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護送される容疑者の気持ちがわかった

こんにちは南仙台の父です。
今回はだいぶ前の話になりますが、新型コロナウイルスに罹患してホテル
療養になった時の話をしてみたいと思います。
まだまだ感染者の数は出ていますが、5月からは感染症5類にレベルの見直
しが入ります。
既に感染したという方も多いのではないかと思いますが、自宅療養の方が
圧倒的に多いのが実情だと思います。
私はたまたま指定難病に罹患しており、免疫不全のために重症化リスクが
高い(というよりも重症化しても文句が言えない)ため、早い段階でホテ
ル療養となりました。(というよりもかなりブーブー言って、何とかして
もらったのが実態)
ホテル療養の場合は必ず指定のお迎えが来ます。
(えっ、お迎えって地獄からのお迎えじゃありませんよ。)
今回はそんなホテル療養に向かうためのお迎えについての話です。

ホテル療養は原則場所が非公開にはなっています。
また、道中での感染拡大を防ぐこともあって、必ず自宅まで自治体が車
を差し向けてお迎えに上がることになります。
迎えに来る車は原則としてワンボックス車(ノアとかセレナとかステッ
プワゴン)になります。
基本は乗り合いとなって、罹患収容者の自宅を回ってピックアップする
という形です。
当然ですが、運転する方は自身が感染しない前提での完全防護状態であ
ることは言うまでもありません。

さて、私も図らずも罹患してしまい、紆余曲折の結果と診断をもらった
お医者さんの厚いプッシュもあって、無事にホテル療養できることにな
りました。
保健所からはホテル療養に必要なモノだったり、対応だったり、お迎え
の対応についての連絡が入ります。
当日までに何とか必要なモノを揃えて待ちますが、どうしても自分の指
定する時間にお迎えとはいきません。
既にここからが本題の護送される容疑者と同じ形になります。

私も当日の朝に電話が入り、おおよその到着時間と乗車の際の注意事項
などを聞きました。
指定された時間よりも早い時間に到着したようで、大丈夫かという問い
があったので、大丈夫な旨を伝えてとりあえず車を待ちます。

「今、自宅の前まで来ましたので出て来てください。 荷物は自分で載
せてください。 車は△色の〇〇です。」
私を護送するドライバーから電話があり、外を見て見ると△色の〇〇が
止まっています。
この時点で護送の始まりとなります。(いわゆる、お努めとなります。)
車まで行くと防護服を着たドライバーが手際よく対応します。
私も荷物を載せて車に乗り込みます。
車内は前席と中席がパーテーションで仕切られています。
感染対策もしてあるだけでなく、車内で会話をしないなどの注意事項も
あり、当然のことながらマスクはしっかり着用です。
車は横からは一応見えないようになってますが、フロントガラスは道路
交通法上の規定もありますから、外から普通に見える状態です。
一応ブラインドにはなっているものの、前からはしっかり見えるし、そ
の前にドライバーが完全防護状態ですから、誰の目から見ても怪しさは
100%を超えており、しっかり対向車や前の車からも見えます。

こうなるとよく見る風景が頭の中にちらついてきます。
(そうだな・・・、これって容疑者護送で警察署から地検に行くのと同
じパターンじゃないの。)
そうです、これからホテルに到着するまでの間は容疑者護送と同じシチュ
エーションが体験できるわけです。
しかし、私は何も悪いこともしてませんし、これと言って罪があるわけで
もありません。
よく汚職や賄賂をした政治家の先生や企業の幹部なんかがこんな感じで護
送されますが、ちょっと違うのは報道のフラッシュが焚かれていないくら
いの違いかもしれません。
いや、ひょっとしたら近所の冷たい目はあったかもしれませんが、鋼鉄の
毛が生えた心臓を持つ私ですから、こんなことで微動だしませんし。
というよりも、途中でVサインとかしたら絶対に怒られそうだなとか、他
の車から見えた時に多少罪の意識が見えるように頭を下に下げて置いた方
がリアル感が出るかなとか、そんなくだらないことを考えていました。
(すいません、昨年末で還暦になってます・・・。😅)

ドライバーからは途中で別の罹患者が乗り込んでくるという説明を受けて
出発しました。
(おい、なんかいい感じじゃないの、何か楽しい罪悪感があるな・・・。)
車はどんどん街中、中心街に向かって進んでいきます。
途中で信号などで停車すると何事かと感じて車を覗き込む人もいます。
(そうなんです、私が変な容疑者です。)
心の中で叫びながら車は進んでいきます。
奇跡的にも投薬で恐ろしい位の免疫が低下しているにも関わらず、多少熱
や頭痛などもあってちょっと苦しいながらも、心はかなりテンションが上
がって元気になっちまいました・・・。😁
どうしてもワンボックスカーというと護送車のイメージがしますが、きっ
とこんな感じで護送されるんだなと考えると妙な体験からテンションが上
がるのは私だけでしょう。

その後、家族が連続して罹患してしまい、私が免疫疾患のために一人ずつ
ホテル療養送りとなりました。
そこで笑ったのが車の話でした。
既に何ヶ月も前に護送された経験のある私が、こうで・ああでと説明をし
ていましたので、全員がそうした運命を辿ったわけです。
家内と長男までは私と同じ状態で護送されていきました。
しかし、あまりの罹患者数によっておそらく車も足らなくなったのでしょ
うか、次男の護送はなんと軽のワンボックスになってしまいました。
半人前であることを考えれば致し方ありませんね。😊
そう、宅配業者の人達が配達に使っている車ですね。
そのうち、それすらも足らなくなったら何が来るんだろって考えてしまっ
たのは私だけかもしれません。
ひょっとして、ベンツが来るのか、いやレクサスか、ひょっとしたらフェ
ラーリとか来ちゃったりして・・・。

まだまだ大変な状況ですけど少しずつ状況も変わっているのかもしれませ
んが、ある意味貴重な経験はさせていただいたのかもしれません。
医療従事者の方やこうした療養施設や保健所の方々など本当に大変だった
んだなと改めて感謝しかありません。
次男もワンボックスの軽で護送されましたが、無事療養はできました。
皆さんはくれぐれも、本当の護送なんかされないよう法令順守・コンプラ
遵守ですよ。


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