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メイプルトップ+マホガニーバック

こんにちは南仙台の父です。
今年初の音楽ネタ・ギターネタになります。
今回はレスポールモデルのサウンドを決定づけている要素の一つであるメ
イプルとマホガニーについてです。
今ではGibson以外でもレスポールモデルの流れを汲むギターの多くがこの
木材の組合せで製作されています。
形状がストラト系でも、ハムバッキングとの相性だったり、狙う音質によ
ってはこの組合せが選択されることも多いです。
今回はこの組合せについて記事にしてみました。

レスポールモデルは重量が嵩み、価格的にも高価なメイプルとマホガニー
が使われています。
トップ側(表側)にメイプル、バック側(裏側)にマホガニーという組合
せになっていますが、この二つを接着して貼り合わせてあります。
それぞれの持つ特徴が活かされるように、その厚みの比率も工夫されてい
ますが、レス・ポール自身は今のレスポールモデルよりもメイプルの割合
を増やすようにGibsonに要求したとも伝えられています。
しかしながら、コストと重量の問題からこの提案は却下されて、今の比率
になっています。
もっとも、この組合せ比は時代やモデルによっても変遷しています。
メイプルが12.5mm、マホガニーが44.5mm程度になっていますが、これで
も十分に重くて、この重さで敬遠される一面もありました。
この比率で一番重要な要素となったのが、レスポールモデルの大きな特徴
となるロングサスティンでした。
ネック部はマホガニーで製作されていますが、一時期のレスポールモデル
復活期にはメイプルのネックもあったそうです。
一番初期のモデルは実際には組合せも色々と試行錯誤に近い状況もあった
ので、最終的に経験則から今の組合せ比が決まっていったというのが実際
のところからもしれません。
また、ボディは2ピース構造になっているため、塗装の都合や杢目によっ
て木材のロスを防いで使い回すといったことも特徴になっています。
メイプル側は杢目の美しさだけでなく、アーチ状になった形状になってお
り、この形状自体が音質にも影響しています。
あらゆる意味で木材の組合せによって最適化されたサウンド設定が保証さ
れるというところがGibsonの考え方になっています。
貼り合わせ構造はボディの反りが生じにくいという特徴もあります。

レスポールモデル自体は木材の特徴を活かすための塗装も選択されており
、様々なカラーがある中でサンバースト系のカラーリングが好まれる傾向
もあります。
これはカラーリングから杢目の美しさがそのまま出て来るという特徴から
こうした傾向になっていますが、発売当初は環境的な退行によって色が変
色したり、トップのラッカーが変質するといった問題もありました。
今のレスポールモデルはそういった問題もあまりありませんが、今市場で
流通している様々なカラーリングはレスポールモデルが自然に変色・変質
した色を再現したものもあります。
レモンドロップなどはその一つです。
元々、レス・ポールは見映えを上げるためにGibsonにゴールドトップを強
く推していたことも知られています。
シグネチャーモデルをはじめとして、多くのレスポールモデルでゴールド
トップが商品化されているのもこうしたことがあります。
Gibsonの多くのギターでこれだけ手をかけたソリッドモデルはレスポール
だけといっても良いかもしれません。
今でもレスポールモデルが多くのミュージックシーンで活躍しているのも
試行錯誤によって色々と試された上での結果なのでしょう。

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