『聞き返されたときの「え?」が怖い』
20241229
声が小さくて相手に届いていないとき、相手から発せられる「え?」が怖い。
特に2度目の「え?」はなおさら。
そもそも相手に届く声でしゃべっていない自分が悪いのだけれど、聞き返されたときの、あの「え?」には単なる聞き返すだけの言葉というよりも、何か複雑な感情が込められている気がする。
まず1度目に聞き返されたときの「え?」の意味は、聞こえなかったからもう一度言ってくれということだと思うが、2回目の「え?」はより複雑だ。
この2発目の「え?」の恐怖は、自分が第三者であるときにより強く感じる。
特に、自分には聞こえていたのだけれど、当事者間ではうまく意思疎通が取れていない場合、聞き返す側の人の2度目の「え?」の声量とトーンが苛立ちを含むことを感じて、あの人少し怖いなと思う。
「いや、その声量でも聞こえないよ、もっとでかい声出せよ。なんで二回目でもその音量なんだよ、正直、何度も聞き返さなきゃいけないのむかついてます、時間の無駄だろ、もっと腹から声出せ」といったように怒気がにじみ出ていて、伝える側としては怯んでしまう。
きっと、同じ「え?」でも、それを言っている人の顔は、二回目のほうがより険しくなっているだろう。
当の自分はといえば、聞き返されたときは相手の「え?」にムカついて逆に声を小さくして聞こえづらくしてやったり、明らかに大きすぎる声でその内容を相手に伝えたり、一度目に行ったことと全く別の話をしてみたり、と試行錯誤して何とか相手の思い通りにはさせまいとあがく。
もちろんそれをやっても大丈夫な人かどうか見定めることを忘れてはいけない。
そして自分が聞き返す側のときは、優しく「え?」と言い、それでも聞こえなかった時は「確かに、フォッサマグナかも」とか訳の分からないことを言って、相手に「すみません聞こえてなかったので、てきとうに音を発しました」という意図を伝えようとする。
そうすれば、さすがに3回目で相手の言いたかったことを丁寧に聞き取ることができる。
自分に余裕がないときも、怖い「え?」ではなく、「確かに、フォッサマグナかも」とか言えたらいいなあ。