33金型早繰り銀6:△42玉に最速▲56銀②
前回
前回の記事では、図1から▲16歩を見た。今回は▲77歩、▲68玉の展開を見ていくことにする。
図1から▲77歩
図1以下
▲77歩 △同歩成 ▲同銀 △76歩 ▲66銀 △同銀 ▲同歩 △86歩 ▲同歩 △同飛 ▲87歩 △84飛(図2)
右辺でポイントをあげたので、左辺の愚形を解消しにいくことでよくしよう、というのが▲77歩。△84飛までは一本道で、先手の選択肢として▲75銀と▲68玉を見ていく。
図2以下
▲75銀 △24飛 ▲25歩 △54飛 ▲83角 △94角 ▲同角成 △同歩 ▲83角 △52金 ▲65角成 △88歩 ▲同金 △79角 ▲58飛 △77歩成 ▲同桂 △47銀 ▲同銀 △88角成 ▲同飛 △57飛成 ▲58銀 △77龍 ▲98飛 △79龍 ▲48玉 △88金(結果図1)
▲75銀に△82飛もあり、あくまで互角であるが、88銀が75にワープして飛車を抑え込んでいる形となり、気分はあまりよくない。△24飛とぶつけるのが気分としても正解だろう。陣形差から先手は交換を避け、飛車をいじめる展開にする。
△94角に▲65角成は、△73桂で後手の調子がよい。△88歩以下はなかなか人間には思いつかない手順で、結果図1は完全な互角。
なお、▲83角に代えて▲45角と打つ手もある。これに対して上記の手順同様に進めると、△77龍に▲78飛があって先手がよい。▲45角に対しては△72金が簡潔で、後手が指しやすい。先手は飛車を取っても打ち場所がなく、75の銀がボケてしまうのでだめ。
▲68玉も見ておく。
図2以下
▲68玉 △52金 ▲61銀 △51金 ▲95角 △82飛 ▲51角成 △同玉
▲52金 △同飛 ▲同銀成 △同玉 ▲82飛 △62銀 ▲81飛成 △71金
(結果図2)
述べた順はあくまで一例である。結果図2以下は▲91龍なら△82銀、▲84龍なら△36歩▲同歩△73角といった調子。
図1から▲68玉
△42玉に対する継ぎ歩の展開の最後に、図1で▲68玉を見ておく。この手が有力なわけではなく、先手がゆっくりした場合の後手の狙いについて見ておく。
図1以下
▲68玉 △86歩 ▲同歩 △同飛 ▲87歩 △84飛 ▲96歩 △72金 ▲95歩 △73桂(結果図3)
後手はやはり飛車先交換から84に飛車を引く。結果図2は互角だが、先手のマイナスポイントが壁銀+右桂を使いにくいことであるのに対し、後手のマイナスポイントが2筋の壁くらいなので、後手に不満のない展開と言えるのではないだろうか。
△42玉まとめ
2回に渡り、基本図から△42玉▲56銀の展開を見てきた。後手は2筋を謝るのが一時的に不満だが、△35歩と伸ばすのが急所の一手で互角以上に戦えると考えている。
図3の△75歩に▲66歩は、△76歩▲同銀△86歩▲同歩△同飛▲87金△82飛▲86歩△54歩(図4)と進み、▲65歩にはすぐ△55銀とぶつけられるため後手が十分な展開となる。▲66歩の展開においては△94歩よりも明確に得であるため、私は基本図で△42玉と指すのがよいと考えている。
次回以降は、▲37桂と跳ねる展開を見ていく。体感としてはこのタイプが最も多く、銀の位置によって微妙に展開が異なる。かなりややこしいが、うまくまとめられたらと思う。