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推しの子が終わった

二重の意味で
どうも皆様ご機嫌よう

かぐや様の作者「赤坂アカ」原作、「クズの本懐」の作者「横槍メンゴ」が漫画担当の大ヒット漫画「推しの子」がこのたび最終回を迎えた
まあ…終わり方がまあまあアレな感じだったけど

めちゃくちゃざっくり感想をまとめて行くよ
例によってネタバレ注意アンド酷評注意












序盤

アイ死ぬまで

この漫画の全盛期

アイを失ったことでこの漫画自体の輝きが消えたとまで言って良い
カミキヒカルみたいな事を言っているがマジでそう思う


ぶっちゃけアイ殺した真犯人だれ?とオチなに?以外あんまり興味持てなくなったのも「星野アイ」がコメディリリーフとしてもキャラクターとしても強すぎたからなんだと思う

実際、このキャラクターの死の衝撃はこの漫画における「最強のカード」だった感が今でも強い

実際「推しの子」なのに「推しがクソ目立つ」謎漫画になった可能性は大きいので、たまに過去回想とかで出てくるぐらいがちょうど良かったのかもしれんけどね
まあ…結局とっ散らかった話にはなったんだけど

でも言うて序盤はまだおもろかったというか、おもろくなりそうやったんやで?って話が次から

ドラマとか恋リアとかその辺

まだ楽しんで読めたと言うか、やってることが割と当時失ったモノ(同社少年誌の役者漫画のアレ)に近かったので、ジェネリック品として楽しんでいた節が強い
復讐関連のパートがおもろいかと言われると、正直微妙だけど…
スーパーマリオブラザーズでワールドボスのクッパ倒した後に、「本物はこの先に居るぜ!」ってメッセージ出るアレとだいたい同じことしてるし、別に展開自体が物珍しい訳ではないからね

ただ、面白さの最盛期は明らかにここだとは思う
演劇路線かアイドル路線にこの辺で振り切ってりゃまだおもろかったと思うんだけどね

というか、まだバランス感覚もよかったと思うよこの辺は

だんだんおかしくなってくもん

中盤

演劇あたりの話

なんかキャラが作者都合みたいな感じでこねくり回されるのが目立ち始める
実際、「作者の言いたいこと」をめちゃくちゃ長回しでキャラ若干崩してまでやったり片鱗はあったんだけど、「降って湧いたような困難や苦境・急に登場人物の方向が転換して問題が起きる」みたいな構成がちょっとずつ顔を覗かせていく
急に湧いてきたPTSD問題とかその最たるモノ
別に人の死を軽んじたりしてるわけではないんだけど、唐突が過ぎるというか…なんかこれ使えそうだし入れよ!!!みたいな展開が増える


ルビー闇堕ちあたり

何がしたいの感がどんどん増えていく
サスペンスやりたいのか、芸能界リアル視点強めなアイドルものやりたいのか、演劇モノやりたいのか

本筋的には「クッパはもう死んでるぜ!」「ほなもう復讐せんでええか!」とか「実はそのクッパは偽物だぜ!」とか「クッパと俺は実は繋がってるぜ!」とかやってアクアが「ほなあかんやないか!」って復讐鬼に戻るみたいな話をテレテレやってて、正直面白いかと言われると、うーんスーパーマリオってなる

終盤

メインキャラたち

あかねが相対的に一番まともだと思うけど可哀想

登場人物がメンヘラの煮凝りみたいになり、メンヘラが問題を起こす→メンヘラおじさんが尻拭いみたいな展開もういいよってなる

しかもそのお尻ふく過程でアイの秘密バラしたりする もちろん秘密を共有する人間とは何も相談もなし 何なんだ本当に そらルビーキレるよ

なんというか、推しの子通してだけど、こういう「必要な手続きのなさ」が「ノリで動いてる感」をめちゃくちゃ助長してると思うのよ
もちろんそんな事言ったらまどマギなんて視聴したもんなら一生キレるよ とか思うかもしれんがさすがにちょっと過剰すぎる

というか、初期・中期・後期通してそうなんだけどこの漫画、主要登場人物が急にメンヘラになるしノリでバカになるし、作者のお人形さん感がすごい

映画編とか

オーディションあたりはアイ役をルビーがやることになるのは正直既定路線すぎてこいつらなーにをごちゃごちゃやってんだとしか思ってなかった
とはいえ、先輩として心を鬼にする有馬かなとか、それを受けてのルビーの成長とか良いシーンももちろんある

あるんだけど「作者のお人形遊び」を感じることが最高潮に増えて「とりあえず読んでる感」が強かっ

神様なのかカラスなのかよくわかんねーガキもなんか出演したりでとりあえずオールスターバトル感は結構あるけど、もはや「だから何やねん」って感じだった

ちなみに映画編ラストの「なんか一期OPみたいなこと一生言う御涙頂戴ビデオレター」に関しては「これで改心してめでたしめでたしだったらマジ時間の無駄な漫画だったな」と思ってたので実はカミキくんにはちょっと安心したりした

あれで終わったらちょっと味気なさすぎるし「悪役に悲しき過去」のまま終わると主に腐女子さんとかがキレ散らかしたりするので、そこの梯子を蹴っ飛ばして「悲しき過去があって壊れたのは確かだけど、それはそれとしてコイツの精神性は救いようがないから殺すしかない」って流れに持ってったのはよき

カミキヒカルくんの色々


「芸能界でそれなりの立場」「現在は社長」とかのフレーバーもっと上手く使えば良いのに「めちゃくちゃカリスマ性あって殺人教唆が得意で、アイにめちゃくちゃ執着しており、似通った価値のものの芽を(物理的に)摘み取ってアイをオンリーワンにするのがライフワーク」という まあまあ使い古されてそうな部分だけで戦ったそこそこストロングスタイルなラスボス

