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投資家目線で見る就活生向け業界分析 大手デベロッパー編②~東急不動産HD、野村不動産、森ビル~
更新が遅くなってしまいましたが前記事の続きです。
今回は東急不動産HD、野村不動産、森ビルについて分析していきます。
各社比較
財務分析
東急不動産 良
最高益。ホテル、リゾートが特に想定以上に伸びている。ビル賃貸や賃貸住宅も伸長している。海外事業では減収しているものの、国内事業利益の押し上げがそれをカバーしている。主な原因として不動産売買マーケットが好調なこと、国内およびインバウンド需要が回復したことがあげられる。
23年3月期時点で中期経営計画における財務目標をEBITDA倍率以外はすべて達成している。
その上で24年3月期予想、営業利益や当期純利益はいずれも上方修正している。引き続き最高益が見込まれる。26年3月期目標を既に達成しそうな勢いである。
時価総額業界5位
野村不動産 良
連続最高益。オフィスビルなどの収益物件売却が牽引。マンションも引き渡し数が前期比5.5%増。連続増配。24年3月期においては部門別で業績好調。住宅部門においては住宅分譲事業の計上戸数の増加と粗利益率の向上、及び収益不動産事業の物件売却収入増加により増収増益。都市開発部門においては収益不動産の売却の増加、及びホテル、フィットネス事業における収入の増加により増収増益。
時価総額業界6位
森ビル 悪
非上場企業。24年3月期中間連結決算において減収。特に営業利益、経常利益は酷く、利益半減。特に投資家向け不動産販売事業、個人顧客向け住宅分譲事業である、分譲事業が低迷している。ただ24年3月期予想においては増益予想。
非上場であるため時価総額不明。
事業展望分析
東急不動産 良
国内の都市開発事業では、代官山プロジェクト、渋谷駅桜丘口地区再開発計画、東急プラザ原宿「ハラカド」といった大規模な事業計画がいくつも控えている。これらはすべて渋谷駅周りであるが、実際広域渋谷圏と題し、大々的に取り組んでいる。海外事業は売上高全体の約10%ほどでありこれからさらに伸ばしていけると考える。現在はほとんどがアメリカ事業、そしてその次にインドネシアで事業を展開している。アメリカでも西海岸が特に多く、西海岸留学経験がある場合アピールできる可能性がある。全体的に方向性、収益性共に評価できる。
野村不動産 普通
海外事業を拡大すると明記しており、この方向性は評価できる。しかしベトナムでの住宅事業は販売、引き渡しが遅れるなどで当初予想比で減益している。また、中国事業も減益しており、海外事業のテコ入れは必要な部分であろう。それに対して日本国内では芝浦プロジェクト、日本橋一丁目中地区再開発といった大規模な事業を展開しており、直近では期待できる。
森ビル 普通
麻布台ヒルズが23年11月に開業した。23年中間決算説明会資料においてもほとんどがこの麻布台ヒルズの説明であり、力のいれようが伺える。実際注目度は高く、来年度以降の決算が楽しみである。ただ、、大手デベロッパーに共通して言える事だが、国内事業だけだと先細りすることは明らかである。この点森ビルは海外事業にほとんど力をいれていない。営業収益1252億円の内海外事業の収益はたった145億円である。個人的にはここにもっと力を入れるべきと考える。
全体まとめ
この3社の中では東急不動産が一番良いと思います。ただ前回記事も合わせて6社の中では三井不動産がやはり一番良いでしょう。
最後に、拙い記事ではありましたが読んで頂きありがとうございました。少しでもお役に立てると幸いです。