なろうのメインターゲット層である30代独身が、なろう小説という概念についてただただ駄弁るだけの記事
皆さまご機嫌よう
なんか急に語りたくなったので、こんな記事を書いてみるよ
前置きとかも特にないので早速GO
なろう小説とは?
まず前段はここから「そもそもなろうって何?」って言う話
世間が抱いているイメージ
多分これは「文章に慣れてないオタクくんがすきなヌルい小説しか置いてない場所」が適当だと思う
なんか無双とか落ちこぼれの反逆とかが大好きで、それに感情移入してるガチの落ちこぼれオタクくんたちが持ち上げまくってるキモい場所
本当にその通りな部分も結構あるし、そう思われても仕方ない部分も正直結構ある
筆者が抱いているイメージ
たまに濃い脂の載った小説があるが、それ以外は上の感想と大体一緒
ただし、脂の載り方にしても色々で、本当に美味い載り方をしたものから脂っこいだけで不味いものまでさまざま
それ以外は割とテンプレートに則ったものが多数
その時流・流行り物でランキングはずらりと塗り変わり、それで「今はこういうのがキてるんだな」と把握する感じ
大体なろう産で売れてるものは二通りで
「非流行ジャンルを流行にしてしまえる腕力がある、何かしらのパワーのある小説書けるやつ」と「流行りに乗って誰かをいい感じに真似するのが上手いやつ」が大体コミカライズやらアニメ化やらしてる
後者に関しては結構面白くて、よく流れてくる漫画切り抜き広告に「これみたことあるくね?」と思ったら全く別作品だった みたいな経緯でパクリ・コピペ作品を知ることが相当多い
と言いつつ、だいたい流行の移り変わりはグラデーションみたいなものになっていて、なんか人たらし なんか最強 みたいなのはどの題材でも割と共通項だったりする
余談だけど、昔筆者は「脂っこいだけで不味い」みたいなもんしか描けなかったから筆を折った いつかまた書いてみたいけどね
余談の余談で、当時ドラクエで大人気だった櫻井孝宏がやってるキャラに関する話をちょいとTwitterで話したら、キャラのファンらしき腐女子に1ヶ月以上更新止まってる小説の感想ページにアホみたいな長文批判が飛んでたのはちょっと笑っちゃった(しかも尻尾がめっちゃ見えてるやつ)
あの時はあんな長文書いてくれたのに一月後とかに見てごめんなwちょっと面白かったでw
閑話休題
ということでこの項目はこのぐらいかな
大体のなろう小説の構造
上ではなろうの“時流”とか“雰囲気”とかについてふわふわした話をしたけど、「じゃあ具体的にどんな小説が牛耳ってるのよ」という話をしていこう
メインコンテンツは大体「長編ハイファンタジー」
なろうのメインコンテンツというか、真っ先に思い浮かぶコンテンツはまさにコレだと思う
なんかちょっと現代ナイズな雰囲気もあるけど、価値観とかが中途半端に中世っぽいふわふわした世界を舞台に、なんらかのチートやら、なんか妙に好かれる人柄やらを提げた奴が各地を漫遊したりする話
あとなんか「ステータスの確認・レベルアップ・スキルシステム」が常備されていることが多いし、特に題名のチートと関係ないけど鑑定スキルとアイテムボックスは別枠のチートとして持ってる
これに関してはちょっと後で話そうね
最近は「ハイファンタジーの世界から帰還した人間がその力を使って大暴れするローファンタジー」なんてものもある
たまーにそんなの関係ねえとばかりに短編の詩的なお話とかがランクインしてたりするけど、本当に稀
“王道を外す”という“王道”
何言ってるのかわかんねーと言う人はなろうに溢れる昨今の作品を見ていくとピンとくるでしょう
彼らとにかく「勇者」とか「神」とか「優等生」とか「ヒロイン」が大っ嫌い
大好きなのは「賢者」「魔王」「落ちこぼれ」「悪役令嬢」とかそういう「主人公になり得ない存在」
