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自動車消失事件

こんにちは南仙台の父です。
今回はちょっと笑えねえ話で恐縮です。

表題にある通り、自動車が消えちゃったという話です。
詳細はネットでも色々見ることができるので、細かい話は割愛しますが、
今から60年ほど前の話になります。
事件は昭和38年(1963年)に起きました。
昭和38年の11月のある晴天の朝、某銀行の支店長代理が運転する車には次
長と得意客が同乗し、茨城県龍ヶ崎市のゴルフ場に向かっていました。
車が水戸街道の柏市内を経て午前8時過ぎにその事件は起きました。
150mほど先を走る黒塗りの車の周りから突如として白煙のような水蒸気
のようなガスのようなものが噴き出しました。
しかし、それはほんの5秒ほどで消え、前を走行していたはずの車は影も
形もなく消え去っていたそうでした。
3人はこの事実に驚き、思わず「車が消えた!」と叫んだそうでした。
前方を走る車は水戸街道の金町付近からずっと先行しており、東京ナンバ
ー(当時は東京ナンバー)で、後部座席の左側で年配の男性が新聞を読ん
でいるのが見えていました。
3人はこれをはっきりと覚えており、現場付近は横道もカーブすらも存在
しない直線道路で、5秒ほどの間に車を見失ったとは考えられず、3人は
「誰にも信じてもらえそうもないが、確かに車が目の前で影も形もなく
なった。」と報道によれば話していたそうでした。

この話は毎日新聞の昭和39年3月の首都圏夕刊版に掲載され、社会面のコ
ラム内で紹介されたということでした。
私はまだ生まれて間もない頃の話で、当然この報道やら話やらを直接見
聞きしたことはありません。
後年になって、その当時色々と出版されていた様々な雑誌や本でこの事件
を知ったのでした。
私は子供の頃は名古屋市内に住んでおりましたが、この金町から柏にかけ
ての道を実際に車に乗せられて何度か走った記憶があります。
(親父の実家が茨城県取手市にあったのでした。)
まだ当時は常磐道などもなく、国道6号線も十分な整備状況ともいえず、
都内でもちょっと外れた感じのある場所だったので、こんな話を聞いて
夜中にトイレに行けなくなったのは言うまでもありません。

よく海外も含めて人間の消失だったり、バミューダトライアングルのよう
な特殊な場所で飛行機や船が消失するという事件は見聞きしましたが、こ
の話のように目撃者が複数人居て、更にこの目撃者が金融機関の関係者で
ある、三大紙の一つである毎日新聞のコラムとはいえ掲載されたことも、
他の消失事件とは異なり大きな衝撃がありました。
ここでは車の名前は書いてありませんが、当時としては普通に街中を走る
車だったので、その車を見ると周囲から白い煙が出ていないかを確認する
癖までついてしまいました。
事件の真相や本当にそんなことが起きたのか、まったくわかりません。
おそらく、何かの取材などでそういった話が記者の耳に入り、コラムとい
う形で記事になったのかもしれません。
当時は四次元の世界に消えたといった話も出回っていました。
バミューダトライアングルは最近はこうした四次元に消えたということで
はなく、何らかの気象的なトラブルに巻き込まれたということで検証され
ています。(中には戦争中に潜水艦も消えたとかいう話もあります。)
確かに海の上ならそうなるのですが、この話は陸の上であり、晴れた日の
一本道の道路ですから、そういった話では済まないところがあります。
ただ、この消失で行方不明者の届け出があったとか、ナンバーによる捜索
がされたとかいう話も残ってはいません。
物理学的には空間の歪とか色々な力によって、大きな時空の変化が生じて
、これによって別の世界に移動してしまうとかいう話はよく聞きます。
ただ、検証もできず、そもそもこうした変化がどのような力によって起き
、どういう条件で生じてしまうのかもわかりません。
そもそも、こんな学説自体が正しいのかというのもわかりません。
(正しくないというのも説明できていません。)
この事件では白い煙のようなものが車から出たという話があるので、時空
の歪とかのようなものではないし、時間的には前の車だけでなく銀行関係
者の車も巻き込まれるはずなので、そうした説明もあてはまらず、ただた
だ、本などで描かれている説明イラストの不気味さにおののくしかありま
せんでした。

こうした事件が同じ場所で立て続けに起こっていたり、様々な場所で起き
ていればその一例として挙げられるのでしょうが、残念ながらそうした現
象が起きているとは報告もなされていません。
コラムの記事内容も具体的なところは避けられており、金融機関の特定や
氏名などは伏せられているので、こうしたことも謎が謎を呼ぶところにな
っているかもしれません。
(年齢だけはなぜかしっかり明示されていますが・・・。)
子供の頃はタクシーも含めて車に乗ると、いつ周りから白い煙が出てくる
のか、もし出て来たらどうするんだろう、といったことばかり考えていた
ように思います。
今でも色々と不思議なことが身の回りで起こることが多いのですが、車の
消失だけはちょっと怖いなと思います。
運転中に前の車から白い煙が出て、その後何事もなかったかのように前の
車が消えてしまったとしたら、そんな怖いことはないと思います。
(昔はラジエータの不良で水蒸気がボンネットから漏れるといったことは
起きていたようですが、周囲から水蒸気が漏れることまではありませんで
した。)

この事件は国内で起きたこともさることながら、場所が具体的に特定され
ていること、状況がかなり明確に表されていることなどもあって、かなり
インパクトの大きい内容だったことは間違いありません。
車の後部座席で新聞を読んでいるような人であれば、大きな会社の取締役
クラスの人だったり、役所であればかなりの上席の方、政治家とかそれな
りの身分の方だったはずですから、そんな方が行方不明にでもなれば大き
な事件として取り上げられるはずです。
でも、その頃に、しかも東京でそのような事件は起きていないようなので
、この話自体がどうだったのっていう信ぴょう性もあります。
当時は米軍の施政下が終わって10年程度経過した時代なので、終戦後のよ
うな混乱もないし、終戦後のミステリーが多い事件ともちょっと違う感じ
もあります。(下山事件などの真相不明な事件がありました。)
もう60年も前の話なので、これに関連する関係者の多くが存命ではないの
で、真相がこれから明らかになることも難しいでしょう。
最近もネットでは色々な不思議な情報も出回っていますが、明らかに作っ
た話だったり、内容を盛っていたりするものも多くあります。
皆さんも前の車から白い煙が出て来たら、ちょっと注意が必要かもしれま
せんよ。

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