「おとり広告」「おとり物件」ってなに?#1 ~違反事例に学ぶ景品表示法~
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■はじめに
こんにちは、株式会社LIFULL 情報審査グループです。
皆さん、「おとり広告」という言葉はご存じでしょうか。
今年6月、回転寿司チェーン最大手であるスシローが消費者庁から「おとり広告」に該当する景品表示法違反が認められ、措置命令を受けたのは記憶に新しいですよね。
「高級品であるウニの寿司を110円の超低価格で提供する」というキャンペーン期間中に「“品切れ”と言われ注文が出来なかった」というクレームがたくさん寄せられた事が発端でした。
人気商品のための「売切れ」や「品薄」という事は、多くの人が訪れる飲食店であれば起こりえる話ではありますが、今回の一件は「おとり広告」と判断されています。
あまり身近には聞かない「おとり広告」とは具体的にはどういう意味の言葉なのでしょうか?
今回は「おとり広告」とはなにか?という部分について書いていきます。
■「おとり広告」とは?
前回景品表示法の解説記事にて、おとり広告は「不当表示」の一つであるとお伝えしたのを覚えていますか?
消費者庁のHPでは、「おとり広告」について以下のような内容を確認する事ができます。
「実際には購入できないサービス・商品を購入できるかのように表示する」とは、サービスや商品についての、うそや大げさな広告、と考えてみてください。
今回措置命令を受けた回転寿司チェーンでの内容を確認したところ、「ウニを低価格で食べる」キャンペーン期間中、CM内容に反して9割以上の店舗が1日以上対象商品の販売をしていなかった、という事実が判明しました。
つまり、CMを見て来店をしたが、そもそも販売自体をしていないので、「絶対にウニを食べる事ができない日」が存在していた事になります。
「供給量が著しく限定されていたにもかかわらず大々的にキャンペーンを告知して集客したこと」「品切れになってもそれを告知せず集客し続けていたこと」という2点の行為が、うそや大げさな広告である、と判断されたというわけです。
この事例では、以下のような内容で措置命令がくだりました。
・再発防止策を講じること
・一般消費者に本件の事実関係を周知すること
・同様の表示を行わないこと
しかし、景品表示法違反事例の中には、上記のような条件の他、対象商品・サービスの「売上額」に3%の課徴金として納付するよう命じられる場合もあります。
■不動産業界の「おとり広告」とは・・・?
株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME‘S」は、引っ越しで新居をお探しの方に対して不動産会社が物件広告を掲載する為のポータルサイトです。
不動産ポータルサイトには賃貸物件・売買物件問わず、アパート・マンション・一戸建て・土地など様々な物件の広告が掲載されています。
不動産広告における「おとり広告」は「おとり物件」とも呼ばれており、どういうものなのかというと、
・貸したり売ったりすることのできない物件
・貸したり売ったりする意思のない物件
について広告を行うことを指します。
LIFULL HOME’Sでは、お取り引きがある不動産会社様にご協力をいただきながら、「おとり物件」を撲滅する為の様々な取り組みを行っています。
■今日のまとめ
✅おとり広告は「実際には購入できない商品・サービスを購入できるかのようにする表示」のこと
✅不動産業界の「おとり広告」は「おとり物件」とも呼ばれている。
次回は、「おとり物件」の原因や、「おとり物件」とならないための取り組みについて、お話していきたいと思います。お楽しみに!