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常世の国から④

「ついてるよ」

霊は見えないけど、憑きやすい依代タイプ。

小さいときは虚弱体質で、風邪ひいたり熱を出して寝込んでました。そんなときは何かがついているのだと思います。
小さいときにハッキリとそんな出来事があったのですが、大人になるとそのことを楽しむようになってしまいました。

最初にとりつかれた記憶は小学校の低学年のとき。
ぼくを「生みなさい」と言ってくれたお婆ちゃんと、バスで何処かの墓参りに行ったときのこと。
真夏だったことをぼんやり覚えています。
帰りにガタガタと体が震えて止まらなくなりました。
布団に寝かされて熱もなく風邪薬を飲んでも治りませんでした。

そこで除霊師の登場です。

除霊師というと凄そうなのですが、向かいの和菓子屋さんのおばちゃんです。
ご夫婦で、とある宗教をやっていて、話しを聞きつけて助けにきたのです。
おばちゃんは数珠を振って何やら呪文を唱えました。
すると嘘のように体の震えが止まったのです。

お婆ちゃんのお友達の墓の墓参りだったのですが、おばちゃんの言うには、あまりにもお婆ちゃんが墓参りに来ないので、連れてきたぼくに取りついてわかってもらいたかったらしいです。

おばちゃんは若くして亡くなってしまったのですが、のちにおじちゃんの方にも助けてもらうことになりました。その話しはまたの機会に…。

ひのたろう

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