「15年の嘘」でも救えなかった悪者!って感じのキャラ

ところどころ出てくるしょうもない小物感も「成敗のカタルシス」における強烈なスパイスになっていると個人的には思うし、死に際まで結局「自分本位のクズ」だと描いたのもよし

魅力的なボスキャラかと言われるとうーん…しょっぱい吉良吉影みたいな奴だからなあ…とはなる

アクアの死と遺された人たち

結末でのアクアの死に関しては、ただ「生きたそうな顔をしている」人間が「死ぬ」から「悲劇」というテイルズオブジアビスみたいなことをやってるんだけど、今際の際で「うたがきこえる」とか言いながら勝手に満足して死ぬから余計に「いやこのシーンなんやねん!」ってなる

というか、主要人物の死は「感情移入できる主人公」なら良いんだけど「なんか幼稚な50のおっさんの独りよがりの結末」という地味に冷めた目線がずっと付きまとうのが非常によくない(精神が肉体に回帰してるみたいな話はあったが、にしたって酷いことが多い)

むしろ「妹のライブ見るまでは…!」って言いながら死んで目が覚めたら赤ん坊になってた みたいな執念深さみたいなのは見たかった というかそういうギャグで消化してオチにしてほしかった

求めていた「推しの子」はやはりアイが死んだ時点で消えたのかもな と悲しくなった

無念のまま死ぬ主人公のが読後感はやだけど、死生に関してはそもそもがめちゃくちゃファンタジーなんだからそれこそ「せんせが見てる気がする」みたいな感じの描写とかラストに入れたりさあ…みたいな事を思う

あとトドメのシーン、カミキの指紋とか一切ついてなくてアクアの指紋だけべったりな状態で自分刺してもダメじゃね?って思ったんだけどどうなんだ?刃物の出所とかも調べられたら終わりじゃない?

所詮50のおっさんの浅知恵という「穿ったリアル描写」なのかもしれんが、サスペンスものでこのガバガバ感は「これぞ推しの子よ!」って思うかはあなた次第


その後最終回含めエピローグを3話ぐらいやったんだけど、メイン(負け)ヒロインたちがひたすら死に逃げ主人公であるアクアを悼んだり発狂したりするけど、悲しみも背負ってこれからも頑張るぜ!という感じの内容

それぞれの反応(というより主に燃えてる有馬かなのアレ)は「ライブ感で生きてるこいつらならこんなことするわ」って感じで割とすんなり受け入れられた
(というより有馬かなの発狂が最終3話で一番「傷跡残した」感あって好きよ)

というか、登場人物がいかにバカなことしようが「作者の都合でこんなことさせられて…」みたいに思うからそんな常識疑うみたいな範疇の部分ではもはや何も響かない
クッソ燃えてるけど、あれに関してもそれより前から無限にバカ行為やってるメンヘラへの怒りがただ表出しただけと思ってる

結局そこそこ色々投げ捨ててる感もあり、「結局お前いらなかったじゃん」みたいなやつもおり、読後感は普通に悪い

まとめ


なんか良いモノ見た感で誤魔化そう! って感じをひしひしと感じるし、作者が思いついた方向に舵切った感がずーっと出てくる漫画だった

というかその路線で行くんだったら大筋のサスペンスがすっげえ邪魔だから、アイドルもの芸能界モノのテーマパークみたいな路線のまま行って欲しかった節はある すごく
それでも面白い漫画ができる時はもちろんあるのは否定しないんだけど、これは正直…
言ってしまえばアイが死ぬまでと最後の巻だけ読めば良いとまで思う

実際読み返してるとところどころ面白いシーンやギャグシーンはあれど、大筋見ると「なんかおかしくね?」とか「作者のお人形遊び見てる感すげえ」とかそういう感じになる漫画

とりあえず絵は上手いと思う

登場人物が「作劇のための道具になっている」っていうのは「この漫画がフィクションであり、作劇だから」っていう妄想をもとに最後まで読んだが、漫画からの説明…いや釈明はついになかった

正直もう1話やって「楽屋裏で登場人物皆が打ち上げやってる様子」とかで締めて欲しかった… 

アイは本当に死んだし、アクアも本当に死んだし、有馬かなは死体に平手打ちしながら告白できなかったって喚き散らすキチ◯イで、あかねは完全犯罪の計画立てようとするぐらいにはアクアが好きで、ルビーは薄めの飛ばし描写で立ち直って、物語は終わった

ルビーのなんか立ち直った感が個人的には一番ヤベーと思ってて、え、メインヒロインだよね?ってなりました

正直早バレがマジだと思えなかったぐらい安っぽい終わり方で、お前マジかってなった

最終話が一番クソみてえな話だなって思いました
何者かの独白モノローグで終わるエピローグとしても出来が悪いと思う メンゴ先生の画力に頼りすぎや

主人公を最後まで映さずにサブキャラの顛末を書き続け、最後に花婿姿のタケミチ出した東リべのがまだ最終回としての質が高い

あと一流の悲劇より三流の喜劇 みたいな言葉があるが、お世辞にも一流の悲劇とは言えないので三流の喜劇以下です 主要人物の死に方含め色々雑なんじゃ
謎の意味深おしゃべり精神世界鑑賞ガキにしかなれなかったツクヨミとかマジでなんのために必要だったんだよ

結論:読後感がカスだけど連載中は割と読めた漫画でした。 カイパチよりちょい上ぐらいの面白さはあったよ



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