでもなったら大変でしょう?だから制服のない学校が知りたくて、と彼女は言い

なるほどお孫さんのためだったのかと納得。それにしても制服を請け負うお店のお孫さんが制服ギライだなんて、なんと皮肉なことか。

今は個別に対応してもらえるから大丈夫だと思いますよ。とお返事しておいた。

昔はもっと大変だったのかもしれない。制服じゃなきゃダメみたいなことがあったと思う。

しかしちょっと首が苦しいからとか、カッコ悪いからとかそんな理由じゃなく、生理的に受け付けない子が少数でもいるのは事実で

それをわがままだとか病気だとかにしてしまうのはあまりに乱暴。

かくいうワタシも着るものにはちょっとうるさくて、特にスーツがダメで、
なにがダメなのかうまく言えないのだけど受け付けなかったっけ。

社会人になってどうしても着なくては行けない場面ではもう、用事が終わって家に戻ったとたん、ストッキングもなにもかも脱ぎだす始末だったので

もしスーツでお勤めしなくては行けない仕事についてしまったら、きっとかんなで削られるがごとく精神がすりへってしまったに違いない。

大人なら仕事を選べるけれど、中学生は選べないから本当大変。高校なら私服のところも多いのになぜ中学はダメなのだろう。

規律が乱れるから?
風紀が乱れるから?
経済的に楽だから?

たぶん大人の都合がものを言っている気がする。
でもね
大人が子どもの言葉に耳を傾ければ、子どもは自分の扱い方を学べる。

我慢しなさいの一択で我慢して自分と向き合えなくなるより、ゆくゆくは未来のためになるんじゃないかしら。

当たり前に風穴を。
自分を知るための道すじを。

そう願っている。














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