大企業からの中高年転職のリスク
こんにちは南仙台の父です。
今回は久しぶりに別の視点からの話をしたいと思います。
私は占い・鑑定の他にも人事・製造系のコンサルの仕事もやっています。
企業の採用に関する仕事も多く関わっていて、最近は中小企業の顧客から
いただくお仕事も多いのが実態です。
世の中は人材不足であることは間違いなく、中小企業ではあらゆる階層で
人材が足りていません。
また、大企業では中高年の人余りが経営上の問題となっています。
そうした中で、大企業を定年退職・リストラ・早期退職する人たちの中小
企業への転職も増えてきました。
私もそういう案件に関わることも多く、自身も大手から中小に移って仕事
をした経験もあります。
ただ、残念なことに需要と供給の期待値に差が大きく、不幸な事例になっ
たケースも数多くあります。
というか、成功する方が少ないかもしれません。
今年も報道などで、早期退職を募る大手企業の話題も上がっています。
そんな状況下ではますますこうしたケースも増えるのだと思います。
今回は本来ならお金をいただいてお話をする三歩程度前の話をしようと思
います。
大手から中小企業に転職するための成功のカギです。
生活もありますから、この時代だと短期でいいやという話にもなりません
ので、やはり10年程度の長期を見越した話になってきます。
中小企業で10年程度生き抜いた実体験に基づいた話なので、こういう方々
への参考になればと思います。
①管理職、マネージメント経験は多少有利になる
大手から中小に移る場合は管理職やマネージメント経験は有利な材料に
なることは間違いありません。
やってないよりはやってた方がいいとは思いますが、大きなアドバンテ
ージにはなりません。
ずっと役職には無縁だったという方も多いと思いますが、中小企業では
管理職だけでなく、あらゆる現場で人が足りていません。
営業・設計・経理・製造・販売などあらゆる現場で人不足が深刻です。
ですので、役職経験がなくてもそれほど心配はありませんが、管理職を
求める中小企業も多いのが実態です。
多少は有利だっていう程度で考えておいてください。
40代くらいの方であれば何らかの形でマネージメント経験を持っておく
ことだけはお勧めしておきます。
組織でなくても、プロジェクトでも何でも大丈夫です。
一番ダメなのは、「私はこれしかできません、これしかやりません。」
という方です。
中小企業では自分の専門外や専門でも経験の範囲外の仕事もやらないと
ダメです。
もし、こうした考えであればすぐに考え方を改めた方がよいでしょう。
そうでない方は死んでも今お勤めの大企業を辞めるなど考えず、しがみ
ついて振り落とされないようにしてください。
こういう方には中小企業で働くこと自体がムダですから。
②中小企業では実務とマネージメントの二刀流が重要
大企業で管理職をしていると細かい実務や雑務から離れていき、時代も
流れて業務もデジタル化してしまい、気がつくと実務や雑務ができなく
なることも多いです。
中小企業では営業部であろうが、総務部であろうが、設計部であろうが
大して人数はいません。
下手をすれば部長としてやって来たあなたと事務の人が一名なんてこと
もあります。
例えば営業だったら、見積書やら売掛実績の確認、納期の確認からトラ
ブルの対応なども自分一人でやらなければなりません。
当然ですが、自分でコピーも取らなければならないし、電話がかかって
くれば出なければならないし、EXCELやWORDはもちろんのことPower
Pointだって自分で対処しなければいけません。
当然、PCのトラブルも自分で対処です。
普段から自分で雑用もやっていた人は問題ないでしょうが、部下や人任
せだった人は要注意です。
いざ、中小企業で誰かに頼もうとしても誰もやってくれませんし、周囲
の人は大手に勤めていた人がそんな簡単なこともできないのかって心底
バカにされます。
もし、早期退職を選択したり、リストラに遭うリスクがあるなら実務や
雑務をもう一度できるように特訓しておきましょう。
私の周りでもこうしたくだらないことで辞めていった大手からの転職者
も数多く居ます。
起業を考えている方も同じで、間違っても最初から事務の人を雇うなん
て考えてはダメです。
そんな考え方だと間違いなく数ヶ月で倒産しますから。
もし、役職定年になって役職を離れる機会ができたら、迷わず実務や雑
務にチャレンジしてください。
「芸は身を助ける」です。
③郷に入っては郷に従え
大手でお勤めだった方の多くは数十年に渡って一つの企業で過ごした方
が多いと思います。
特に転職の経験がない、異動の経験が少ない方は要注意です。
会社はどんな会社でも独自の文化・風土があります。
こうしたものが客観的に見て、仮に間違っていたとしても絶対に批判し
たり、馬鹿にしてはいけません。
また、業務でも様々な独自のルールがあったりもします。
業務用語だって細かく言えば違っています。
世の中では有給休暇を、「有休」と称する会社と、「年休」と称する会
社があります。
どっちも同じ意味なのでどちらでもいいのですが、仮に自分の勤めてい
た会社が「有休」だったとしても、転職した中小企業が「年休」と呼ん
でいたら、素直に従った方が身のためです。
世の中には正しい解が決まったものだけではありません。
自分にとって馴染がなくても、そこは「郷に入っては郷に従え」です。
つまらない言い争いをしたり、自分の方が正しいと思ってはダメです。
法を守っていなかったり、社会的なマナーが欠如しているのであれば別
ですが、そうした企業だったら無理して残らずにさっさと辞めてしまう
ことをお勧めします。
そういう企業は必ずなくなってしまいますので。
私も多くの方と話す機会がありますが、自身も大手出身だからわかるので
すが、大手で仕事をした実績はどんな場所でも通用するということは絶対
にありません。
もちろん、風土や文化を尊重しながら、やり方を少しずつ周囲に理解して
もらいながら変えていくことはできます。
誰でもそうですが、いきなり外部から来て、「これはダメだから変えろ!」
って言われたらいい印象にはなりませんよね。
あなたがお勤めの大企業に外資の役員とかが来て、「All change now !」な
んて言われたらどうですか?
腹の一つも二つも立ちませんか?
まだまだこれだけじゃありませんけど、上記の3つのポイントは必須項目
です。
これから、大手企業に見切りをつけて転職・起業、早期退職に応じて足下
の明るいうちに中小企業へ、そんな考え方をしている方はぜひこれを参考
にしてください。
あと、可能な限りできることを拡げること、やってないことにもチャレン
ジする精神は大事です。
ネガティブな気持ちで転職なんか考えると運気も下がるし、とんでもない
中小企業に行くこともあります。
場合によっては転職できずに日雇い仕事しか見つけられないってことにも
なりかねません。
ポジティブにやってください、雑用も実務も。