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夜は自由の時間だ
少し前に『よふかしのうた』が完結した。不眠症で悩む中学生の少年が吸血鬼と出会い、夜を自由を謳歌する漫画だ。
少年が感じるように、夜は自由の時間だと思う。
夜に外に出ることで、何か言葉にできない高揚感が生じてくる。
昼間は、仕事という目的があり、道を歩いているが、夜は目的がない。ただ気の向くままだ。
夜にランニングに出かけると、昼間の雰囲気とは違う住宅街が待っている。
夜は視覚が制限されている分、他の感覚が鋭敏になる。
アスファルトの独特な匂い。住宅街からは、夕飯の匂いやお風呂の匂いが漂っている。
夜は静かだ。自分の足音と時折すれ違う自転車、公園でたむろしている少年たちの声。日中の騒々しさとはかけ離れた世界。
そして、走っている自分にフィードバックされる自分の感覚。汗、疲労感、足がもつれる感覚。
太陽の下では気づき得ない感覚が、ここにはある。そうした感覚に気づいていることが、この夜の特別な高揚感を作り上げるのだろう。