ガンダムW Endless Waltzで完成をみる
アマプラで配信されていたガンダムW及びOVAのエンドレスワルツを視聴し、ガンダムシリーズの中でもかなり好きなシリーズになったので書いておきたい。
前提として、観たシリーズはファースト、Z、ZZ、SEED、00、UC、水星の魔女とあとOVAいくつか+逆襲のシャア、でありガンダム関連作すべてはカバーできていない。かつどれも1回ずつの視聴であることは断っておく。
テレビシリーズの弱点を完全に回収したOVA版
テレビシリーズを観た後にあまりに民衆が置き去りにされている点が残念だった。例えば地球が攻撃を受けても、意外な顔で驚く市民がワンカット映されるだけだし、二転三転する組織の勢力争いにどれほどの民意が反映されているのか不明瞭なため、「偉い人が信念をぶつけ合っただけなのでは?」というセカイ系に思えてしまったのだ。
キャラや主張がよかっただけに、また映画とは違う長いアニメシリーズであるが故に、この上滑り感が強く出てしまったと思われる。
さらに最後の展開が完全に逆シャアで観たやつだったので、フィナーレのカタルシスも得づらかった。
そこを完全に補ったのがOVA版である。
シリーズ通して主張してきた「正義は自分で考えろ」というメッセージが民衆(=観客)へ明確に投げられたのは本当に良かった。これをもってガンダムWは完成したと考える。
ヒイロ自身の掘り下げもテレビシリーズ後半では足りてなかったがこちらもOVAで補完されていた。女性キャラがバカじゃない
リリーナ始めキリッとした女性が多く、ストレスなくみることができた。多くの他ガンダムシリーズに言いたいのだが、女がいつもキョドキョド助けを求めていると思っているのなら大間違いである。無駄な動きが多すぎるのだ。本作品のように、こうと決めた女は強い。
また「妹」への距離感も溜飲が下がる思いだった。リリーナを信頼し、一見突き放しつつも大きな意味で守ろうとするミリアルドの在り方はシャアっちゃシャアなんだけどカッコいい。他のガンダムシリーズで繰り返される「か弱い妹」を戦闘のモチベーションにする雛形には苦虫を噛み潰してたのでかなりスッキリした。主張のもっともさ
ガンダムWの魅力は舌戦にあると考える。言ってることがいちいち最もなのだ。
ガンダムパイロットが技術者のジジイを恨むのもほんとその通りだし、モビルドールの空虚さはドローン戦を彷彿とさせ、戦争の悲惨さを自分事として思い知らさねばならないという方向への暴走にも説得力がある。
誰が悪、という決まりがなくコロコロと勢力図や立ち位置が変わる様は多少混乱はするが、現実の写し鏡であるということを言いたいのだと解釈している。キャラがいい
デュオが好き。全体的にキャラが良かった。ガンダムパイロット間の関係性が良くて、そこまで馴れ合わないけど信頼してるからこそのチームワークが発揮されるとワクワクする。
また全員工作員であるのも色んな行動に納得できるので◎
どの2人がコンビになっても良い、この絶妙な関係性は間違いなく本作の大きな魅力である。
軽妙キャラが好きな私としてはデュオはすごくよかったなー。雰囲気も明るくできるし。いつも貧乏くじ引いてて愛しい。演出の粋
ラストシーンのリリーナとヒイロのやりとりにも分かるように、粋〜!な演出が視聴者をなめてない感じがして良い。細かいツッコミどころはあるけど、大枠好きだと許容できてしまう。
絵柄が好み。あの時代のセル画がそもそも好きなのもある。ただ総集編の後、絵柄とストーリーのクオリティが大きく低下したのはなんなんだろう。何かあったのか。。
あとレディアンの復活はもう少しどうにかならなかったのかなー。ご都合主義に見えてしまう。。などなど。
まぁ多少のツッコミポイントはあるけど、トータル良いので飲み込めます。
ちなみにメカのかっこよさとか戦闘のかっこよさは自分かなり鈍いので他作品と比較できない…。いつまで経っても機体名覚えられないので…。その点に関しては何も言えないです。。