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アイバニーズ? イバニーズ?
こんにちは南仙台の父です。
今回は日本のギターを取り上げてみました。
泣く子も黙る「Ibanez」です。(なまはげではありません。)
日本を代表するギターブランドであり、今でも多くのギタリスト・ベーシ
ストが愛用しています。
今はアイバニーズと呼ぶのが一般的ですが、実は私が若かった頃は雑誌な
どでは「イバニーズ」と記されることが多かったです。
本来は「イバニーズ」であり、仕方なしに「アイバニーズ」化したという
老舗ブランドですが、そんなアイバニーズについて語ってみました。
アイバニーズといえば多くのギタリスト・ベーシストに愛用されており、
名前を列挙するだけでもかなりの人数に登ります。
その中でも特に有名なのが、ポール・ギルバートとジョー・サトリアーニ
とスティーブ・ヴァイではないかと思います。
その他にも多くの人たちが使っていますが、ロックファンであればこの三
人は必ず挙がる名前だと思います。
私的にはジャズ・フュージョン系の人、ジョン・スコフィールドやジョー
ジ・ベンソン、パット・メセニーやフランク・ギャンバレあたりの名前を
挙げます。
ジャンルを問わず多くの人たちに愛用されたのがアイバニーズだというこ
とがわかります。
(他にも色々いますが、ごめんなさい・・・、日本人はわかりませんでし
た。)
元々は名古屋で1935年くらいからスパニッシュギターを生産したことから
始まったのが「星野楽器店」でした。
元々はスペインからの輸入からスタートしましたが、上述の通り国産ギタ
ーを作りたいということで発足したのが最初です。
スペインのギター製作者であるサルバドール・イバニェスにちなんでブラ
ンドを作り、当初はイバニェスという呼び方でスタートしました。
だから、本当はアイバニーズでも、イバニーズでもなく、イバニェスだっ
たのでした・・・。
その後戦争で焼け野原になった名古屋で戦後の復興期に星野一族が事業を
再開し、べっ甲のギターピックを米国に輸出して米国向けのビジネスが始
まったと言われています。
1950年代から60年代にかけて、グヤトーンやテスコなども含めてアイバニ
ーズブランドで北米向け事業を拡大していきます。
60年代になるとフェンダーやギブソンなどのコピーモデルの生産が始まり、
後にコピーモデルによる訴訟なども起こることになります。
この頃はビートルズの来日などもあって、バンドブーム・エレキブームが
日本を席捲していきます。
そんな中でアイバニーズは富士弦楽器(フジゲン)に生産委託する形で事
業を伸ばしていくことになります。
この頃にはすでにアイバニーズはファブレス化していました。
その後にギブソンとの訴訟・和解を経て、オリジナルモデルに注力する方
向に向かい、ポール・スタンレーやアラン・ホールズワースなどのアーテ
ィストモデルを発表していき、オリジナルギターブランドとしての地位を
確立することになります。
その後はポール・ギルバートやスティーブ・ヴァイといった人たちとのエ
ンドースメント契約によって日本ギター最高の時代を支えるブランドとし
て成長を遂げることになります。
アイバニーズといえば、7弦・8弦といった多弦ギター、細くとがったヘッ
ドデザイン、スリムネック、24フレットなどのモダンスタイルのギターを
思い浮かべる方も多いかと思います。
私はどちらかというと、ARシリーズやセミアコなどのギブソン系の趣きを
持ったシリーズの方が馴染みがあります。
一時期はリー・リトナーもオリジナルモデルを使っていて、真剣に買おう
か悩んだ時期もありました。
国産ギターでギブソン系の趣きといえば、アイバニーズの他にはアリアや
ヤマハやグレコなどもありましたが、アイバニーズのギターはサウンド的にこれらのギターの中でも明るめの感じがしました。
実は私は一度もアイバニーズのギターを買った・持ったことはありません
でした。
楽器屋さんで試奏はしましたが、私が弾くとアンプの影響もあったのかも
しれませんが、ちょっとキラキラし過ぎる感じがありました。
たぶん、アンプがヤマハのアンプやジャズコーラスだったからかもしれま
せん。
今でも楽器屋さん、中古屋さんでアイバニーズのギターを見ることがあり
ますが、やっぱり個性という点ではいち早くオリジナルものに舵を切った
だけのことはあって独創的です。
先日もジョン・スコフィールドモデルがあって、試しにES-339とこれとを
比べてみましたが、音自体もかなり特性にクセがある感じがしました。
ちょっとハイが立つ感じがしましたが、ハードウェアがオリジナルのもの
を使っているので、ギブソンと比べるとエッジが立った感じがします。
最近は国内のギター需要も大きく落ちて、新型コロナウイルスで多少需要
の回復はあったみたいですが、今はまた落ちている感じがします。
そんな中で今でも海外のギタリスト・ベーシストに支持されているアイバ
ニーズはジャパニーズギターの誇りなのかもしれません。
えっ、どうしてアイバニーズになっちゃたのか?
英語だと最初に「I」は来ちゃうと「アイ」って読むことになるので、元々
はスペイン語だったのに、北米市場を意識してアイバニーズになっちゃっ
たんですね。
トヨタ自動車がトヨダではなく、トヨタになったのも海外だと濁点が良く
ないからっていう話もあります。
そういえば、トヨタも星野も愛知県由来でした・・・。