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我が家のお受験奮闘記④体験会でのハプニング。そして面接本番※半分無料です

その学校は山の上にあって、緑を背にした白い校舎が可愛らしい。広い芝生の校庭。昔懐かしい石の門。説明会やホームページで何度も見ていたせいでもはやデジャブに感じられる。

ワタシにとってその学校はシンデレラが毎日憧れて見ていたお城と同じようなものだったのかもしれない。

受け付けの時間に絶対遅れたくなかったので早めに夫氏の実家を出たワタシたちは、なんと50分も前に到着してしまい、しばし車の中で待機することになる。

校庭のすみに秘密基地のような木の遊具がある。タイヤや土管の遊具もあってどこか懐かしい感じがするのは、廃校になった学校をリノベーションしているからなのだろうか。

きっちり20分前に我慢できなくなったワタシがもう行こうと夫氏を促し外に出た。

スクールバスが何台も停まっている脇を抜けて校舎の入り口に向かう。

そこは新しい木材でできた玄関で、職員であろう男性が
面談ですねーどうぞと声を掛けてくれた。

おはようございます、の挨拶にワタシと夫が緊張気味に

おはようございます!と返す中で
肝心の子どもたちは素敵な校舎に夢中で返事をしない。

しまった!挨拶しっかりって釘を指しておくべきだった(汗)

まあそんな彼らを責められないほど学校の中がおもしろかったのだ。
事前にオンライン説明会で内部を知っていたワタシですらキョロキョロしてしまうくらい。

よくある学校の廊下のようでそうでない。カラフルな色使いの教室に解放的な間取り、美術館と学校とテーマパークが混ざったような感じといったらいいのか。
階段の踊り場の色ガラスといい、とにかく色が溢れていて楽しそうだ。

オレも一年生の時からこの学校がよかったなー
と長男が言い

そうだよねえと心から思う。ワタシだって通いたかった。

控え室で待機している間、校長先生が直々に色々お話してくださる。
こちらが聞いていて安心できるような話し方をする、素敵な先生だった。

その間にもちょろちょろと長男と次男がじゃれあっており
座ってちんとしてろと夫氏にたしなめられる。

お兄ちゃんは中学校の見学なのよね。午前中もちょっと見せてもらえるように頼んでおきましょうか。ずっと待っているのも暇よねえ

とありがたいお申し出をいただく。

やがてスクールバスに乗って他の受験者のみなさんも到着。どうもこの日体験に来たのは6組で、そのうち4組は新幹線とスクールバス経由で来たらしい。

今日一番遠く(田舎)からお越しいただいたのは、モモムギさん一家です。とご紹介いただいた。

他のみなさんは全員東京方面からだったのだ。

都会の人たちだわ。しかも子どもたちは普段着なものの、保護者はみな綺麗目のスーツっぽい服を着ている。

え?普段着だって書いてあったよね?(おのれ裏切ったか小早川)

いやいや、もしかしたらみんなオフィス勤めの方たちばかりで、普段着といったらああいう服なのかもしれない(ぶつぶつ)

ワタシも一ヶ月前に事務職に転職しておけばよかったかもしれない。

山使用の上着を羽織っているのはワタシだけ。パン屋パートのワタシだけ。
いやいやいや。パン屋が悪いってわけじゃないんだから(ブツブツ)

最初は子どもたちの体験。実際にクラスの中に入って一緒に授業に参加するという。

ああ長男なら心配いらないのだけど、人見知りで口下手な次男は大丈夫だろうか?長男もそのへんが心配だったらしく

いいか、次男。お友だちとちゃんとしゃべるんだぞ、仲良くするんだぞ。と言い聞かせている。

がんばれーじなーん。と兄に手をふられて次男出発。
その後で校長先生に連れられて兄が中学校の見学に出発。

取り残される保護者たち。

ななめ後ろの身綺麗なお母さんに夫氏が
今日は東京からですか?と聞く。

東京にはこういう自由のびのび系の学校ってないんですか?

そうなんですよー。お受験とか周りはそういう世界なんですけど、うちは逆にのびのびとさせてあげたくてこちらを選んできたんです、とのこと。

はあー東京にもないんですねえと夫氏。

前から言ってるじゃん!全国から入学希望者がくるんだって。おそれいったか。自分の手柄でもないのに勝ち誇るワタシ。

さあもうすぐ体験が終わって面談だ。しかもトップバッターがワタシたち。最初だからなんの情報もないなと思っていたら長男がもどってきた。

ここで予想外のハプニングが。

もどってきた長男の顔がビミョーだと思っていたら
急に

ママ、オレここの学校はダメだ。みんな背がでかすぎる。

・・・・・・・はい?

だから、みんな背が大きいの。オレみたいに小さい人、ひとりもいなかった!という長男はもはや涙目だ。

いやいやいや、ちょっと待ってたしかに長男くんはママに似てチビだけどさ、3月生まれだしこれから伸びるし。

必死で慰めるも彼は頑なに

この学校は無理。

いやいやいや、これから次男くんの面談だってのにやめておくれよおおおお。と心で叫ぶ。

ななめ前の身綺麗なお母さんにも

大丈夫よーお父さんも高いんだから伸びるって
となぐさめられる。

オレ、背なんて気にしたことないけどな(夫氏)
それはあんたが高いからじゃ!(184cmめ)

そうこうしているうちに面談の時間がせまり、長男に鼻をかませて

15分くらいでもどるから!と言い残し控え室を後にした。

今にして思うとこの時点でワタシはかなり動揺していたのだろう。
しかも面接室に入る直前に次男が

おしっこしたい、と言い出す。

うそ?体験前に行ったよね?

きっと次男も緊張していたに違いない。

3人でハアハア言いながら面接室に駆け込んだ形に。部屋では教頭先生と先ほどの校長先生がいらして

どうぞ気楽に、と言われたけれど

自分でも気づかぬうちにワタシはものすごく緊張していたらしい。いや本当は押し込めていただけだったのかも。

願いはぎゅうっと強く思うと呪いになってしまって叶いにくくなる。
本当に叶いやすい願いとは、七夕の短冊に書いて忘れてしまえるようなこと。

ぬいぐるみだって、ぎゅうっときつく抱き締めたら苦しい。それと同じで
願いもふんわり抱くように願うのがちょうどいい。

というような話をワタシは好きな作家吉本ばななさんの著書で読んだことがある。

あたっているなと思っていた。元にこの学校の書類審査の作文も、去年のガッチガチに願って書いたものが落ち、今年のダメもので力を抜いて書いたものが受かった。

だから

ぎゅっとはにぎらないつもりだったのに。
冷静に客観的に聞かれたことに答えるつもりだったのに。

心配なのは何かいらないことを言いだしそうな夫氏だけだと思っていたのに。

続きはワタシの本心の吐露となっております。なので申し訳ないのですが以下は有料にさせていただきます🙏

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