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ジャン=ミッシェル・フォロンに出会う
東京駅にある美術館、東京ステーションギャラリーに今週末行ってきた。
8月に帰省する時に見たポスターの絵の感じがとても良くて、行きたいと思っていた展覧会だ。会期のギリギリで行くことができた。
名前も知らない画家であったが、水彩のタッチで描かれた月の鞄を持って歩くポスターはとても魅力的だった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154520475/picture_pc_91d1f1ee1358259491b87d7b61ce4592.png?width=1200)
絵のテーマは一貫しており、帽子とコートをきた男を主軸に描かれている。ドローイングや水彩画が多く、淡い色彩とデフォルメされた人物の姿が、どこか可愛く見えてくる。
絵画というよりも、イラストと呼ぶ方がふさわしいような、気楽に観ることのできる展覧会だった。
展覧会を見ていて、頭に浮かんだアーティストは「鈴木康広」だった。
なんとなく似ているなと、思っていたのだが、どうしてそう思ったのか考えてみた。
その答えは「見立て」にあるのだろうと思った。
「見立て」のアートというのは、個人的に好きなアートの一つだが、鈴木康広もフォロンも「見立て」が素敵だと感じた。
ポスターになっている絵も、月を鞄に見立てている。そのほかの絵でも、旅行鞄を額縁に見立てて、周囲の絵を切り取っている絵が印象的だった。
素敵な絵画は、身近なものが自分が思いもよらないような描かれ方をしている。これまで見ていたものが別の見方で見えてくると、自分の中に新しい価値観が入ってくるようで、知的好奇心がくすぐられる。
月を鞄として捉え直すという視点。旅行鞄を額縁として捉え直すという視点。そう言った示唆を与えてくれるアートが個人的に好きだと感じる。
そう言った絵に出会えたという意味で、今回の展覧会はとても良かった。
これまで知らなかったアーティストに出会う度に自分がアートの世界の入り口にしかいないことに気付かされる。
これからもたくさんのアーティストに出会っていきたいとそう思い直した一日だった。