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渡辺 香津美

南仙台の父

こんにちは南仙台の父です。
noteで谷川 公子さんから渡辺 香津美氏の近況が公表されました。
脳幹出血で今年の2月に自宅で倒れ、入院加療されていましたが、退院さ
れて今は自宅に戻られたそうですが、重度の障害がある状態で要介護5と
いう状態でギターが弾ける状態には相当遠い状態だそうです。
今回はGibsonと渡辺 香津美氏との縁はあまりないのですが、色々な面か
ら書いていこうと思います。

表題の写真は渡辺 香津美氏の監修というピックです。
島村楽器で販売されているもので、私も10年以上使っているものです。
最近は演る曲によってこのピックを使ったり、池部 慎二さんにいただい
たお手製のピックを使い分けています。
アタック感よりもメローな感じが必要な時にこのピックを使っています
が、まあまあ使いやすいし音もニュートラルな感じです。
渡辺 香津美氏は長いキャリアの中で様々な機材を使ってきましたが、そ
の経験値から自身のオリジナルモデルなども製作されてきました。
どちらかというとGibson系のイメージとは違う印象がここ20年程度のキ
ャリアでは強いです。
ずっと昔の話ですが、1970年代のデビュー当時はレスポールを使ってい
たり、国産のレスポール系の音を基盤としたギターを使って渡辺氏は演
奏していました。
かなり古い音源（アナログのレコード）、探すのも難しくなっています
が、YouTubeなどの古い映像ではこうしたギターを使っている姿を見る
こともできます。
渡辺氏のテクニックはかなりインパクトがあって、10代でデビューした
頃は天才といった形容詞がつけられてもいました。
若い頃から海外のミュージシャンと演奏しており、80年代にはYMOとも
活動を一緒にしたこともあるので、ジャンルを問わず幅広く活躍したギ
タリストです。
渡辺氏が倒れたのはネットの報道で知っていましたが、一命は取り留め
て療養中ということしか知りませんでした。
ラリー・カールトンが暴漢に頭を撃たれたにも関わらず、その後のリハ
ビリの甲斐もあって見事に復活したことがあったので、そうした形で復
活することを期待していましたが、谷川さんの吐露からはそれもかなり
難しい感じは受けます。
ただ、かすかに左手の指が動くというのはギタリストらしい感じも受け
ましたが、70歳を超える年齢もあるので日常生活が戻ることもかなり厳
しい感じはあります。

渡辺 香津美氏といえば残念ながらライブを観たことはありません。
ただ一度だけお金を払わずに渡辺 香津美氏の演奏を聞いたことがありま
す。
聴いたではなく、聞いたです。
今は移転してなくなってしまいましたが、渋谷の道玄坂にあったヤマハ
に行った時に渡辺 香津美氏が偶然居合わせて、その時にギターを試奏し
ていたのに出くわしました。
渡辺 香津美氏がその時に弾いていたのはエピフォンの安いレスポールで
した。
いわゆるエントリーモデルというやつです。
エピフォン自体はギブソンが買い取って、エントリーモデルなどを製作
するブランドとして今も継続しています。
渡辺 香津美氏にかかるとエピフォンの安いレスポールでも音色が違いま
した。
私も最初は別の場所にいてギターの音がするので、誰が弾いているんだ
ろうと思ってちらっと見るつもりだったのですが、弾いているのが渡辺
香津美氏だと知って驚いてしばらく遠目で見ていました。
ギターだけでなく、アンプも楽器屋さんで普通に試奏用として置いてあ
るジャズコーラスのようなアンプでした。
やっぱり上手い人が弾くと弘法は筆を選ばずで、かなりいい音がしまし
た。
弾いているのはスケールを単純に崩したものでしたが、とにかく音がま
ったく違って素人では何十年かかっても出せない感じでした。
当然アンプのセッティングなどもあるのでしょうが、エフェクターもか
かっていないクリーンな音で、その音の透明感というかメローな感じと
いうのがさすがにプロという感じでした。
小規模のライブなどで他のギタリストの演奏などを観ることもあります
が、特にクリーンな音であそこまで透明感が出せる人はまだ見たことが
ありません。
もちろん、アンプのリバーブはかかっていたとは思いますが、エフェク
ターで出せるような感じではない透明感だったので、渡辺 香津美氏が試
奏し終わるまで見ていました。
たぶん、ヤバいストーカーみたいな感じだったと思います。

鍛錬で何とかできる部分だけでなく、天才的な天性のスキルのようなも
の、いわゆるセンスというものに溢れたのが渡辺 香津美氏の音のように
感じます。
仮に渡辺 香津美氏が元の状態に復活できたとしても、何の加工もない素
の渡辺 香津美氏の音を聞くことはまあないでしょう。
偶然の出来事とはいえ、本当に貴重な体験をしたと思います。
今は渡辺 香津美氏が日常生活に戻れることが優先となりますが、これか
らが大変だとは思います。
一日も早い回復を祈念したいと思います。

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