大人が子どもの邪魔をしないということ
この日私は焦っていた
千葉県から大好きな画家の育色さん(いくちゃん)が来てくれて
子どもたちと色で遊んでくれるというのに
「何をするか」も決まってなければ
準備物も揃っていなかったからだ
一週間前にいくちゃんが
こんなことできるよ!
と6つくらいの選択肢をくれて
その中で何をしたいかを子どもたちに聞いたら、見事にバラバラだった(そりゃそうだ)
前日になっても
何をやるかを決めきれず
千葉から我が家に到着したいくちゃんに
そのまま相談する私(ダメダメ)
するといくちゃんが
「そっか!じゃあ子どもたちがやりたいこと全部できるように準備しよ!」
と言ってくれて
その瞬間
「私もそうしたかったーーー!」
と心が震えた
当日の朝
バタバタといくちゃんと
コメリにお買い物に行くと
ちょうどいい絵筆が無い
どうしても無い
無いものは仕方ないと
そのまま「準備物不完全」での活動スタートだった
赤青黄
ペンキやシャボン玉が並べられていき
子どもたちは
吸い寄せられるように
色の世界へぐんぐん入っていった
「筆が無いからどうしよっか〜」
その私の一言に
「じゃあオレ筆作るわ」
と言って、ササっと工作箱から麻紐と割り箸とテープを取り出し、すぐに筆を作った子
それを見て
「私も」「オレも」
と次々にマイ筆を作りだす子たち
見て真似て
工夫して
オリジナルの筆を作る
壊れたら修正する
作り直す
完璧な筆では無いからこその
味が出る
こうして
私の中の「筆が無くてどうしよう💦」という現実は子どもたちの創造性によって
あっという間に解決されたのだった
それからの時間もすごかった
シャボン玉ビルディング職人になった子は
もう目👀も動きも本気すぎるし
持ってきた上靴や
洋服や大きい布に
色を乗せていく子たちも
黙々と自分の世界を楽しんでいた
しばらくみんなの様子をじっと見ていた子は
お昼前になって
突然自分の世界に没頭して
シャツに色を乗せていった
そこに
正解も不正解もない
ただただ
表現したい心と色があるだけ
ぐぐぐーーーっと
エネルギーが圧縮していた時間は
ふっとしたときに
一気に解けた
そしてみんなそこから居なくなった
その瞬間
いくちゃんと顔を見合わせて笑った
「終わったんだね〜」
誰かが「始めるよ」「終わるよ」と声をかけるのでもなく
心地よく始まって
心地よく終わった絵の時間
「大人が子どもの邪魔をしないことが大事」
私の大好きな幼稚園の園長先生の言葉だ
きちんと完璧に準備をすることも
「こうしてね」のレールを引くことも
時間を区切ることも
ときに
子どもたちの創造性を邪魔してしまうことになるんだということを
今日は改めて感じた
不完全だからこそ
何かが生まれていく
これからもその余白を大切にしながら
日々向き合っていきたいと思う
こんな私のスタイルをわかったうえで
サポートしてくれる
いくちゃんあっての絵の時間💕
本当にありがとうございました😊
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