バイトとインクルーシブのおはなし

こんにちは。岩崎真由子です。
部屋が片付けられません。今日こそやらな!と言って1週間以上が経過しました。誰かやる気が出る方法を教えてください。

今日は、私のアルバイトでの体験談をお話ししようと思います。
私は飲食店で接客のアルバイトをしています。主に席へのご案内、注文伺い、料理の提供とお会計までが仕事です。

ある日、視覚障害を持つお客さんがお母さんと2人でやってきました。

まず、私は出来るだけ入り口から近い席に案内しました。しかし思ったのは、そのときはお客さんが少なく、席が空いていたのでよかったのですが、日や時間によっては混雑して席が埋まっていることもあります。そんな時奥に案内していいのか?どうやって案内すればいいのか?店内のレイアウトはもう決まっているので、デザイン的にどうにかすることはできません。1つ考えたことは、出来るだけ手前の席は1席空けるようにしてお客さんを席に案内することです。そうすれば、遠い席が利用しにくいお客さんが来たときに近い席にすぐに案内できます。今まで案内する席は適当に決めていたのですが、次からはそれも考えながら案内できるようになりたいです。

次に、注文のお伺いをしました。メニューはもちろん字と写真のみなので、お母さんが口で説明していました。おかげでスムーズに注文が取れていたのですが…デザートを選ぶとき、「これはどれくらいの大きさですか?」と聞かれました。これは流石にお母さんも説明できません。私はいつもお客さんに聞かれると「これくらいです」とジェスチャーで伝えているのですが、もちろんこれでは伝わりません。どう伝えるか困りました。最終的に「直径○cmくらいです」と伝えたのですが、きっと分かりにくかったでしょう…大きさだけでなく、形や厚みなどももっと分かりやすく伝える方法があったと思います。

これらの経験を踏まえて思ったのは、「インクルーシブは専門知識ではない!」ということです。私は建築学科で、福祉関係のゼミに所属している特殊な学生ですが、アルバイト先ではただの「アルバイト」です。学校でインクルーシブデザインの授業を受けて、ゼミ活で本を読んでいますが、それはただ将来のための専門知識として学んでいるのではなく、このアルバイトでの経験のように日常に必要な知識として学んでいるのです。
近年インクルーシブなデザインの飲食店も増えていると聞きます。ですがそれも圧倒的少数派。大抵のお店はぎゅうぎゅうに席が並んでいて、メニューも字と写真しか載っていません。それをどうにかすることは私ひとりの力では何もできません。そんなとき必要になるのが、「どこが利用しづらいか?どうすれば利用しやすくなる?」という想像力と、それを行動に移す行動力ではないでしょうか。

ここで話を終えるつもりだったんですが、実は続きがまだあります。後日同じお客さんがまたお店に来てくれたのです。別に接客が良かったよ!と褒められたわけでもないですが、このお店が良いと思ってきてくれているのだから、私の対応は間違ってなかったんだな!と少し自惚れております。

以上です。今日こそ部屋片付けます。

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