旧1号の魅力
仮面ライダーの旧1号を知っているだろうか。旧1号は仮面ライダーの初期中の初期に製作された仮面ライダーのこと。
自分は恥ずかしながらここ最近まで、仮面ライダー1号といえば新1号しか知らなかった。
しかし改めて見てみると、旧1号は初代といえど、仮面ライダーの中でも独自の路線を進んで行っていることがわかる。
結論から言うと、旧1号は全体的に暗い。とにかく暗い。
主人公、本郷猛は城南大学の大学生だったが、ショッカーに拉致されてバッタの改造人間にされてしまった。
そうなってしまったことに悲しみを堪えながら、悪の秘密結社に立ち向かう本郷猛は、全体的な悲壮感が漂う。
いつものように生活していて、改造人間にされてしまったら、貴方はどうするだろうか。
少なくとも自分なら、泣き寝入りしてしまうことは避けられないだろう。
しかし本郷猛は、ショッカーの世界征服の野望を止めるため戦うのである。
改造人間になってしまえば、二度と元の姿に戻れない。
例えば劇中でも、子どもの手を握った時に力の加減が出来ず、子どもを苦しめてしまうことで、「もう子供をあやすこともできない体なのか」たりと、旧1号編では改造人間としての悲しみと苦悩が描かれるシーンは多い。
しかしそのような事態にも挫けず、ショッカーの手によって起こる悲劇を無くすために奔走する本郷猛は、まさに悲しみという顔を仮面で隠して戦っていると思う。
やがて本郷猛を演じた藤岡弘、さんのバイク事故により旧1号から旧2号へと変化したことで、作風も幾度か明るい作風になった。
しかしそれで旧1号の悲壮感溢れる作風が消えたなんてことは断じてないと思う。
何せ、当時生まれてもいなかった僕が旧1号の悲壮感をこうして文字に起こして、伝えることができているのだから。
旧1号の本郷猛のように、置かれている状況に悲壮感を覚えつつも正義を執行することは滅多にできない。
だが、本郷猛のように、どんな逆境でも、耐えて、目標のために、頑張り抜く。
学ぶことは多いと思うし、まだ見てないライダー作品も多いので、TTFCで吸収していきたい。