たぶんダイ大だとダイじゃなくてポップが一番好きなひとがメイン層
でも勧善懲悪のストーリーの方が描きやすいので、勇者側が徹底的に悪だったりする
勇者が主人公だったとしても、「表の存在はイケメン性悪の勇者がになって、裏で殺し屋まがいの魔王討伐やらされてた最強勇者…それが俺さ ちなみに仮面を取ると黒髪でいつもの髪型のイケメンだぜ」みたいなのがクッソ多い
「君はクビだ」「お前はもういらねえってことさ」などなど口汚く解雇を告げる口と、惨めに落ちぶれるテンプレートをなぞる為だけに出てくる舞台装置 それがなろうにおける“勇者”だ
その上でこいつらは物語の序盤のカタルシスのために消化され消えゆくか、忘れた頃に「落ちぶれ録」を投げつけるかの二択なので、もはやなろう界では勇者が主人公の方が斬新まである
そう言った「王道外し」をどの切り口でやるか をここ数年は争い続けている
もちろん「主人公がぶっ飛んだ異常者で、ちゃんと悪い奴というかダークでドライな感じのアンチヒーロー(ヴィランではない)」って感じの小説も存在するけど、あんまり見かけない
そういうテンプレに入って上手く風に乗り、さらに毎日更新を続けるとランキングに載る
おそらくランキングのために描きたくない悪役令嬢ものとか描いてる人すらもいると思う
基本的に主人公の主観・モノローグで展開するストーリー・そんなの見てねえよと言わんばかりの価値観形成・設定周り
これに関してすげえ腹立ってる人は多分結構いると思うけど、チート漫遊系小説にすごく多いのが「なんとなーくステータス画面は出てくるしなんとなーく世界の文明は近代じゃない」みたいな感じのもの
これに関しては本当に多くて、キャラ周りの設定とかはゴリッゴリにあるけど、土台である世界に関しては「チートを繰り広げるための舞台」以上の意味を持っていない事が割と多く、そのレベルの物でもコミカライズどころかアニメ化まで行ってたりする
これは「東京の裏世界」とか言っとけば済む「厨二病ノートの俺キャラ設定」を「中世もどきハイファンタジーふわふわなろう世界」にすることで地盤がゆっるゆるになってるだけな気もする
まあそれでも面白ければいいよねと個人的には思ってるんだけどね
例えば北斗の拳を例に出すと、最初に「199X年、世界は核の炎に包まれた。しかし人類は死滅していなかった!」じゃなくて「俺は北斗神拳伝承者のケンシロウ…恋人を奪われたシンを追って旅をしている…」って感じの始まりで、各地を旅しても人の名前のみで話が進んで、ナレーションとかなんもなくモヒカンぶっ殺したりしてる感じ
半レギュラーがレギュラーになる時は大体別事件で再会したりするんだけど、その間隔がアンケートの結果なのか知らんがめちゃくちゃ短かったりして、そのうえ世界観説明やらもない場合、結果的に世界観がかなり狭く感じられるものが多いのはバッドポイントかもしれない
自分で書いててちょっとウってなるねこれは
勿論「何も知らない状態で異世界に転生とか言って叩き出されて、少しずつ世界の全容が解っていく」というタイプの作品もあるし、意図的にそういうスタートのものもあるんだろうけどね
あとその世界から見たら明らかに素っ頓狂な意見とかをお偉いさんがぐぬぬ…それは…みたいな事言って素直に聞く場面も多すぎるし、基本的に情操教育をこの世界で行ってたらこうなるだろうな みたいな自然な人間がいない事が結構ある
奴隷制度とかいうなろうあるある一つとっても、「愛玩奴隷兼戦力を自分のエゴイズムで大切にしてる」見たいなのがまあ見るに堪えないレベルで多い
なんかちょっと卑屈というかちゃんとその世界の価値観に染まってる奴隷を、異世界人が買って甘やかす これをやりたいだけのために出てくる
