常世の国から①
「おつげでうまれる」
ぼくは産まれないはずの子どもでした。
兄を産んだあと体が弱ったお袋は、つぎの子どもは産めなかったそうです。
そのあとすぐに出来た僕も産まないと決めたそうです。つまりぼくは本当はこの世にいなかった人間というわけです。
ところが、祖母の夢枕に信心していた神様が現れて
「今度産まれる子どもは男の子。産みなさい。」と言ったそうです。
そのお陰でお袋は無理をして産んでくれたそうです。
黄泉の国に行く予定のはずが、この世界にいることを許されたと言うことです。
お陰で生まれたことの意味を考えるようになり、生きてることに敏感になり、不思議な体験をするようになりました。
ぼくの周りでおこる不思議な出来事を、ぽつりぽつりと語りたいと思います。
ひのたろう