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ジェフ・ベックとレスポール

こんにちは南仙台の父です。
先日の報道によれば、ジェフ・ベックが生前に使っていたギターやアンプ
がオークションに出され、130点を超える出品の中に70年代前半に愛用さ
れていたレスポールモデルも含まれており、2億円を超える値がついたと
いうことでした。
ジェフ・ベックといえばストラトのイメージも強くあり、多くの方は白い
ストラトをイメージするかもしれません。
ジェフ・ベックは70年代の前半まではどちらかといえばレスポールモデル
の方を使っていました。
今回も数多くの出品の中で注目を集めたのが2本のレスポールモデルでした
が、オールドギターでしかもレジェンドギタリストのギターとはいえ、億
を超える値がついたのも驚きでした。
初期の頃に出されたアルバムのジャケットにもレスポールを使っていたこ
とが今でも遺されています。
彼の妻であるサンドラ・キャッシュは「これらのギターはジェフにとって
非常に大切なものでした。 亡くなってから約2年が経ち、夫の希望通りそ
れらを手放す時が来たと思い、それらを分かち合い、演奏され、再び愛さ
れるべきだと考えました。 手放すことはとても辛い選択でしたが、ジェフ
がこの愛を分かち合うことを望んでいることを私は知っています。 彼はそ
の道の巨匠でした。 このギターを手にする未来のギタリストたちがこのギ
ターを演奏した天才に近づけることを願っています。」とコメントを残し
ています。
今でも多くのギタリストが彼の曲をライブで演奏することもあって、死後
もその功績は継続して語り継がれています。

今回のオークションでは上述の通り、1954年製のレスポールモデルに注目
が集まっていました。
ジェフ・ベックは1972年にこのギターをメンフィスで購入し、70年代前半
を中心に使用しました。
1975年に発表された「Blow by Blow」のレコーディングで使用され、ジャ
ケットにも取り上げられているので、初期のジェフ・ベックを語る中では
特に重要なギターといえます。
当時はジェフ・ベックもインストを中心とした活動をしていたこともあり
、ジャズとロックを融合させたサウンドで新たな世界を拓いていました。
ちょうど、ジャズ側からマイルス・デイビスがロックの様式や機材を取り
入れたサウンドを指向していたこともあって、ロックから果敢に攻めてい
ったのがジェフ・ベックでした。
今でも「Blow by Blow」は銘盤としてジェフ・ベックを語る上では忘れて
はならないものとなっています。
そのサウンドを支えたレスポールモデルだけに2億円という値段は当初から
予想されていたとはいえ大きな注目を集めました。

今回はもう1本のレスポールモデルにも注目が集まりました。
1959年製レスポールで、彼がヤードバーズ時代に使用していたものです。
このギターは1966年発表の「Over Under Sideways Down」などヤードバー
ズの多くのレコーディングで使用されています。
ヤードバーズ時代の活躍によってジェフ・ベックの評価が高まり、スーパ
ーギタリストとして認識されたことは間違いありません。
ヤードバーズといえば、ジェフ・ベックだけではなく、ジミー・ペイジや
エリック・クラプトンの名前も出てきますが、この2人もレスポールモデル
とは大きな関りがあります。
もちろん、ジミー・ペイジはレスポールモデルといえばこの人ということ
で、その筆頭格として出て来る人物です。
エリック・クラプトンも黒いストラト以前に、クリームの時代にまったく
見向きされなかったレスポールモデルを使ってレスポールモデルを再生に
一役買ったこともあります。
ジェフ・ベックもレスポールモデルをヤードバーズ時代には多用していた
ことを考えるとレスポールモデル自体のサウンドが多くのギタリストを魅
了していたのでしょう。
更に今回のオークションではあの超有名な白いストラトにも注目が集まっ
ていました。
このギターも多くのライブやレコーディングに活躍しただけでなく、オバ
マ氏から2012年の大統領在任時にホワイトハウスに招かれてパフォーマン
スを披露した際にも使われたという由緒正しいギターです。
個人的にはジェフ・ベックといえばこのギターというイメージが強かった
ので、それを超える形で初期のレスポールモデルに付けられた値段には驚
課されました。
今後もギターレジェンドのコレクションがオークションに掛けられる機会
も出て来るかもしれませんが、天才と呼ばれたギタリストの秘蔵ギターだ
けに余計に注目が集まった感じもありました。
特に1954年製のレスポールモデルはブリッジが今はテイルピースとなって
いるものが使われており、その演奏性や弦交換の面倒さからかなり不評だ
ったものでした。
ただ、天才にはそんなことは関係なかったようで、今でも当時の音源がデ
ジタル化されて遺されています。
弘法筆を選ばずといったところだったのかもしれません。

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