そしてその奴隷制度そのものに異を唱えるお優しい美人王女様もあるある
決してめちゃくちゃ綺麗なお嬢様とかが「ほらこの犬かわいいでしょ!」って言いながら獣人を全裸で徘徊させてもキラキラした目だったりする みたいな状況が存在しない
なぜかメインキャラは転生者に近い価値観を持った人間しかいないし「世界単位で見ると現代価値観のが狂ってるけど、力には屈するしかない」みたいな描写なんて微塵もない 正しいのはごくごく少数派の転生者パーティなのだ
副作用:他作品もなんか「なろうっぽい」って思っちゃう
これに関しては割とマジの病気で、「超越者が愚かな為政者を断罪したり、圧力をさらに圧倒的な力で捩じ伏せたりする作品」が大体なろうみたいに見えてくる 出来の良し悪しも何も関係なく
なんだろう 美味さの程度が違えど、同じような飯100日喰ったらさすがに飽きるみたいな感覚なのかな?だんだんそういった作品をちょっとポジティブに見る姿勢も薄れてくるのが不思議
例えば「ファイブスター物語」とかもうすげーなろう なろうで続き書けよと思うレベル
よく「この作品も転生ものだし慧眼だよな」みたいな話でダンバインとかが上がるけど、もう比べ物にならないレベルでなろう
永野護ファンに怒られそうだなこの記事 読まないことを祈る
ここまで言ったのになぜ読むのか?
そんな感じでまあまあこき下ろしてきたけど、じゃあなぜ数多の量産型なろう小説すらも自分は読み続けるのか?というのが気になった方はいると思う
じゃあなんで読むの?という部分をこの項目では話していこう
お水はおいしい
実はこの項目、結論から言うと「タダだからなんか読んでる」という身も蓋もない話ではある
「オフィスとかに置いてあるウォーターサーバーの水をなんか飲んじゃう」みたいなもんで、「なんか手持ち無沙汰だけど何かやるほどでもねえなあ」ぐらいの隙間時間にスルスルと入ってきて、止める時はパッと止められるぐらいの関係性を保ちやすいし、「同じ展開ばかりで飽きたな…」みたいな状況になっても、ランキングを覗けば別の小説が掃いて捨てるほどに存在する
noteで駄文を垂れ流してる時も正直この感覚なので、インプット・アウトプットの気軽さは間違いなく利点の一つだと思っている
なろう小説は無償で活字提供してくれてるだけで個人的にはもうかなりありがたいというお話
実はコミカライズはちゃんとしてたりする
こっちは普通にポジティブな話
なろう小説は昨今結構な頻度でコミカライズが書かれる事が多いのだけど、著名な漫画家さんとかも結構コミカライズ担当してたりする
さめだ小判とかもう今やなろうコミカライズの人って印象の方が強いかもしれない
あのレディ・ジャスティスの作者 荻野ケンとかも売れてるコミカライズを書いてる最中だ
そんな一大コンテンツとなってるなろうコミカライズ、実は全然原作と違ったり、漫画化するにあたって流れを変えたり、下手すると大ボスの動機とか心理描写すらも変わったりしていることが結構な頻度で発生する
結果的に原作好んでる人間なら嫌悪感があるかもしれないけど、大概の場合コミカライズのが面白い事が多い
漫画から入って原作読んだら「えっ…つまんねぇ〜…」ってなることもあるけど、そうなったら気にせず漫画を読もう!
まとめ
ここまで色々言ったけど、現状なろうで売れてる人達は「自分よりお話考える力・盛り上げる力があり、それを形として出して、ウケている」のは確かなので、よっぽど零細のわざわざ見に行かなきゃいけないようなもの読見に行かない限り、酷いもんは踏まない…と思う
とりあえず「ランキング見て流行ジャンルが不愉快だったらページ閉じる」ぐらいが良い付き合いかたかもしれません
あとコミカライズは当たりがたまにあるので、広告とかで見たらよんでみるのもよい